俺はお金が欲しい

　お金が欲しい。
　何故ならお金が無いから。
　もしもお金があるなら、日々生きて行く為のお金があると言うのであれば、「お金が欲しい」などとは言わないだろう。
　だから冒頭にお金が欲しいと書いた。

　つまり俺はお金が無いのだ。
　しかも職も社会的地位も無い。
　稼ぐ能力も意気地も無い。
　「努力しろ」って言葉は出来損ないの屑に対してよく言われるが、無意味だと思う。もしもそんな言葉一つでそいつが努力するのであれば、とうの昔に努力していた筈だ。そいつと俺は。

　俺の認識では共産主義は間違っていると思うのだが、共産主義者になりたい。
　この国にも共産主義になって欲しいと思う。
　それは俺みたいな無能にもお金が回って来るから。
　うーん、でも粛清や恐怖政治とセットだと思うからやっぱりならなくていいや。

　自然では適者生存が基本だ。
　強くない、特技もない、増えることもない。
　そんな存在は直ぐに滅びるのが自然の掟だ。

　でも人間は、只の動物とは違うと思う。
　別に親のすねかじりをしながら日々を怠惰に無為に無意味に実存するゴミみたいに過ごしている人間にも生きている価値はあると思うんだが、社会はそうは思ってくれない。

「社会に不要な人間は死ね」

　そう言外に言っているし、何なら直截的にもそう言ってくる。
　ネットを巡回すればそんな言葉ばかりだ。
　でも、今この文章を読んでいる人も同じ事を思ったはずだ。

　そう、アンタも。