omoriクリアしたよ!たぶんもう出来ない!
ホラゲー鬱ゲー大好き♡♡見つけ次第色んなのやるぞ〜!!!!みたいなスタンスでどんなゲームもやるタイプの人間なのですが。
omoriは初めて
「凄い…ゲームとしては最高…二度とやりたくない…」という気持ちになりました。
シナリオが一言「面白い」と言うには漬物石みたいに重いんですよ、可愛い箱を開いたら、黒い化け物に腹パンされた気分になります。
それと同時に、誰にでも身に覚えのある幼少の頃と現在で見えてる世界が全く変わってしまった、戻れない過去の幸せとのお別れの痛みを味合わされます。戻らなくとも残り続ける深い愛と繋ぎ直した友情、過去と現在の悲しみ。精神的な成長痛みたいだな、と思いました。
これから普通にネタバレ含んできます。
未知の状態でやりたい人は見ない方がいいです。ネタバレの責任は負いかねます。
〜あらすじ〜
主人公のオモリくんは5人のお友達、お調子者のケル、オモリ君がちょっと気になる可愛いオーブリー、頼りになるお兄さん!ヒロと、オモリくんとは大の仲良しのバジル、そしてとても優しいお姉さんのマリと仲良く過ごしていました。
オモリくん達は12歳、マリとヒロは15歳。
遊び盛りのお年頃ですね。
めっちゃパステルワールド!
5人のお友達以外は人間だったり不思議な生き物だったりします。
そんな世界で仲良く過ごしていましたが、ある日大切なお友達のバジルが居なくなってしまいます。ワールド中を駆け巡り、皆でバジルを探そう!…というシナリオです。
戦闘システムはターン制バトル。感情を操って、皆得意な武器(ボールやフライパン)で敵をやっつけます、回復はオヤツで!かわいいね。
ここだけ聞いたらほのぼのRPGですね。
まぁこの世界は夢なんですけどね。
この世界は主人公オモリくん、もといサニーの夢の世界です。
現実世界のサニーく16歳、ある事件が合ってからお家に4年間引きこもっていました。
お引越しの3日前、仲良しだったケルが遊びに来ます。
扉を開けるか開けないかでルートが分岐します。
私はサニールートへ進みました。
お引越しまでの3日間、夢と現実を行き来します。
〜現実での出来事〜
夢と現実を行き来する中、現実ではサニーが引きこもった真実に近づきながら親友たちとの絆を再び深めます。
現実の世界でも昔は皆とても仲良しでした。バジルのポラロイドカメラには皆が笑顔で写っています。
ですが4年前のある日、マリが首を吊って自殺、亡くなってしまいます。
皆大好きだった優しいマリちゃん、亡くなったことによるショックで皆バラバラになってしまいます。
オーブリーもマリが亡くなった事、悲しい中誰も寄り添ってくれなかったことからヤンキーになってしまい、バジルを虐めるようになりました。
ケルくんは元気に成長しました。
サニーに昔のように接してくれる優しい少年です。
ヒロも4年間経って19歳になりました。
恋人のマリを亡くした悲しみを抱えながらもしっかり生きています。
バジルもいます。オーブリーからイジメを受けており、その際に大切な写真も散り散りにされてしまいました。
現実では写真を取り返したり、4年間の間で離れてしまった皆との友情を繋ぎ直しながら町の人たちのお願いごとを聞いていきます。
この様にまた皆とも仲良くなりますが、サニーとバジルは何故だかあまり手放しに喜べていないようです。
現実でもこのような幻覚を見ているようです。
お姉さんの死の悲しみもあるかもしれませんが、皆が支えてくれています。しかしどうにも後ろめたそうな姿を見せています。何故でしょうか?
〜マリの死の真実〜
マリは首吊りで自殺、と周りの人からは周知されていますが、真実は違います。
サニーとマリはとても仲良し。
ですが、マリのピアノと、サニーに送られたバイオリンでのリサイタルの練習中に事件は起きました。
マリは、他の人にはあまり知られていませんでしたがとても完璧主義な少女。リサイタルを確実に成功させるために、たくさん、沢山練習をしました。
サニーにも同じように練習をするように言いましたが、サニーはマリと楽しく演奏したり、前みたいに皆で遊びたいと思っていました、プレッシャーもあったのでしょう。
ある日サニーは延々と続く練習にウンザリしてしまい、バイオリンを破壊。階段の上でマリと酷い口論をしました。
思わずマリを突き飛ばしてしまいます
マリは足が悪くそのまま階段から落ちていきました
サニーが突き落としてしまったのです。
そして、1人の目撃者がいました、バジルです。
混乱したまま2人でベッドへ担ぎこみますが、
彼女はもう息をしていません。
サニーが突き落とし、殺した。
バジルはサニーを弟のように可愛がっていました。
「優しいサニーくんがこんなことをする訳が無い」
バジルがある提案をします。
「大丈夫、きっと上手くいく」
混乱するサニーと共にマリの死体を、みんなで遊んだツリーハウスの木の下へロープで括りつけ、自殺に偽装。
これが本当の真相です。
そりゃ皆に顔を合わせられないですよね、大切な人の命を、わざとでは無いにしろ奪い、友情を壊した原因になってしまったんですから。
〜エンディング〜
サニールートでのエンディングは2つあります。
ひとつは、真実を伝えないルート。
現実のバジルもサニー同様幻覚を見ており、それを振り切るように暴れ回り2人は大怪我をします。
昏倒した中でみんなとの思い出、マリからの愛を思い出しながら、夢の中の自分、オモリと戦います。
そしてその中で、現実では叶えられなかったデュエットを2人でやっと叶えることが出来ました。
病院へ運び込まれ、目が覚めると夢の中の小さな皆が上へ駆けていきます。
そちらへ向かうと、病院の屋上に出ます。
調べると、
真実を伝えず飛び降り自殺エンドです。
落ちている中、現実の空から夢の世界の空色に切り替わります。死ぬまでの幸福な思い出と殺してしまった自責の念が混ざったぐちゃぐちゃな走馬灯のようで、先にこのエンドをみてから2週間Switchに触れませんでした。
2つ目は真実を伝えるトゥルールートです。
バジルの病室を探すと病院に駆けつけた皆、そして同じく大怪我を負ったバジルがいます。
「みんなに、伝えたいことがあるんだ。」
自分が、バジルやってしまったこと、全てを伝えます。
ここに来て現実のふたりはやっと、黒い何かを振り切って涙と笑顔を浮かべられました。
〜考察〜
○現実世界とのリンク点や示唆
夢の世界と現実の世界を行き来するようなゲームですが、よくよく見てみると、相互の共通点が見えてきます。
最初の公園にいた子供たちが現実世界の友人に性格や特徴が似ていたり、パン屋の子供たちが夢の世界ではボスになっていたり、スペース彼氏がグッズとしてCDショップにいたり…。
また、夢の中深くへ潜っていくうちに皆がバジルを忘れてしまったり、ぐちゃぐちゃにするような描写が増えていきます。
恐らく、無意識のうちにサニーは「彼があんな事を提案しなければ」と考えていたのかもしれません。大切な友人という半面、こうしてやりたい、全部忘れたいという気持ちもあったのでしょうり
また、マリの自殺については夢世界と現実世界で緩やかに明かされていきます。
靴が宙ぶらりんになっています。
記憶が正しければ他のところには無かったので、彼らの真実の示唆としてあるのかもしれません、考えすぎかもですが。
木の先にオモリの首がぶら下がってます。
首吊りみたいですね。
○成長に伴って見えてくるそれぞれの家庭の悪点
小さい頃は人の家族ってすごく楽しそうに見えませんでしたか?隣の芝は青く見えるみたいな。
子供の頃の彼らは楽しそうですが、成長してお邪魔してからはそれぞれの家庭の悪点が見えてきます。
○ヒロが精神的に大変な事があったからかかなり過保護なヒロケルの母。出来のいい兄のヒロに比べて少しケルの扱いが…?というのも現実にあるから凄いリアルですね
○オーブリーの家庭は崩壊しています。父親は昔居たようですが現在はおらず、ゴミ屋敷の中ではお母さんが茫然自失とした状態でいます。
○サニーの家族も、マリの死因に気づいてしまった様子の父親と離婚、母親も、気づいてはいますが唯一の息子までも失いたくは無いのでしょう。「愛してるよ!」とは言いますが、不安定なまま1人で置いていくなど言葉と行動はちぐはぐです。
○バジルの家ではおばあちゃんが治療を受けていますがあまり長くない様子です。
ご両親も不在っぽかったです、イジメられても相談する人はいません。
子供の頃ってあんまり自分とか他の家の「ちょっと…」ってなるところが見えにくいですよね、成長して視野が広がって、初めて他人の苦労や自分の家庭の欠けや嫌な変化に気づいたりしますよね。
この当たりもかなり現実的でリアルですよね、子供のままでいたら気づかなかったこと、直面しなかったことに大人になって強制的に突きつけられて、昔は良かったと思うことはどんな人間にもあると思います。
○これからはハッピーエンドと言えるのか?
また、真実を伝えたからと言ってハッピーエンドになるか、と言うと正直全然そんなことないですよね。
ヒロは恋人が事故とはいえ、大切な友人でもあった弟に殺されたことが明かされて、オーブリーは家庭環境もあまり良くない中、優しいお姉さんみたいな人が亡くなり、大好きだった居場所がそのせいでぶち壊れました。
ケルもマリの死に悲しんでいたヒロと過去に大喧嘩しています。
真実を伝えられてもマリは戻ってきません、しかも犯人は大切な友人たち。
果たして許せるのですかね?
私は、急には無理だと思いますが、少しづつ分かり合えると思っています。
これはエンディングの最終画面です。
オーブリー色の風車、マリのすずらん、ケルのサボテン、ヒロが買った花束、そしてバジルのアルバムが置いてあります。
なぜマリのお墓ではなく、切り株なのだろうと思った時に、恐らくマリが首を吊って切られたツリーハウスの切り株なのだと考えました。
きっと、長い時間はかかるでしょう、仲直りまでにとても酷いことも言ってしまうかも知れません。それでも今までのアルバムの思い出は消えません、これはずっと積み重ねてきた6人の大切な絆です。
4年間離れていてもまた大切な友人に戻れたのだからきっと大丈夫だと私は信じます。
かなり濃密なゲームなので全ては補完で出来ていないと思いますが、本当に素晴らしいゲームでした。
ただ、終わったあとはスッキリしたような気持ちと、彼らはどうなっていくのだろうという考えに挟まれてずっと脳を巡りました。
そして夢世界での心理描写や展開の流れもかなりヘビーなものなので、名作だけれど、1度トゥルーエンドを見たらもうそのままにしてあげたい気持ちになりオモリルートは出来ませんでした。
こんな気持ちはUndertale以来初めてだよ…。
これからやる人もまだサニールートを行ってない人も、是非彼らを少しでも良い未来にに導いてあげてください。
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