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駆け込み先は消防署

それは夕方過ぎのことでした

今日もあんまり執筆が進まなかったなーと、図書館から自宅へ帰ってきたら、アパート前の駐車場で男性が大号泣してる。
え? 何? こわいかも……って思いながら、遠巻きで横を通り過ぎると鼻水ずるずるになるほど泣き叫ぶ大柄の男性。

この人の前を通らないと家に入れない

いや。別に知り合いとかじゃないし。ストーカーとかでもないのですが……。最近は色んな事件があったりするし。とばっちりとかは嫌だな。ってことで、いなくなるまで自宅の周りを歩こう。
10分ぐらいかけてぐるっと歩いてみたのですが……まだいる!涙
しかも今度は泣きながらタバコ吸い始めちゃってるよ……
えーっと、そちら、まだ長くかかりそうでしょうか?

もう一周する?うーん。ちょっと寒いんだよね。風邪ひくのいやだしな。スマホの充電がゼロになってて警察に通報することもできないし。

そうだ。消防署に行ってみよう

私の家の近くには消防署があります。夜中のサイレンで目が覚めることなどもございますが、こんな時は頼りになるはず!ちょうどさっき緊急出動から戻ってきたのを見たし。

消防署の敷地内に入るのは初めて。
「夜間はこちらのインターフォンを押してください」の看板。
19時は夜間になるのね。それじゃ、ピンポーン。

事情を説明します

若手の消防士さんが降りてきて扉を開けてくれました。そしてチームリーダーっぽい消防士さんも。説明している間にサブリーダーっぽい消防士さんと当直の消防士さんも。総勢4名の消防士さん達が集まりました。
私的には、すぐそこにいるはずの泣き叫んでいる男性を確認してもらいたいだけだったのですが、なかなか見に行ってくれない。

「火災に関連することなら動けるんですけどねー」とのこと。だよね。管轄外だよね。仕方ない。「警察、呼びますね」と警察に通報してくれました。

待つこと30分

通報してから10分ほど経過しましたが、白バイが来ない……
こんなに時間経ってたら、もう大号泣男性はいなくなってるかも。どんどん不安になってくる私。
さすがに時間を持て余したリーダー消防士さん。チラッと見に行ってくれました。
あれ。どうしよ。私、虚言癖のある人みたいになってない?
「いなくなってそうですよね…」って、若手消防士さんに話しかけたら「いや、いないならいないで、いいんで(キリッ)」

え……惚れてまうやろー!って心の中で叫んでました(笑)
この町の消防と救急を守ってくれて、ありがとう。

という間にリーダーさんが戻ってきました。
「もういないですねー」だよね!いないと思うよ!

「救急。救急。○○市○○町……」

緊急出動要請のアナウンスが入りました。もう居たたまれない私。
皆さんすみません。もう、お仕事にお戻りください。って言ったよね。だって白バイ来ないんだもん。
じゃあ…って感じで、持ち場に戻る消防士の皆さん。リーダー消防士さんが出してくれた椅子に座ってガラスの扉の後ろで白バイの到着を待ってる私。
あれ? 道路の方から見たら、なんか私、さらし者になってない?汗 
早く来て―!白バイさーん!

図書館で借りた本を読みながら待ってたら、白バイ、やっときたー!
でも遅いよーー。もう号泣男性はいなくなってるってばー。
リーダー消防士さんも来てくれたけど、もう大丈夫ですーって持ち場に戻っていただきました。
警官2人に個人情報をがっつり開示しながら、事情を再びイチから説明。うーん。なかなか現場には行ってくれないのねー。

やっと現場検証

歩きながら再び同じことを何度も違う角度から説明して、さすがに疲れた。
号泣男性がいたところに行くと、もう姿はありません。ええ。もちろん。
でも、いた場所には缶コーヒーとタバコの吸い殻が置いてあって。
これー!いた跡ー!ほら!嘘ついてないでしょ私!?ね!

これでもう帰れると安心していたら、警官さんが去り際に一言。
「今度、また見かけたら直ぐに通報ください。居なくなっちゃうと職質とかもできないんで」

いや、わかるよ!いねーじゃんって思うのはね。
しかし、あんまりにも遅くてね。事件性あるわけじゃないから緊急走行できないですもんね。仕方ないんだけどさ。

今回、私が学んだことは、

スマホはしっかり充電しておこう


では、またいつか~

追伸: 消防士のみなさん、ありがとうございました。

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