マクドナルド 第3回
<2>ミートパティの準備
次は準備だ。当時の冷凍技術はまだ遅れていたから、冷凍したミートパティ同士がくっついている場合があった。そうすると作業がスムーズに行かないから、360枚入りのミートパティのケースを2つ出し、中のミートパティを予め剥がしておく。
<3>備品の準備と位置決め
スパチュラやシアースパチュラ、スクレーパー、タオル、ソルトシェイカ
ー、グリルクロス、などの備品を十分にそろえ、位置を決めておく。
作業をする際に場所を目で見ないでも掴める様に練習をする。スパチュラやシアースパチュラを掴む際にも見ないで取れるようにする。タイマーも見ないで押す練習をする。
香港でオペレーションを見せるには一つ障害があった。香港は米国の調理機器をそのまま使っているので、グリルの高さが日本のものより10センチほど高い(日本は身長の低い日本人向けに作業台を低くしていた)。また、肉を焼く際に使用するスパチュラやシアーツール、清掃用のスクレーパーも形状や重量が異なる。そこで日本製のスパチュラやシアーツール、清掃用のスクレーパーをよく手入れし持参することにした。作業をスムーズに行うにはスパチュラや清掃用のスクレーパーはよく研いでいないといけない。まるで剃刀のように研ぎあげると、作業はスムーズで、肉の品質も高くなる。米国マクドナルドでもスパチュラやスクレーパー研磨用の専用やすりはあったが使いにくい。そこで日本で独自に研ぎやすいやすりを開発していたのだ。
ここから先は
4,369字
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?