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霊感とはある種の共感覚ではないだろうか

私の父は、所謂「視える人」らしい。

俗に言う、幽霊や妖怪といった類いのものが「視える」らしい。

父はあまり詳しいことは教えてくれないのではっきり理解しているわけではないが、確かにそういったものが存在しているらしい。

だが、幽霊が視えると言うと、大抵の場合「オカルト」だの「非科学的」だの言われ、その存在は否定される傾向にあると思う。

果たして、幽霊は存在するのか、しないのか。

そもそも科学とは何か

幽霊は非科学的なものだから有り得ない、と言う人もいるだろう。

では、そもそも科学とは何だろうか。

言葉の意味としては「体系化された知識や経験の総称であり、自然科学、人文科学、社会科学の総称」となるらしい。今回は幽霊を非科学的なものと断定するのだから、自然科学が該当するように思う。そして自然科学とは「自然に属するもろもろの対象を取り扱い、その法則性を明らかにする学問」というものらしい。これはつまり、あらゆる現象を人間が認知出来るように記号や数字、数式や図を用いて表現する取り組みと言えるのではないだろうか。例えば、高校物理で誰もが習う「物体の運動エネルギー」について考えてみよう。運動する物体の持つエネルギー(運動エネルギー)は物体の質量と速度に比例する。 つまり、速度 v で運動する質量 m の物体の運動エネルギー K は、K = 1/2 m v^2と表すことが出来る。人間は、物体の持つ運動エネルギーを視覚や聴覚、味覚、嗅覚で捉えることは出来ない。しかし、数式と言葉で表すことでそのありようを認知することが出来る。これが科学である。

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ならば、「幽霊は非科学的」というのは「幽霊という存在は記号や数式、数字や図で証明することが出来ない」と言い換えることが出来る。だからそんなものは存在しないと。だが待ってほしい。科学で証明出来ない=人間が認知出来ないということが本当に不在証明になるのだろうか。

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そもそも、人間が認知出来ないものは無数に存在している

人間は5つの感覚器官を備えている。視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚の5つを持って世界を認識している。実際、先述したように人間は物体が持つ運動エネルギーを認識出来ないし、分子の活動も認識出来ない。それらを補うのが科学である。

だが、人間は世界の全てを科学で認識出来ているわけではない。

科学では解明されていないことは、世界にまだまだ溢れているのだ。

だとすれば、人間が認識出来ていないどころか科学で解明しようという領域にすらたどり着けていない事象が存在していても、何ら不思議ではない。

科学で証明出来ないことが、その事象の不在証明ではないのだ。ただ単に、記号や数式、数字に落とし込めていないだけで、存在している可能性を否定は出来ない。

即ち、幽霊は不在証明も存在証明も現状出来ていないのだ。

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ニコラ・テスラは狂人だったのか

ニコラ・テスラという人物をご存知だろうか。

彼は交流電流を発明した人物であり、現在におけるあらゆる電子機器の父ともいえる存在である。

彼は偉大な発明だけでなく、常人では大凡理解が及ばない領域にまで食指を伸ばしていた。

その一つが「霊界通信機」。そう、彼は霊界との交信を試みていたのである。

「マッド・サイエンティスト」とも呼ばれることがあるニコラ・テスラであるが、彼は本当に狂人だったのだろうか。

私はそうは思わない。

彼は、あらゆる事象を「科学」で証明しようとしたのではないだろうか。

それを証明するためのアイデアが、彼の中にあったのではないだろうか。

「オカルトで非科学的なもの」と断言されるものを認識するために、彼は実験と開発に勤しんでいたのではないだろうか。

もし彼が霊界との交信に成功していたら、我々は幽霊を認識することが出来たかもしれない。

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霊感とは何なのか

幽霊とは人間の五感で認知出来ないものであり、また科学的にも証明が出来ていない存在である。

その仮定が事実だとしよう。

ならば、私の父のような「視える人」とは一体なんなのだろうか。

人間が認知出来ないものを「視える」「聴こえる」「感じる」とは、どういうことなのだろうか。

私はこれを、一種の共感覚であると考えている。

共感覚とは、ある刺激に対して通常の感覚だけでなく異なる種類の感覚をも生じさせる一部の人にみられる特殊な知覚現象のことだ。例えば、共感覚を持つ人には文字に色を感じたり、音に色を感じたり、味や匂いに、色や形を感じたりするらしい。

即ち、幽霊が「視える人」というのは、「本来人間では認知出来ないものを認知する感覚器官(第六感としよう)と視覚が重なり合っている人」なのではないだろうか、と考えている。

霊感とは、ある種の共感覚ではないのだろうか。

いつか、幽霊の存在が科学的に証明できる日は来るのだろうか。

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