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マックのマニュアルその11

 前回の2014年末の異物混入事件の補足をしますね。正月早々に社長不在の中で役員2人が記者会見し、知識のなさをマスコミに追及された件です。

 この時、記者会見に出たのは、青木岳彦取締役と菱沼秀仁取締役の2人です。青木岳彦取締役は社外からの入社で荒波の経験がなく記者会見後ノイローゼ状態となり、会社に行けず退職となりました。
菱沼秀仁取締役は店舗での経験がありますが、当時の原田社長時代に気に入られ、抜擢されましたが、経験が少なく会社全体の知識もないのでしどろもどろの記者会見でした。
 サラ・カサノバ氏の不在の件は危機管理体制の不備ですね。サラ・カサノバ氏の不在の理由はマクドナルド本社との打ち合わせと言っていますが、欧米ではクリスマス前後から新年は、クリスマス休暇で仕事はしません。
米国はキリスト教徒が多く、日本は仏教徒が多いので、年末年始の過ごし方が違うのです。欧米では日曜日は安息日で協会に礼拝に行き帰ったら静かに家で過ごします。
米国のマックの店舗で一番忙しい曜日は、金曜日のランチで、次が土曜日です。日曜日が一番売り上げが低いのです。
東南アジアでは仏教徒などのキリスト教徒以外が多く、日曜日は外出し繁華街でにぎやかに過ごします。米国と日本で一番異なるのが、年末年始です。米国ではクリスマスはキリスト教の大事な日ですから、家で過ごすし、レストランは休みです。もちろんマックも休みです。クリスマス前から年明けはクリスマス休暇で3週間ほどは企業が動きません。
日本はクリスマスはキリスト教徒でないので盛り場で派手に騒ぎ、正月は初もうで後、繁華街に繰り出します。日本で一番忙しいのが正月です。危機管理上一番気を遣うのがこの正月です。忙しいうえに、取引先が休みで、公官庁も休みなので何かあったとき大変です。
そのため、本社の社員は故郷に里帰りするときも連絡できるようにしておきます。店舗の運営部関係は休みなしで24時間体制で臨みます。
取引先も、あまり売れて資材がなくなったときに緊急で増産できるように、工場長などに24時間連絡がつくようにしておきます。この緊急時の対応は日米で大きく違うのです。私は在籍中は年末年始は休みなしで12月31日は24時間勤務でした。

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