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南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から 第217回 パルミジャーノ・レッジャーノ

イタリアは原産地名称保護制度(DOP, DOC, IGPなど)の先進国です。特にエミ
リアロマーニャ州の都市パルマの農産加工品、パルマの生ハム、パルミジャーノ・レッジャーノチーズ、モデナのバルサミコ酢などは世界的認知度の高い成功例です。しかし、イタリアの本当の強みはその認証を受けた商品以外にも各地で伝統的に作り続けれれてきたとびきり美味しいものが山ほどあることです。

「パルミジャーノ・レッジャーノ」とは「パルマ及びレッジョの」という意味で地域の名称がそのままチーズの種類を表す言葉となっています。原材料の牛乳の産地や質、製法、熟成方法など各工程でこの地域のみで生産が可能であるという特性を強調した誇り高き産物です。ところがこの言葉、翻訳アプリにかけると「パルメザンチーズ」と出てきます。本場のパルミジャーノ・レッジャーノ製のチーズはあの円筒型のパッケージのどこでも簡単に手に入る「パルメザンチーズ」とは似て非なるものなのですが、商標としての認識の高さを物語っています。
日本でもモッツァレラと並んでイタリアのチーズといえばパルメザンを思い出す人が多いかと思いますが、パルマ人としては複雑な思いでしょう。

プーリア贔屓としてはここ数年東京で認知度が上がってきている、ブラータというチーズがプーリア北部の街アンドリアが発祥であることを強く強調したいと思います。ブラータは地域の名前ではなく製品の名前なので名称保護制度の枠組みでは「アンドリアのブラータ」として登録されています。ブラータチーズはどこででも作れますが、発祥地アンドリアが本場ですよという旗を振っているということです。ブラータ好きな人に是非一度アンドリアへ行って現地で出来立てを食べてみたい!と思っていただけるようにプロモートするのが私たちの仕事です。これがガストロノミー(美食)ツーリズムと言われものです。原産地名称保護制度同様、日本でも本格的に取り組もうという動きが出ています。食べ物だけではなくワインも含んだエノガストロノミーの宝庫として、新鮮な食材が豊富で郷土料理のヘルシーさ自慢のプーリアは今世界的に大注目をされています。シンプルで理屈抜きに美味しい!また食べたい!と思うことが何よりの強みです。それは農民文化の基本である地産地消、旬&保存食、そして手作りがキーワード。複雑になり続ける現代社会でプーリアは常に時代遅れだったことが今幸いしているようにも思えます。サステイナブルな生き方を昔からずっと続けている人々から学び直せるチャンスは今しかないと感じています。

大橋美奈子 Facebook
https://www.facebook.com/minako.ohashi

メール・アドレス
minako@da-puglia.com

大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人の
ジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、
レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストラン
のビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した
超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業した
ビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を
授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考
え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したので
す。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家
農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽
しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報
発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っておりま
す。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が
惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報を
お届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺り
がプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダ
プーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日
本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人
のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464
106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という
方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農
家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料
庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウ
をはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山ありま
す。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地
で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係に
あります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、
飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア
料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好き
なアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子

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