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南イタリアのクリスマス菓子ペットレ

南イタリアのクリスマスに欠かせないお菓子が、ペットレです。プーリア、バジリカータ、カラブリア、カンパニア、の各州それにシチリアの一部でも広がる習慣で、その由来は諸説あり。地域によってピットゥレだったり、ペットゥリだったり、呼び名も様々。ナポリではゼッポレと呼ばれたりもするこのお菓子は、長時間イースト発酵させた小麦粉の生地を一口大の丸もしくは涙型に成形して熱い油で揚げたもの。

もっちり食感の一口揚げドーナツです。

生地は甘くせず、揚げ後砂糖や蜂蜜、ブドウ液を煮詰めたヴィンコットやイチジクを煮詰めたコットディフィキをかけて食べます。 ヴィンコットやコットディフィキはブドウやイチジクの生産量が多いプーリアらしい甘味料です。大量の果物を長時間かけて煮詰めて作るのでむしろ今では貴重で高価な食材です。

ベビーカステラならぬ一口揚げドーナツという極シンプルなお菓子で定番のおやつとして一年中いつでも手に入っても良さそうですが、そうではないところが、イタリア的かなと思います。

チステルニーノではペットレは12月7日、つまり聖母マリア様の無原罪の御宿り(処女懐胎)の祝日の前夜祭に食べるものなのです。コロナ禍でこの2年は中止になっていますが、クリスマスのイルミネーションに飾られた旧市街地中心にある広場では、クリスマス募金を集める地元の教会ボランティアが運営するペットレの屋台が出て、寒空の元地元民で賑わいます。ペットレと同じ生地を使って揚げる塩鱈のフリットも定番で、海が荒れがちな冬にはよく食べられる魚です。

イタリアの食文化はカトリック教と深いつながりがありますが、カトリック教の祝祭日は実は季節や自然の変化と人々の暮らしのリズムをうまく取り入れたものであることにも気づきます。賑やかな乾いた暑い夏とは対照的なジメジメとした暗い冬に、クリスマスの華やかなお祝いを心待ちにしながら食べる熱々のペットレは、素朴でほっこりするお菓子です。

大橋美奈子
Minako Ohashi
有限会社ダ・プーリア Da Puglia.Ltd.
〒155-0031東京都世田谷区北沢5-17-16
Contrada San Salvatore 77, Ostuni(BR)72017
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NOTE:『南イタリアプーリア便り イトリアの谷の食卓から』 
     (FOOD104 マガジン内)
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大橋美奈子さん経歴

 演劇の勉強で欧米に留学し、欧米の料理に馴染みました。主人のジョバンニ・パンフィーノはスイスの有名ホテル学校を卒業後、レストランビジネスに入り、 高級ホテルやイタリア高級レストランのビーチェのヨーロッパの店舗で働いた後、 東京椿山荘に開業した超高級ホテルのフォーシーズンの高級イタリアンとして開業したビーチェの指導責任者としての勤務経験がある外食のプロです。
 そのジョバンニ・パンフィーノと,日本で知り合い結婚し長女を授かり育てていたのですが、数年前に子供の教育と生活環境を考え、主人の故郷であるイタリア・プーリアに本格的に移住したのです。母が料理学校を主催している関係で食に興味を持ち、自ら自家農園で野菜を育て、自家製のオリーブオイルで体に優しい料理を楽しんでいます。現在はプーリアで生活をしながら、イタリアの情報発信をしたり、コンサルティング、輸出入ビジネスを行っております。

 また、時々イタリアの食ツアーを開催しています。これから私が惚れ込んだイタリア・プーリア地方の自然を堪能する食情報をお届けします。

 ブーツの形をしたイタリア半島のちょうどとがったヒールの辺りがプーリア州です。私たちが日本とプーリアの架け橋になろうとダプーリアという会社を起したのは15年前です。その頃と比べ、日本でも随分認知度が高まったプーリアですが、この数年主に欧米人のヴァカンス先として大変注目を浴びています。
https://www.facebook.com/1438029856464276/photos/a.1438031556464106.1073741828.1438029856464276/1523683344565593/?type=1&theater

 プーリア州の中心部にあるイトリアの谷(谷というより盆地という方がふさわしい)にあるこの地に東京から移り住んで6年、兼業農家的生活も板に着いて来ました。プーリアといえばイタリアの食料庫といわれる程の一大農産地でオリーヴオイル、ワイン用のブドウをはじめ多くの野菜や果物がイタリア1番の生産量を誇ります。

 また、この地特有の地元でしか食べられない産物も沢山あります。プーリア料理の身上は新鮮な食材をシンプルに食す事。この地で生産されるチーズやワインもその料理と切っても切れない関係にあります。そんなプーリアの我が家の毎日の食卓に上る食べ物、飲み物たちをご紹介させていただきます。
 我が家では7対3の割合ぐらいで一般的に言うところのイタリア料理(プーリアの郷土料理)と日本食、その他(私が個人的に好きなアメリカン及びアジアンテイストな創作料理)を食べています。

有限会社ダプーリア 
http://www.da-puglia.com/

大橋美奈子プロフィール 
http://www.da-puglia.com/archives/000047.html

プーリア州の説明
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%83%E3%83%AA%E3%83%A3%E5%B7%9E

ダプーリア
大橋美奈子

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