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お茶の科学 ~分類とカフェイン~

今回は趣向を変えて、本職の食品/飲料のお話

お茶を選ぶときにカフェイン/ノンカフェインを基準にする人は多いと思うけど、一つ一つ覚えるのはかなり難しい!

そこで今回はお茶を分類して「どんなものがカフェインを含むのか?」その法則をまとめたので、へぇ~と思ってもらいつつ、ついでに簡単に見分けられるようになるかもしれません。

Twitterでは「食分類」というシリーズで色んな食品を色んな切り口で図解していたのですが、その中でも特にいいねが多かったのがこのお茶の分類

今回はこの図解をリニューアルしてシンプルにしてみました。

基本はチャノキ

全体を一枚にまとめるとこうなります。

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チャノキかそれ以外が分かりやすくするポイント。

チャノキ(茶の木、学名:Camellia sinensis)は、ツバキ科ツバキ属の常緑樹である。加工した葉(茶葉)から湯・水で抽出した茶が飲用される[5]。チャの木あるいは茶樹とも記され、単にチャ(茶)と呼ぶこともある。 wiki

そのままですね「チャノキ」。ちなみにコーヒーも「コーヒーノキ」。直球。

一つ言えるのは「チャノキ由来の茶葉にはカフェインが含まれており、それ以外にはほぼ含まれていない」という事を覚えてもらえると、カフェインかノンカフェインかがわかりやすくなります。

では細かく見ていきましょう!

紅茶と緑茶は発酵が違うだけ

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緑茶、青茶(烏龍茶)、紅茶、プーアール茶、これらは全て同じチャノキからできています。

それにしては色も香りも全然違う。そう違います、加工が。

緑茶は発酵の手順を含みませんが、烏龍茶は半発酵(酸化)、紅茶は完全発酵(酸化)、そしてプーアール茶や碁石茶などは微生物による発酵を受け、あのように色や香りが違うんですね。

ちなみに、発酵過程を経て健康成分としておなじみのカテキン類の大きく変わります。これもまたいずれ話すとして・・・

つまり、ここに書いてあるお茶は全てカフェインを含みます!何らかの事情で避けたい人は避けましょう。

同じチャノキということで品種は色々ありますので、例えばダージリンの緑茶があったり、やぶきたの紅茶があったり、色々組合わせて楽しむこともあるようです。

(※追記)烏龍茶や紅茶は発酵の度合いでは無関係で、製造方法や茶葉の種類によって変わるというご指摘を受けました。確かにISOにもそのように定義されているようで、詳しくはこちらのコラムにありましたので、こちらをご参照ください。
取り消し線部分は取り下げます、ご指摘ありがとうございました。

緑茶をさらに細かく

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日本人なので、緑茶をもっと深堀してみます。

お茶の製造の基本的な流れは「栽培→収穫→加熱(蒸すor炒る)→揉む→乾燥」を経ておなじみの茶葉に。それぞれの工程の違いが上のような名前の違いになるわけです。

例えば加工の前の栽培時の被覆(黒い覆いをかぶせてるのやつ)の有無によって名称が変わります。発酵と同じで成分に変化があるのですが、基本的には被覆があるほうがうまみが増して・・・とこれだけで長くなるので、またいずれ。

さらに、お茶にはチャノキ以外のものをブレンドするという文化があります。代表例が「玄米茶」や「ジャスミン茶(さんぴん茶)」。

これらは玄米やジャスミンだけでできているわけではなく、緑茶がブレンドされているので、つまりカフェインありというわけ

(※こちらも追記)
煎茶→被覆なしとありますが、実際は被覆のある煎茶もあるようで被覆の有無は関係ないようです。こちらも訂正させていただきます。


チャノキ以外

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チャノキが含まれていないのに、「茶」「Tea」という言葉を使うものがあります。だからややこしい、違う言葉を作ればよかったのに。

代表例は、マテ茶、ルイボスティ、麦茶などですね。チャノキを用いないのでほとんどのものがノンカフェインです・・・がマテ茶は例外

飲むサラダともいわれるマテ茶ですが、カフェインを含んでいるので、南米の人はいつも陽気なのかもしれません(適当)

他にもいわゆる「ブレンド茶」と呼ばれるジャンルがあります。爽健美茶や十六茶など、これらはハト麦をはじめハブ茶、ドクダミなどチャノキ由来でない植物のみを現在はブレンドしているので、ノンカフェインです。

(余談ですが、かの有名な「ドクダミ~、ハブ茶、プ~ア~ル」の時代はプーアール茶がチャノキ由来なのでカフェインありだったのでしょう。今は入っていません)

そして前述の通り、ブレンド茶でもチャノキ由来のものをミックスする玄米茶、ジャスミン茶、アールグレイなどはカフェインを含みます。ここが紛らわしいので要注意!

まとめ

いかがでしたでしょうか(これを一度言ってみたかった)

覚え方はチャノキ由来の茶葉が含まれているかどうか(マテ茶除く)

日本人は比較的カフェインに強いとか、一緒に含まれている成分(テアニンなど)によってカフェインの効果が弱まるとか、カフェインが入っていると一概に目が覚めるわけではないですが、ぜひ参考にしてみて下さい!

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