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台湾大学野球留学の魅力 〜野球人としてのメリット〜


■ 野球人としてのメリット5点

今回は、台湾の大学へ野球留学をすると、どのようなメリットがあるのかをお話しします。
「野球人としてのメリット」と「大学生としてのメリット」と大きく二つに分け、今回は「野球人としてのメリット」を5つご紹介します。

①近年のルール改正で、留学生にも台湾プロ野球のドラフト資格が誕生

2021年の台湾プロ野球(CPBL)におけるルール改正、いわゆる「永田ルール(永田條款)」により、4年間継続して台湾の大学に在学している外国人選手は、外国人枠ではなく、台湾人選手と同じCPBLのドラフト指名対象選手となりました。

これまで日本人がCPBLでプレーをする場合は外国人枠でした。「外国人助っ人」としての働きを求められるため、NPB経験者や相応のレベルでないと契約を勝ち取れず、CPBL球団との契約へ高いハードルとなっていました。

しかし先の改正で、台湾人選手と同じ選手枠となり、入団へのハードルが一気に下がりました。それでも野球強豪国・台湾でのドラフト指名なので簡単ではありませんが、以前に比べると大幅にチャンスが拡大したと言えます。

永田條款(中国語)
https://twbsball.dils.tku.edu.tw/wiki/index.php?title=%E6%B0%B8%E7%94%B0%E6%A2%9D%E6%AC%BE

台灣棒球維基館

②もちろん日本プロ野球のドラフト資格もある

台湾の大学に進学をする日本人は、日本の高校を卒業しています。その場合はもちろん日本プロ野球(NPB)のドラフト指名の対象選手です。

①で書いた「永田ルール」の語源となった永田颯太郎選手は、日本の高校を卒業して、台湾の大学へ進学しました。台湾でも活躍をし、4年次にはルール改正もありCPBLのドラフト指名が濃厚と見られていました。
しかし、NPBのドラフト(2022年)がCPBLドラフトより先にあり、そこで東北楽天ゴールデンイーグルスから育成4位で指名され入団をしたため、最終的にはCPBLのドラフトで指名されることはありませんでした。

このケースは永田選手の実力があってこそですが、日本人選手が台湾の大学を卒業すれば、CPBLでもNPBでもドラフト指名の対象選手となり、プロ野球選手への可能性が拡がります。

【楽天】育成4位永田颯太郎「日本で続けても成長できない」覚悟の台湾留学で成績はクラストップ
https://www.nikkansports.com/baseball/news/202211010001060.html

日刊スポーツ

新人選手選択会議規約
https://jpbpa.net/wp-content/uploads/2021/12/rp2010.pdf

日本プロ野球選手会

③台湾なら強豪大学でレギュラーの可能性がある

「台湾なら」と書きましたが、台湾の方が日本よりレベルが低いのでレギュラーになりやすいという意味ではありません。どういう意味かと言うと、台湾の大学は学年10-15名が平均サイズで、4学年でも40-60名ほどです。

比較として、日本で強豪とされている大学野球連盟の1校あたりの部員数を調べてみました。首都圏・関西・東北・九州と幅広くピックアップしています。

連盟(2023年秋季リーグ優勝校)
加盟校数 / 総部員数 / 加盟校あたり平均部員数(小数点以下四捨五入)

東京六大学野球連盟(慶應義塾大学)
6大学 / 897名 / 149.5名
東都大学野球連盟(青山学院大学)
22大学 / 1,970名 / 89.5名
関西学生野球連盟(関西大学)
6大学 / 883名 / 147.2名
首都大学野球連盟(日本体育大学)
16大学 / 2,161名 / 135.1名
仙台六大学野球連盟(東北福祉大学)
6大学 / 654名 / 109名
福岡六大学野球連盟(九州産業大学)
6大学 / 723名 / 120.5名

公益財団法人全日本大学野球連盟

調べた結果、日本でプロ野球選手を多く輩出する名門大学では、学年25-40名4学年で100-160名ほどでした。中には3部リーグまであるような加盟校が多い連盟では、野球に力を入れていない大学も含まれるため、4学年で70-80名ほどの連盟もありましたが、それでも台湾のような部員数ではありません。

またCPBLでは4年を待たずにドラフト指名を受ける選手、大学在学中にアメリカへ渡り、マイナーリーグと契約をする選手も多く、良い選手はどんどんプロへ進むシステムです。もし同じポジションの先輩に、超大学生級の台湾人選手がいたとしても、途中でプロ球団と契約をして大学を離れます。

部員数としても、プロへ進む仕組みとしても、台湾では強豪大学でレギュラーを取る可能性があると言えます。

④高校・大学世代は素材の宝庫、世界屈指の野球大国

アンダー世代での台湾代表の活躍は幅広く知られています。過去3回の「WBSC U-18野球ワールドカップ」では全て決勝へ進んでいます。

第31回(2023年)
優勝 日本 / 準優勝 チャイニーズタイペイ / 3位 韓国
第30回(2022年)
優勝 アメリカ合衆国 / 準優勝 チャイニーズタイペイ / 3位 日本
第29回(2019年)
優勝 チャイニーズタイペイ / 準優勝 アメリカ合衆国 / 3位 韓国

特に優勝をした2019年大会のメンバーは20名全員が高校卒業後、もしくは大学在学中にプロ入りを果たしています。

下の世代はU-15ワールドカップの過去3大会で3位が2回と、こちらも好成績を収めています。U-12は他の世代と比べても、歴史的背景もありとても人気・熱気が高く、ワールドカップ過去7大会全てで3位以内(優勝2回、準優勝4回、3位1回)に入っています。日本は準優勝と3位が1回ずつと考えると、その強さが際立ちます。

各年代で世界のトップとして戦ってきた台湾は、素材の宝庫であり、世界屈指の野球大国であること疑いの余地はないでしょう。

少年野球(リトルリーグ)が盛んな台湾には専用球場がある!

⑤年中を通して野球ができる、怪我のリスクも回避

気温とスポーツにおけるパフォーマンスの関連は広く知られています。日本でも野球やサッカーなど特に屋外スポーツで、シーズン始動直後のキャンプは沖縄や宮崎、鹿児島など温暖な地域で行われています。

台湾は日本より緯度が低く(赤道に近く)、年間を通して温暖な気候です。台湾の北部にあり、台湾の中では寒いとされる首都の台北でも、沖縄と同等か少し暖かいくらいです。台中や高雄など、より緯度が低い地域はさらに温暖です。言い換えると夏場は暑すぎる為、日中をなるべく避けるように練習をします。

台湾における年間の平均最高/最低気温(℃) *東京と比較
                        1月        5月        9月
台北(北部) 19/14 29/23 30/25 
台中(中部) 22/12 30/22 32/24
高雄(南部) 24/15 30/25 31/25
東京                9/3      22/15    26/21

Weather Spark

台湾の大学野球は年間を通して大会が行われます。日本と大きく違う所は、大学の開始がアメリカや多くのヨーロッパ諸国と同じ9月であること。そのため7-8月が夏休みとなり、普段より活動の頻度も控えめになります。

大会では主に「梅花旗」「大專盃(UBL)」「春季聯賽」が、全国規模の大会として知られていますが、それ以外にも地域ごとの大会や限られた数の大学のみが出場する大会など、小さい大会が数多く行われています。平日に練習試合を組む事も多く、多い大学では年間100試合を超えます。

レベルアップには実戦の機会が一番です。年間を通して試合ができる環境が台湾にはあります。

次の記事は、「台湾大学野球留学留学 〜大学生としてのメリット〜」の紹介です!

Footrans / フットランス
・スポーツエージェント

 対象:サッカー・野球・ラグビーなど球技を中心にスポーツ全般
   FIFA(国際サッカー連盟)フットボールエージェント
   元公益財団法人日本ラグビーフットボール協会登録代理人
   海外野球代理人
・国家資格キャリアコンサルタント
・SCSCアスリートキャリアコーディネーター

・スポーツ人材向けTOEICコーチ

現役のスポーツエージェントとして、Jリーガーをはじめとする様々なスポーツ選手の競技生活をサポート。またキャリアコンサルタントとして、プロアスリートだけではなく、学生アスリートや競技者以外のスポーツ人材のキャリアサポートも行う。


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