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#9起業する夢に向かってまっすぐ進みクレープ屋を始めた宮本雅世さんが強い想いで挑戦し続けられる秘訣。「自分の気持ちを大事にする」

for 20's第9回目のインタビューのお相手はマゼンタース カフェ代表の宮本雅世さんです!グルテンフリーのクレープを提供するマゼンタース カフェは、千葉市緑区鎌取町で運営されています。住宅街に溶け込むように営業しているクレープ屋さんで、朝からひっきりなしにお客様が訪れる人気店です。

そんなマゼンタース カフェ代表の宮本さんに、20代の羅針盤となるような経験談やマインドセットを聞いてきました。


【宮本雅世さん】
マゼンタース カフェ代表。高島屋などで会社員として勤務したのち、20代で起業。2015年4月、千葉県千葉市緑区鎌取町にクレープ屋「マゼンタース カフェ」をオープン。グルテンフリーのクレープ、ケーキ、マフィン、焼き菓子を提供されており、地域の住民から愛され、多くのお客様が足を運ぶ人気店。

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<聞き手・ライター:桝井孝一・金子圭介・茂野そら・加藤彩花>



1. 20代前半の経歴

起業に向けた勉強を求め、転職を決意


for20's第9回目の取材のお相手は、マゼンタース カフェ代表の宮本雅世さんです!本日はどうぞよろしくお願いします!(インタビュワー・桝井)

ありがとうございます!よろしくお願いします!(宮本雅世さん)

早速ですが宮本さんは20代前半の頃どのように過ごされていましたか?

20代の前半は、専門学校を卒業して、新入社員として会社に勤め始めた頃が中心になります。化粧品や薬剤の成分を作るような、技術職の人を育成する専門学校で勉強していいて、卒業後に健康食品や化粧品を扱う通信販売を行う会社に入社しました。

今の業種である飲食業とは違うんですね。その会社に入社された決め手はなんだったんですか?

その当時、通販や健康食品がとても好きだったのが大きいかもしれません。業務内容としては、美白につながるこんな化粧品を作りたいと企画会議で検討した後、製造メーカーさんと成分や形状の調整を行い、一から作り上げて直接販売していました。業務内容もやりがいがあるし、当時興味のあることだったのですが、3年半ほど勤めた後、24歳前後のタイミングで退職をしました。

これまでお聞きした話の流れから、特に退職につながるようなイメージが湧かないのですが、何があったんですか?

高校生くらいから、起業したいという思いが強かったんですよね。なので、起業するためには違う領域でも働いて勉強したいと思い、退職しました。その後、企業に勤めながらも経営や人事について勉強できる環境を探し、高島屋に入社し、人事部に配属されました。そこで、人事に関してさまざまな勉強をしましたね。

将来の起業に向けて、勉強されることを目的とした転職だったんですね。

2. 20代後半の経歴

「20代での起業」を有言実行


高島屋に入社された後、20代後半はどのように過ごされていましたか?

高島屋は全国にあり、それぞれの店舗に人事部門があるのですが、それをまとめるような立ち位置でした。新入社員の方への研修のサポートを行い、その後店舗に配属するまでの段取りを組むなども行なっていました。ただ何より、経営層の方と近いところで働いている中で、こんなに大きい会社でも人を雇うことや、人を育てることが一番大事にしているんだなと、まず最初に感じましたね。

確かに、人を育てることはとても大変なことですよね。研修をする側というのは、そう多くの人が経験できることではないと思うのですが、何かその中で印象に残っていることはありましたか?

講師の方の新入社員への接し方が印象的でした。新入社員の方は学生を卒業後入社され、毎年100名ほどの方がいたんですが、とても意欲がある方もいれば、あまり話を聞いていなさそうな方もいる中で、その時の状況に応じて話し方を変えたり、研修内容を変えたりなど、どうやったら一番伝わるかを念頭に置いて接されているのは肌で感じる部分として大きかったです。その後、3年ほど人事の仕事をした後に、起業してお店を立ち上げる準備に入りました。

研修を行うことが目的ではなく、伝えることが目的ですもんね。その後起業されるタイミングとして、なぜその時を選んだんでしょうか?

20代のうちにどうしても起業したいと思っていたんですよね。これは明確な理由があったというよりは、17歳頃から起業したいと常々思っていたこともあり、早く取り掛からないと結局タイミングを逃してしまいそうだったというのはあります。その後、お店を立ち上げる準備が整い、2015年4月にマゼンタース カフェをオープンしました。

そういった経緯があったんですね。でも、お店を立ち上げるにあたって、なぜクレープ屋さんを開こうと思ったのですか?

クレープ屋さんがやりたかったというよりは、私が初めてアルバイトをしたのがクレープ屋さんだったことが大きいですね。食に関するものを仕事にしたかったのですが、その中でも自分の中で思い入れのあるクレープ屋さんにしようと思い、立ち上げました。

3.大切にしている価値観や考え方

自分の気持ちに素直になる


宮本さんが大切にしている価値観や考え方はありますか?

自分の気持ちを大切にしています。自分の気持ちに素直であることで、直感が整ってくると思うんですね。自分に頼らないと物事は決められていかないと考えているので、自分の気持ちに素直であるようにしています。そうすることで、自信が目に見えて感じるような、そんな気がします。

確かに、自分の直感で進むほど、信念のような考え方が強くなってくる気がします。

4.困難な壁にあたったときの対処法

成功するまでひたすら努力する


これまで大きな困難や壁にあたったとき、宮本さんはどのようにそれを乗り越えられてきましたか?

ひたすら努力することや、あきらめないことを大切にしています。考えすぎて行動できなくなってしまうことは避けたいと思っていて、成功するまでやり続けることは大事だと思いますね。

5.もし今20代に戻れるなら

お金のかけ方を考える


宮本さんがもし今「20代に戻れる」なら何をしたいですか?

お金をかけるところを変えればよかったなというのは思います。20代の頃から一番大切にしていたものは食べ物でした。でも、20代の頃はまだ多感な時期ということもあり、ファッションなどの目に見えるものに多くお金を使っていました。なので、もっと自分の心に素直にお金を使っていればよかったなと思うことはありますね。

確かに、食べ物ってどうしても後回しにしてしまう時がありますよね。僕も趣味などにお金をかけてしまう方が多い気がします。

そうなんですよね。もう少し早く食にお金をかけていたら、私と同じく、食を大切にしているさまざまな方に出会えていたのかな、今の仕事の中で何かが変わったのかなと思うこともあります。

6.今の20代のメリット

若い価値観・感度の高い方に囲まれて仕事ができる


宮本さんが思う「今の20代のメリット」ってなんだと思いますか?

周りにいる方が若いというのはメリットだと思います。今は若くして起業されている方も多かったり、年功序列のスタイルの会社も昔ほど多くはないと思うので、上司が年配の方だけではないと思うんです。そうした環境で働けることは良いなと思いますね。同世代で共感できる人が上司にいたり、仲間のような形で仕事をしているのを見かけると、良いなと思いますね。

確かに、今は学生で起業している方も珍しくなくなってきたように感じますね。

若い方の価値観だったり、張り巡らせているアンテナだったり、そういったところはどんな仕事をする上でも必要になることがあると思います。前はネットをはじめ、普段の生活の中でここまでの情報量がなかった中で、自分のアンテナを立てて模索してきたので、デジタルネイティブの世代の方たちの感性というのは大切だと思います。

7.今の20代のデメリット

自分の言葉で考えを伝える


宮本さんが思う「今の20代のデメリット」ってなんだと思いますか?

先ほどの話にもつながる気がするのですが、スマホやインターネットの発達により、コミュニケーションの多様化の影響で、人と話すことや恋愛が不得意な方が多いような気がします。逆に人に合わせるのが上手だなと思いますね。私は接客業なので感じるところも多いのですが、自分の言葉で話したり、自分の考えを相手に伝えることが難しい方が多いような気がします。

確かに、極端に傷つくのを恐れていたり、失敗したくないという思いが強いのかもしれないですね。

情報が増えたことによって、正解が身近にある環境に慣れ、それを早く手に入れようとしてしまうのかもしれませんね。正解ではなく、自分なりの答えを出すことの方が大切な気がします。

8.20代に伝えたい人生設計における羅針盤

アドバイスを受ける先を見定める


宮本さんが考える、20代の人生設計(ライフデザイン)において大切なことは何だと思いますか?

他人からのアドバイスを聞きすぎない方が良いのかなと思います。自分が必要としたタイミングで、この人から助言をもらいたいと思ったときは良いと思うんですが、不用意なアドバイスを聞くことにより、自分が本当にやりたことを見失ってしまったり、方向性が定まらず迷ってしまう可能性があると思うんですね。なので、アドバイスを受ける先をしっかりと見定めることが必要かなと思いますね。

思い返すと、尊敬する方は、欲しい時に適切なアドバイスをくださる印象があります。

そうなんですよね。私が起業したタイミングでも、メニューや立地についてさまざまな方がアドバイスをくれたのですが、やはり自分がやりたいこと、自分の信念に則って決めるのが大切だなと感じることが多いですね。

お店のスタッフさんは学生の方や20代の方もいらっしゃるかと思うのですが、採用される際の面接で宮本さんが大切にしているのはどのような点ですか?

やはり、素直さを重視しています。普段から感じていること、思っていることは無理なく口に出せると思うのですが、面接という場で本心ではない言葉を使うと、ちょっと無理しているなと感じることがあるんですね。なので、素直な方と一緒に働きたいなと思っていますね。

素直さですか。もしかしたら、人事としてのご経験が生きているのかもしれないですね。

そうかもしれないです。素直さというのは、すぐに直せる部分ではなく、その方が生きてきた経験の中で育つものだと思っていて、人間誰しも不器用だったり、仕事が早い遅いといった目に見えてわかる部分もあると思うのですが、そこだけでは測れない長所があると感じることが多いですね。

9. ご自身が影響を受けた人やモノ・コト

「素直な心でものを見て、素直な心で聞いて、素直な心で言葉を言おう」


いよいよ最後の質問なのですが、ご自身が影響を受けたモノなどありますか?

自分が起業したいというモチベーションを保てた本が2冊あり、1つは本田健さん著書の「ユダヤ人大富豪の教え」という本、もう一冊は、松下幸之助さん著書の「素直な心になるために」という本です。この2冊は、私が会社員時代も通勤中などに読み、起業したいという思いを燃やしてくれた本ですね。

先ほどの面接で大切にされている、素直さの部分にも重なってきますね。

そうですね。素直さは大切だなと教えてもらったのは松下幸之助さんの本でした。毎日通勤中に読んでたというのも、会社員時代も普通に暮らしていけるし、日常に流されてしまって「このままでもいいかな」と思ってしまうこともあったんです。そうした中で、やはり自分の夢を叶えることを思い返すために続けていましたね。

僕も、情報として自分が大切にしていること、考えていることに毎日触れることは大事だなと思うことが多いですね。

忘れるわけではないのですが、毎日触れることで潜在意識ができてくる感覚があるんですよね。特に松下幸之助さんの本で印象に残っている文として、「素直な心でものを見て、素直な心で聞いて、素直な心で言葉を言おう」という一文があるのですが、これは呪文のように自分に言い聞かせて出勤していました。仕事の中でも、苦手な人や合わない人がいると構えてしまうこともあるんですが、そうした時も素直な心を持ち合わせているとうまくやり過ごせたような気がします。

会社員時代のお話から、20代での起業、そして20代へのアドバイスやマインドセットなど、20代にとって勉強になる情報をいくつも教えてくれた宮本さん。

個人的には、「素直な心を持つ」という点に深く共感しました。自分の中で、やりたいことや実現したいことを明確に持っていても、日常の生活の中でどうしても流されてしまうことも多いのですが、今一度自分を見つめ直し、これからのキャリア設計に向けて素直な心を持ち合わせていきたいなと思います。

番外編

現役大学生が、宮本さんに気になったことを質問してみました!(インタビュワー・茂野そら/加藤彩花)

1.20代で1番楽しかったこと

怖いもの知らずで30カ国旅行した

20代で1番楽しかったことや思い出に残っていることはなんですか?

怖いもの知らずだったので、海外に30カ国くらい行ったことですね!英語も喋れないし、今だとちょっと怖いなと思っちゃうんですが20代は全く怖くなかったので、ヨーロッパ、アメリカ、中国、インドなどいろんな国に行きました。食べ物を楽しみに行っていて、どこの国でもクレープを食べます。日本のとは形状が違ったり食事代わりのクレープが多かったりするけれど、どこの国でもクレープがあるんですよ!それこそインドにもドーサというクレープがありました。そういう影響もあってマゼンタースカフェではクレープのランチもやっていたりするんです。

2.キャリア選択での迷い

目標に向かってとにかく進む


私は今就職活動中なんですが、これまでの人生でキャリア選択に迷ったことはありませんでしたか?

どんなことが向いているかは考えていたけれど、キャリアっていうのはあんまり思ったことがないですね…。起業するってことが夢だったので、自分の中でキャリアを重ねるっていうのはあまりなくって、目標を決めて、そこに向かって進んできたと思います。

となると、起業する夢が叶った今は何か野望をお持ちなんでしょうか?

そうなんですよ!全国通販をすることと、海外でお店を出すことです!きっとこのまま進み続けていけばうまくいくんじゃないかなと思います。逆算していくと、時間が足りないくらいです。自分を楽なところにおいてしまわないように、目標を見失わなず挑戦しようと思い続けたいですね。これから先もやってみたいことを叶えるために、80歳になっても働くために、まずは日々の体力作りから大切にしています!


〈取材・文・編集・写真=桝井孝一・金子圭介・茂野そら・加藤彩花〉

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