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新たにマンUに経営参画するジム・ラトクリフ氏を掘り下げてみた


マンチェスターユナイテッドの経営支配権25%を得ることが確実視されている、英国のビリオネアであるジム・ラトクリフ氏。そんな彼のスポーツ面の功績を追ってみました。(2023年10月20日時点)

なぜラトクリフ氏はスポーツビジネスにのめりこんだのか?

英国の大手化学メーカーINEOSを興し、英国では屈指の資産家となった同氏は、スポーツに徐々にのめり込んでいきます。特に同氏の心を打ったと言われているのが、INEOSが支援したマラソンのエリウド・キプチョゲ選手によるマラソンの最高記録チャレンジ「イネオス1:59チャレンジ」です。キプチョゲ選手が様々なサポートを得ながら遂に非公式ながらフルマラソンで2時間を下回る姿に、ラトクリフ氏はスポーツへの関心を止めることができませんでした。

同氏の買収クラブとその後の成績

同氏は既に参入していたスポーツビジネスを2019年から加速させます。主だった参入先は下記のとおりです。

  • FCローザンヌ・スポルト(スイスサッカー一部):2017年に買収

  • イネオス・グラナディアス(Ineos Grenadiers、自転車):英国のテレビ局skyからツールドフランスを連覇した強豪チームのスポンサーの座を2019年5月から受け継ぐ。

  • OGCニース(リーグアン、フランスサッカー):2019年に1億ユーロ(約160億円相当)でニースを買収

  • メルセデス(F1):2020年にIneosがトップスポンサーに就任

同氏が参入した後のスポーツチームの成績はどうでしょうか?
イネオス・グラナディアス、メルセデスは強豪の地位を保ち続けています。FCローザンヌは下位チームの立場を脱出できず苦戦中です。一方、ニースは躍進を遂げています。20-21シーズンは2部から昇格して堂々の9位。5位、9位と続き、今シーズンは8試合消化時点でモナコに次ぐ2位につけています。

https://www.ligue1.com/ranking

F1や自転車は超強豪を買収しているため、買収後も強いのは当たり前です。腕前を見るにはサッカーの2チームを見るのがいいと考えます。ローザンヌが買収前と同じく低位をさまよっていますが、ニースを一桁順位に定着させたのはクラブ経営者として中々の腕前といえます。ちなみにニースは、今夏のウィンドウでアトランタからジェレミー・ボガを1,800万ユーロ獲得することで移籍ニュース紙面を沸かせました。

マンチェスターUへの貢献期待は高い、しかしヤツがいる

しかしながら、今度参画するのはニースとは比べ物にならない位、周囲の注目が強いマンチェスターユナイテッドです。しかも、25%の経営権獲得なので、自分の意志だけでは経営判断ができません。金の亡者グレンザー・ブラザースと意見を合わせなければいけないのです。Ineosの60%の所有権を有し、いつも自分の意志通りに経営を行ってきたラチェット氏が耐えられるか非常に微妙な状況です。

無事、ラチェット氏の経営参画が実現したとしても、来年には同氏が自分の持ち分を他人に譲り渡している可能性も十分あり得ます。全プレミアファンが認識している通り、グレンザーが経営権を手放せば万事解決なのですが、果たして特級呪霊・金満百式と化している同兄弟がそうする日が来るのでしょうか。

今のところ淡い期待を抱くのは、リバプールも獲得を打診したと言われるニースのケフラン・テュラムの獲得は有利になるかもしれない、位です。なおケフランは1~2人はドリブルで剥がす、フィジカルコンタクトをいとわないし、体をぶつけられても全く動じないという、足を引っかけられながらスルーパスを出せるという、とってもプレミア向きの選手です。

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