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日本人の欧州移籍金ランキング今昔物語

EUROからコパ・アメリカまで、海外サッカー好きには大忙しの毎日ですね。私はアメリカに絶賛飛ばされ中なので、観れません。しかも帰国が8月半ば。ほぼ終わってるやんけー、でございます。
 しかし、海外サッカーを追う日々は終わりません。今回は6月の伊藤選手のバイエルン移籍を期に、日本人選手の移籍ランキングを振り返りたいと思います。なぜ伊藤選手なのか?それは移籍金が2,350万ユーロ(transfer.com情報)と日本人選手の移籍金が久々に2,000万ユーロを超えたからです。
 過去の先人達の歩みを振り返るとともに、日本人選手の欧州移籍の今後について相も変わらずデータ10%、妄想90%で予想(?)していきたいと思います。
 


分厚い2,000万ユーロの壁

まず、伊藤選手の移籍が歴史的に重要なのか述べていきましょう。私が可能な限りデータを漁った結果、日本人選手の移籍金が2,000万ユーロを超えたのは僅かに5件です。
 伊藤選手は貴重な5件目となっています。日本人にとって分厚い2,000万ユーロの壁を最初にぶち破ったのは、そう中田英寿さん!今から20年以上前に、しかもイタリア内の移籍で2件で記録しています。彼の功績が無ければ、日本人選手の移籍金が2,000万台にのるのに更なる時間を要したことでしょう。

中田英寿さんの例や、中島翔哉選手の中東移籍を除けば、伊藤&遠藤選手のシュッツガルドコンビの2例が2,000万ユーロ級を記録しています。やはり、リーグアン、ブンデスでトップ級の活躍をすれば、移籍金は自ずとこれ位の金額になるということでしょう。板倉、堂安、原口、浅野、奥川には期待です(以下、敬称略)。後、リーグドゥからリーグアン(1部)に昇格したおセールで主砲となったオナイ阿道も可能性があります!

1,000万ユーロ級が増え始めている

日本人選手の移籍動向を見て心強いのは、移籍金1,000万級の例が少しずつ増えていることです。香川真司のマンチェスター・ユナイテッド移籍、岡崎慎司のレスター加入以降、1,000万級はしばらく見られませんでした。が、中島選手のポルトガル復帰を皮切りに、増え始めています。南野、中村、伊東とリーグ・アンの例が多く、選手の買い手としてフランスの存在感が増していることは、日本人の高額移籍先の選択肢が増えて嬉しい限りです。

リーグアンやブンデスには、周辺リーグから移籍する例が多く、ベルギー・ポルトガル組に期待がかかります。お馴染みシント=トロイデンの鈴木彩艶、小川諒也、伊藤涼太郎、山本理仁、すっかりリエージュの主力の川辺駿、コルトレイクでは角田涼太郎、さらに同チームで完全移籍に移行した藤井陽也。もうベルギー組を書くだけで紙面が尽きて、ポルトガルやオランダ組を紹介できなくなってしまいました。

数百万ユーロは「当たり前」

中田英寿、中村俊輔など数例を除けば、20年前に日本人選手が数百万ユーロ級の移籍金がつくことは稀有(けう)でした。中田・中村とともに黄金のカルテットを築いた稲本潤一はほぼレンタル・契約満了移籍を繰り返し、移籍金が100万を超えることはありませんでした。
 しかし、今や欧州で少し活躍すれば、数百万ユーロは当たり前となっています。正直、データを集めて見て例が多すぎて、恐らく下図ではとらえきれずにいくつもこぼしているかとも思います。

データを見て思うのは、オランダ、セルティック、ブンデスがしっかり移籍金を払う、つまり日本人選手を評価している傾向が見て取れます。長年サッカーを観ている方ならお気づきの通り、セルティックは伝説のFKで中村俊輔がレジェンドとなり、オランダはフェイエノールトでUEFA杯を制して小野伸二がレジェンドとなり、ブンデスは1970年代にケルンをリーグ優勝に導いた奥寺康彦、それに続く鉄人・長谷部誠といった先人の成功が効いていると考えられます。
 先人の成功を途切れさせない、という観点では「セリエA所属の日本人選手」の誕生が求められます。カズこと三浦知良がジェノバで先陣を切り、中田英寿、中村俊輔の時代があり、長友が長年活躍し、冨安選手が台頭し、とカルチョと日本人選手は30年近い付き合い(?)です。ただ、冨安以降は日本人選手の活躍が鳴りを潜めています。鎌田は残念ながらラツィオで本領を発揮する前にプレミアのクリスタル・パレスに去ってしまいました。
 そんな中、系譜を引き継ぐものとして個人的に期待しているはオランダのエールディビシはAZ所属の菅原由勢選手です。AZはセレッソ大阪から毎熊選手を獲得しており、菅原選手放出はほぼ確実と言われています。
 移籍先にはプレミアの他、インテルが名乗りを上げていると報じられています。実現したら、長友と同じくインテルのサイドバック(SB)の系譜を引き継ぐ人物になるわけです。いいじゃないですか!インテルのSBと言えば、日本人という歴史認識が紡がれていくかもしれません。そんな妄想を膨らませながら、移籍市場を楽しんでいきたいと思います。では、本日もよいサッカー生活を!

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