プロに聞く「海辺のピクニックランチ」のコツ
すっかり蒸し暑くなってきました。海の季節です!
外遊び大好き、海遊び大好きの我が家ですが、いつも悩むのがお昼ごはんです。
思い立ったらすぐ、フットワーク軽く出かけたいですが、遊び場の近くに、子どもも食べられるメニューがあるお店があるかどうか、事前に調べるのも一苦労ですよね。
でも、朝早くからお弁当を作るのも大変そう……。衛生面も気になるし……。
そんなお父さんお母さんにおススメしたい「ピクニックランチのコツ」を、栄養士・齋藤るみさんに聞きました。今回は、一緒に海に出かけた3家族のランチの様子とともに、ライターさんにレポートしてもらいます。
■海辺のピクニックランチの効果
初夏の陽気となった6月の休日、仲良し3家族で神奈川県の海にやってきました。
駐車場から木立の道を下りていくと、白い浜辺と青い海が広がっています。「海だー!!!」と勢いよく駆け出す子どもたち。楽しい海辺の一日が始まります。
海に出かけるとき、海の家や近くの飲食店でランチをとるのも楽しいですが、少しの時間を惜しんで遊びまわる子どもたちには、好きなときに食べられる「ピクニックランチ」がおススメです。
それだけではありません。ピクニックランチの醍醐味と言えば、家族みんなでレジャーシートを広げて、お弁当を並べて、みんなで食べる。普段とは違う、一体感と特別感。
そして何より、自然の中で、海風を感じ、波音をBGMに食事することの豊かさを感じられることです。
■海辺のピクニックランチのポイント
それならばと、「よし、家族が喜ぶお弁当を手づくりしよう!」と意気込むものの、あまり早起きしすぎては日中疲れてしまいます。そこで、あまり無理せず作れて、安心&楽しいピクニックランチづくりのポイントを、栄養士・齋藤るみさんに伺いました。
① 前日準備とお手軽メニューでメリハリをつける
お出かけの朝は早いもの。前日にちょっとした仕込みをしておくと、当日の準備がぐっと楽になります。ローストポークやパエリアなど、一品は手軽だけど見栄えのいい特別メニューにすると、子どもたちのテンションもアップ!
② シェアメニューで、好きなものを、好きな分だけ
小さめのおにぎりやサンドイッチ、デザートも取り分けられるケーキなど、お友だち家族とのおでかけでは、みんなでシェアできるメニューがおすすめ。
③夏場は注意!食中毒対策
夏の浜辺は気温がぐんぐん上がります。調理法を工夫したり、市販のものをうまく使ったりして、衛生面も安心なものを。市販の加工食材は、決して手抜きではありません。食品品質が安定しているので、うまく利用しましょう。保冷バッグなど道具でも工夫を。
④熱中症対策も!楽しくしっかり水分補給
ついつい夢中になって長時間遊ぶ子どもたち。おとなが気を付けて水分補給を呼びかけましょう。かわいい容器に入れた手づくりのフルーツウォーターなら、ビタミン補給もできます。
齋藤るみ
栄養士。株式会社カンガルーズ代表取締役。大学卒業後アイルランドに移住。ヨーロッパの美味しいものを味わう。とびきり簡単なのに美味しく栄養抜群なメニュー考案、給食運営プロデュースや栄養管理ソフト開発、食育に携わる。
■メニューと作り方① 木村家流おもてなしランチ
それでは、この日のランチメニューをのぞいてみましょう。
おもてなし上手の木村家のランチボックスには、バゲットをまるごと使った長いアコーディオンサンドイッチが。野菜もたっぷり、好きな分だけちぎって食べられます。
デザートはアップルパイ。火をしっかり通しているので食中毒対策もOK。リンゴの整腸作用もポイントです。
メインの豪華なローストポークは、実は圧力調理で簡単にできるんです。
メニュー:ローストポーク、アコーディオンサンドイッチ、スペイン風オムレツ、オレンジウォーター、アップルパイ
◆「圧力調理パックで簡単ローストポーク」の作り方
<材料>
豚のかたまり肉(お好みの部位) 300g位
調味料A
砂糖 100g
醤油 100g
酒 100g
本みりん 50g
<作り方>
①豚肉は柔らかく味がしみこむようにフォークなどで数か所穴をあける。
②フライパンを温め、油をひかずに肉を入れて表面に焼き色を付ける
③リード圧力調理パックに②と調味料Aを入れレンジに600w10分加熱する。加熱後10分庫内でおき、お好みの厚さに切る。
<ワンポイント>
後片付けを簡単にしたい場合は②の工程なしでそのまま圧力調理パックに入れてもGood。
■メニューと作り方② 長縄家の和風ランチ
素敵な竹かごには、小さなおにぎりがいっぱい。まだ幼い娘さんがいる長縄家のお弁当は和食中心です。
デザートは、ガラス容器ごと持ってきたティラミス。みんなで好きな量だけすくって食べられるのがいいですね。
断面がきれいな「つくねいなり」は、おとなも子どもも大好きな味です。
メニュー:おにぎり(青菜ふりかけ、ひじき煮など)、からあげ、野菜、筑前煮、つくねいなり、ティラミス
◆「つくねいなり」の作り方
<材料(4人分)>
(A)
・鶏ひき肉 140g
・塩 少々
・パン粉 大さじ2
・酒 小さじ2
・醤油 小さじ1
・砂糖 小さじ1
・油あげ 2枚
・うずらの卵(茹でたもの)4個
[調味液]
・水 200cc
・みりん 大さじ2
・醤油 大さじ1と1/3
・酒 小さじ2
・砂糖 小さじ2
<作り方>
① ボウルにAの材料を全て入れ、なじむまでこねる。
② 油揚げは半分に切り、袋あけておく。
③ ②に肉だねを入れ真ん中にうずらの卵をうめて俵型に形を整える。
④ 耐熱容器に調味液の材料をすべていれ、混ぜ溶かし③をとじ目を下にして並べる。
⑤ キッチンペーパーでおとし蓋をし、電子レンジで加熱する。(600w10分~)
⑥ 10分ほどおいて味をふくませ、半分に切って盛り付ける。
<ワンポイント>
・肉だねはビニールの中でこねて袋の端を切り、絞るように油揚げに入れてもよい。
こねすぎると固くなるので全体が混ざれば良い。
・たねににんじんやいんげん、戻したひじきなどをいれるとより華やかに仕上がる。
■メニューと作り方③ 藤家家のパエリアランチ
藤家家のメインはパエリア!特別感があって子どもも喜びそう。だけどちょっと作るのが大変そうかと思いきや、実は市販のパエリアにエビやパプリカを乗せてアレンジをしています。
子どもも一緒に楽しく作れる、冷凍パイシートをつかったハムロールはとてもお手軽なので、お子さまと一緒につくってみてください。
メニュー:パエリア(市販をアレンジ)、ローストビーフ(市販)、サラダ、フルーツ、ハムロール
パイシートで簡単やみつきハムロール
<材料>
冷凍パイシート 1枚
ハム 3枚
シュレットチーズ 100g
ナツメグ(パウダー) 適量
<作り方>
① パイシートは解凍する。ひとまわりだけ麺棒で生地を広げる。
② ①にハム、チーズ、ナツメグをのせ、端からロールケーキのように巻いていく。
③ ラップで全体を包み、冷凍庫で5分ほど寝かせる。
④ 冷凍庫から取り出し2cm幅に輪切りにして、オーブントースターで焼き色がつくまで焼く。
<ワンポイント>
③の工程は切りやすくするためなのではぶいてもOK。ナツメグの代わりにガラムマサラパウダーを使うとスパイシーでビールなどのおつまみにGood.
■これで、今日思い立っても出かけられる!
ピクニックランチというとハードルが高く感じてしまいますが、こうやってコツや具体的なレシピを知れると、楽しくチャレンジできそうです。
もうすぐ夏本番。今年の夏もお弁当をもって、海に川に出かけましょう!