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グアルディオラ・マンCが優勝すると、歴史的な大逆転劇になる??

マンチェスターシティが止まらない

皆様ご存知の通り、「飛ぶ鳥を落とす」ということわざがこれ以上に当てはまる例がないほどの快進撃をグアルディオラ監督が率いるマンチェスター・シティ(以下、シティ)が成し遂げています。国語の教科書の例文として、そろそろ文科省も採用を検討した方がいいのではないのでしょうか(笑)。

報道では公式戦の連勝数に注目が集まりがちですが、個人的にはシティの順位変動に目を奪われています。なぜなら、プレミアリーグにおいて二桁順位から優勝を遂げたチームは激レアだからです。

過去10シーズン、初戦を除けば二桁順位まで落ち込んだ優勝チームはない

過去10シーズンを振り返ると、ほとんどの優勝チームは一時的に落ち込んだとしても一桁順位で踏みとどまっています(下図参照、出所:プレミアリーグ公式HP統計より、以下の図表も出所は同じ)

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あれ?12-13シーズンのマンチェスター・ユナイテッド(以下、ユナイテッド)が16位ではないかと思われるかもしれません。しかし、これは序盤あるあるで試合数が少ない中、一敗すると順位が急激に下がりやすい現象によるものです。同シーズンのユナイテッドは、第1節のエバートン戦を0-1で落としてしまったため、テクニカルに順位が落ち込んでしまいました。しかしながら、すぐに建て直し第10節以降は、首位を一回しか譲らず、そのまま優勝を決めています。

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翻って、今シーズンのシティは、第2~9節は二桁順位に沈み、1位になったのは19節と、シーズンの半分を終わってからトップに到達しました。仮にシティが優勝した場合、過去10シーズンでは最も遅くトップに到達した、別の言葉で言えば大大大逆転を成功させたチームとして記録されるでしょう

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今期のシティとの類似例は02-03のユナイテッド

更に遡って99-09年はどうだったのでしょうか?この時代はサー・アレックス・ファーガソン(以下、ファーガソン)率いる王者ユナイテッドに対して、前半はアーセナル、後半はチェルシーが食い込んでいった時代です。

3連覇を達成するなど、最後はやっぱりユナイテッド、という強さを誇っていたのですが意外に序盤戦は苦戦するケースが多かったようです。この10シーズンで優勝した5シーズンの内、3回も二桁順位に沈んでいます。

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もっとも、07-08は第3節時点で16位、08-09は第4節で15位と序盤の序盤で出遅れただけで、その後はあっという間に優勝戦線に復帰し、横綱相撲で寄り切っています

なので、今回のシティを彷彿とさせるのは02-03シーズンです。この時期はまさしくファーガソンのユナイテッドvsヴェンゲルのアーセナルがバチバチ火花を散らしていた時代ですね(試合会場に向かうスロープの中でロイ・キーンとヴィエラがマジ口論するなど、ライバル意識がむき出しでした。)。

このシーズンはアーセナルが優勝争いに最初から絡む一方、ユナイテッドが絡みだすのはシーズンを半分過ぎたあたりからです。それまではリバプール(ベニテス監督)、チェルシー(ラニエリ監督)の方がアーセナルに食らいついていました。そして、最後の最後にアーセナルを振り切ってユナイテッドが栄冠を勝ち取ります。

それでもユナイテッドの最も低い順位は10位。シティの14位からの逆転は、2000年からの20シーズンを振り返っても異常と言える大記録です。

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21-22シーズンの展望はますます難しいものに

仮にシティが優勝すると、もう21-22シーズンの展望はますます見えなくなります。例年であれば、シーズンも6節くらいを消化して、そろそろ各チームの第一印象が固まってくる頃の順位を見れば、大体優勝チームは絞られてくるものです。

しかしながら、二桁順位でも大逆転あり!という前例ができると予想は困難を極めます。プレイする側、監督側からすれば厳しい話ですが、見る側としてはこんなにエキサイティングなことはありません!

果たして、グアルディオラが大逆転劇を完了させるのか。実はここからユルゲン・クロップのリバプールの大反撃が始まるのか、全くわかりません。どんな大逆転劇もあり得るのが今のプレミアリーグの魅力の一つと言えるでしょう!

ではでは。

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