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料理人の働き方の今後

**なんでこんなに働き方の本が増えた? **

私は普段料理通信と言う雑誌を読んでいます。

もちろん専門料理も読んでいますが、料理業界に関わる内容は料理通信の方がよく描かれています。

特に働き方や考え方に関しては料理業界を参考にすることがよくあります。

これらを見ていると、本そのもののタイトルや、記事の特集等でよく「理想の働き方」を取り上げられることがよく見られます。

日本政府が国民の働き方改革について力を入れてきた今日この頃、料理の世界でもそれが顕著に現れることとなってきました。
もちろん法律自体が変わったり国民の考え方のことも理由の1つではありますが、何か違った意図があると僕は思っています。

なぜ今になって働き方を取り上げる雑誌が増えてきたのか。
それは料理人が料理だけを考えたら良い世の中ではなくなってきたことが原因と考えます。
もしかしたら料理人は頭の中では料理の事だけ考えて働き方に対する不満や不信感を少しでもなくそうとしていたのはこれをきっかけに爆発したのかもしれません。

**料理業界の働き方改革とは **

そんな中、他の雑誌ではホワイト企業特集など良い会社に対する特集が組まれることが多い中、料理業界では「ホワイトレストラン特集」などはあまり見ることがありません。

そのかわり料理業界では

自分の働き方は自分で作るといった風潮

がよく見られます。

たまに見ていると料理業界ではホワイトと言う言葉がそもそもないのではないか、
宇宙のようにブラックしか存在していないのではないか、

などと思うこともよくあります。

ただ特集を見ていると何もネガティブなことだけではありません。

この業界は特に自分の力で自分の働き方を変えると言うことができやすい業界ならと思います

僕は32歳で独立を考えています。
この料理の世界では

技術やアイデアをもとに自分の足で自分のお金を稼いでいく

と言う風潮がとても強く、他の業界ではなかなか見られないことです。

その分自分の頑張りや自分のアイディアが会社や社会に反映しやすいことも示されています。
どれだけ山奥にあっても行ってみたいお店。一杯1000円のかき氷を出してるお店。人気店のインターネット上での商品販売など、

料理に携わっている人の情報収集能力や機転の利かせ方などアイディア1つで、もはや店自体を持たない料理人も出てきています。

強く憧れます!!

つまり料理人にとって働き方改革というのは、単純な製造ラインの簡素化や外部発注、コスト管理のIT化など、ホワイトカラーで考えられる方法とは少し違い、

まずは心の持ち方や考え方の変化という
精神論的な要素から始まります。

**精神論と技術論 **

精神論といっても、「とりあえず頑張れ!」みたいな考え方ではありません。
今まで「普通」と思われていたステレオタイプ的な考え方をどこまで現代に合わせて変形させていくことができるのか、

そこが、料理人の世界では最も大きな壁です。

よく、先輩から教わった方法や作法で後輩に教えるという料理人をよく見かけます。
先輩から強く当たられゴミのような扱いを受けた。それでも頑張って今の自分がある。という経過論を正義と思っている人は、当然のように後輩にもそのやり方で接します。

そのやり方でうまくいかない人間はポンコツのレッテルを貼られてその職場では挽回するのは難しいでしょう。

このように料理人にとって今までの習慣や文化、仕事論などは、「尊い」とかいうかっこいい言葉ではなく、刷り込み式に脳みそに植えつけられている、いわば暗示です。

お金が現物貨幣以外にも「信用」や「権利」「尺度」もいう概念が現在ではあるのになかなか定着せず、キャッシュレス社会へ進んでいかない日本と同じです。

料理人にとって働き方改革の第一歩でぶつかる壁が、今後歩んでいく改革の道の中で一番の障壁であるのはこれが理由です。

これに関しては雑誌や本、著名な人の意見をyoutubeで聞くなどさまざまな方法をとることで自己啓発できることと思います。

そして当たり前を当たり前として受け入れなくなったら、料理人の働き方改革は加速度的に進化していくと思います。

前述のように料理人のサポートアイテムは数多く世の中にあり、もはやフライパンすらいらないキッチンシステムも一部では完成、導入されています。

このような技術の進歩と料理人のアイディアがあれば、料理業界もホワイト化するのは意外と容易なのかもしれません。

**本当は料理人こそ変化が得意!? **

元来料理人の手元には常に同じ大きさの魚や、毎回重さが一定の肉、味の同じな野菜は届きません。

しかしこれらの状況でも料理人はその都度その食材に合わせて臨機応変に対応することができます。

毎日全く違う思考回路を踏んで、同じ皿にたどり着くまでに毎回別なルートを歩んで

完成された一皿を作ります。
なかにはその「個性」に似た特徴を活かし、毎日変わる料理を提供している素晴らしい料理人もいます。

カッコいいです!!

料理人は「変化に対する順応性」を強く持っています。
なので、環境の変化にも本来は臨機応変に対応できるはずなのです。

この私たちを縛っている固定観念非常に厄介ですが、省くところは省き、大切にしないといけない部分は改めて考え直し、行動することが料理人のこれからの一歩だと考えます。

2019/12/27

働きたい飲食店を目指して目標に進んでいます。