見出し画像

外食産業基礎コース 第8回目 物の管理 その3

客席のレイアウトもドライブスルーや宅配ピザのように科学的なアプローチが必要なのだ。
 
 SVの仕事は店舗の管理だけでなく、不動産オーナーとのコミュニケーションも含んでいる。私が直前まで店長を務めていた駅前のお茶に水店では、頻繁にオーナーと接触しており、時々コーヒーなどを持って遊びに行っていた。
ある日オーナーから「会社の取引先が本屋街の学生の多い街で不動産を持っており、それをマクドナルドに貸したい」と言っていると言う情報をもらった。筆者はすぐにそこを訪問し、トントン拍子に新店舗の開店がまとまった。当然の事ながら私がその担当SVとなり、神田小川町店として開店した。
 事務所兼住宅の物件であったから、間口は5メートル弱と狭いが、奥行きの深い店だった。総面積は十分にあり、2階を客席、3階を倉庫・事務所で使えるので、家賃比率も低いと好条件だった。学生街で人通りの絶えない忙しい街だったので、売り上げはかなり上がるだろうと予測していた。しかし、開店してその予測は物の見事にはずれてしまった。

ここから先は

6,558字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?