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酒類(アルコール)の売上アップの条件

酒類構成比の高い居酒屋業態(構成比30%~40%)の飲食店は、
これからどのように酒類を売っていけば良いのでしょうか?
外食の意義、家呑みでなく外で料飲することの存在意義から考えてみました。

幸い私どもの事務所は、池袋の繁華街から徒歩で10分に位置しています。
毎日、散歩を兼ねて繁華街を徘徊しておりリアルな現状と、
コンサルとして数多くの販売促進を手がけてきた経験から、売上アップについて述べてみます。

ある有名な経営者の言葉ではありませんが、祖業は居酒屋だがそれは関係ない!
時流に適合した経営をするのが経営者の役割だと言われています。今や“唐揚げチェーン店”を急速展開しています。
居酒屋業態はオワコン(すでに終わったコンテンツ)なのでしょうか?

■ 居酒屋はオワコンではない!

◉お酒は人間の本能に訴求する 本能に逆らうことのできる人はいない
いにしえの人間集団の歴史からたどれば、酋長が全ての族の人間(約180人)を管理する村の時代から、
都市国家(ポリス)が発生し文明が開化して、1,000人規模の集団ができるまで人々が集い、儀式を行う重要な物として“酒と火”が使われた。

つまり食欲・睡眠欲・性欲と同じく、お酒は祭りや会合で重要なものだった。

◉“一気呑み”の時代はもう来ない
過去、居酒屋業態が急成長した背景には、一気呑みのブームがありました。
ある20店舗ほどの居酒屋チェーンの経営者と一緒に外を眺めながら話していると、経営者がつぶやきました。
“昔は、店の前をお客さんが蟻のように群がって来た、もう来ないでくれと思った。これじゃ体がもたん!”
そんな時代は、もう終わりました。

■ お客様は美味しいお酒を求めている

酒の代表は、何といっても生ビールです。お店の立場からすれば、とにかく置けば売れます。(メーカーの方ごめんなさい)
しかし、その生ビールも丁寧に扱わないとまずくなります。

メーカー様と一緒に公開セミナーを実施した後、私も「美味しい樽生の提供教室」を受講しました。
サーバーを毎日洗浄する、ジョッキは冷やし付着物がないように管理する、古いビールを提供しない、保管には日光や温度に注意する
・・・だけでビール工場で呑む生ビールの味が再現できます。

生ビールセミナーで驚いたのは、缶ビールも生ビールも中身は同じです。しかし、提供方法が缶と全然違います。
ある有名な焼肉チェーン店の常務から、メーカーさんの指導通りに毎日してるだけでお客様から“お宅のビールは美味しい、何か違う特別ビール?”
と誉められたと笑顔で言っていました。

さらに、お店側からすれば日本酒、ウィスキー、ワイン、カクテルを売るのは簡単ではありません。
ある有名な酒蔵の直営店にて、日本酒を売るための努力を散々してきましたが、
燗の温度だけで、あつ燗、上燗、ぬる燗、人肌燗、常温(ひや)等々とあり、温度管理が重要で味も変わります。
酒のランクにより“おちょこ”や提供方法も変えました。地道な努力により固定客がついてきました。

◉お酒を売る工夫をする
私のような素人からすれば、置けば売れると思っている方がおかしいです。
メーカー出荷の全く同じ商品でも、お奨めトーク、プレゼン、試飲、提供方法、器、温度管理により売れ行きが全然違います。

■酒類(アルコール)売上アップの条件

◉同じドリンクを4杯呑んでも飽きないような酒を提供する
家呑みのように、一気に酔いたいためにストロング系(高アルコール度)は避ける。
1杯呑んで、お腹いっぱいになるようなデカ盛りジョッキはできるだけ避ける。
あくまで“美味しい酒”を飲みに飲食店にわざわざ来店したのである。美味しいから何度も味わって、呑んでいただける。

◉飲み放題メニューは宴会だけにする
宴会において飲み放題メニューは必須アイテムですが、一般のお客様には1杯1杯丁寧にお酒を提供していく。
どこかの居酒屋チェーン店の売り文句ではありませんが、
“1杯飲んでも1000円、10杯飲んでも1000円、100杯飲んでも1000円”では、一定以上に客単価が伸びません。

◉酒を呑む習慣を少しずつ作っていくステップ
①まずは、1杯のドリンクからスタートです。他店にはないオリジナルドリンクをフィッシングメニューとし興味を引く

②当店のドリンクについて一言、美味しい理由を付け加える

③躊躇されている場合には、試飲や飲み比べをお奨めする

④お客様の癖と好みを見つけ、お変わりをしていただく

⑤何度かのご来店のなかで、いつものドリンクとして習慣化となるよう、同一品質の美味しい酒を提供し続ける

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お客様は、お誘いを待っている

◉お客様は酒離れしている訳ではない、躊躇しているだけ
池袋を徘徊しながら、お客様の動向を見ていると“若者は酒離れしてる”と言われていますが、
行動力のある、若者がお酒を一杯呑んでいます。まずは、若者から酒市場に戻ってきています。
しかも、全部のドリンクがお得な価格帯の店と、逆に豊富な焼酎、日本酒の高価格帯の店が両方とも流行っている。
安くなければ、“絶対に売れない”という状況ではない。

◉忘新年会の予約を確保しよう
飲食業界にとって、忘新年会は大きなイベントです。冒頭に述べたように、古代からお祭り会合にお酒は重要な物です。
ここで、予約を取れないような人気の無い店では、来年はないと心がけましょう。直ぐ対策に取りかかりましょう。

◉“宴会”→“お食事会”にして悪い印象をなくそう
新型コロナ禍のなかで、
お酒の提供→酔って騒ぐ人もいる→飛沫感染のパブロフの無条件反射ができてしまった。
いつの間にか、お酒提供→コロナ感染の原因 との悪い印象が固定化してしまった。
“宴会”=悪い行い となっている。“宴会”を使用禁止用語として“お食事会”とかに言い換える。
頑張れ外食産業!

■関連記事へ・・・「酒類(アルコール)の提供方法に一工夫を」です。

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“頑張れ外食産業!”チャンネル  運営者:図解工房 山本稔
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