宝くじ魔法学校『#毎週ショートショートnote』
試験が始まり10分経つが、明海は答案用紙に名前しか書けていない。
憧れの魔法学校の入学試験。
徹夜で勉強し、様々な魔法を何回も練習した。
実技試験はミスなくこなすことができた。筆記試験も大丈夫、心の中でつぶやき挑んだ矢先の1問目がこれだった。
魔法が宝くじに及ぼす影響を500字以内で説明せよ
明海は眉間にシワを寄せ、動けなかった。
誰かの咳払いで顔を上げ、時計を見た。
慌てて他の問題を見ると、似たような問題ばかりだった。
周りから鉛筆の動く音が聞こえる。
なにか書こうとするが、鉛筆は全く動かない。
時計の針は順調に動いている。
明海は位を決した表情でなにかを呟いた。
鉛筆は動きだし、答案用紙は無数の文字で埋め尽くされていった。
明海に合格通知が届いた、が校名を見て首を傾げた。
「宝くじ魔法学校?宝塚魔法学校じゃない?」
こんな文章も添えられていた。
あなたの鉛筆魔法は宝くじ魔法学校にぴったりです
苦笑いを浮かべるが、CMを見た明海は鉛筆を持って宝くじ売場へ向かった。
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