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神奈川にキリストはいないらしい


ふとある夜、家を出た。ちょうど季節は春、桜が綺麗だった。散歩するのには気温もちょうど良い。久々にちょっと歩いちゃおうかな!

〜相武台前駅まで

桜が綺麗だなぁ、他にはどこに咲いているんだろう?探してみよう!そうこう歩くうちに野球が強い高校が目の前に現れた。
おや。ここは昔友だちとイオンに行くために通った道では?ならせっかくだし思い出の地、巡っちゃいますか!
ということで歩いてゆくと記憶の南限に辿り着く。
ここから南に行ってももう何も無いな…。引き返そうか…。ただここで帰るのもいささか不完全燃焼感が残る。うーん…。悩み、思い出した。
そういえば、かつて友だちと自転車で海を見に行った時に通ったのもこの辺りではなかったか、歩いてゆけば見覚えのある景色もあるのでは…?
なら行こう。歩き出した。県道をひたすら下る。
相武台前駅だ。この時すでに終電が終わっていたので、人の気配はあまり無い。歩きやすい。せっかくだし小田急線を辿るか。

信仰は自由であり貶すような意図は全くありません。

なんだこのドンキ。ドンキのくせに夜やってねーのか?
おや、この100ローはかつて立ち寄った記憶がある。なつい。
うわ、懐かしい、この立体構造、ここでみんなテンション上がったよな!
なんやこの犬の看板!こっわ!
チャーシュー泥棒捕まってて草wwwww
なんやこの落書き!NARUTO1話冒頭やんw九尾の狐てwwww
などと思いながら歩く。
ずっと県道を下ってきたため、とても歩きやすかった。
と、ここで右に面白そうな道が。もうこの時点でとっくにかつて海に行くために通った道ではないが終電もなく、一度通った道を引き返すのもつまらない。じゃあ行くしかねーだろ!!!
相模川だった。あまりにも夜風が気持ちいい。このためにここまで歩いてきたのだと悟った。楽しい。まだまだ歩けそうだ。おや?なにやら一際目立つものが。この記事冒頭の画像だ。わぉ…。
久々にこの類を見た…。そういえば、私の地元にはいろんなところに「神は死んだ」「復活の時は近い」だのと記した看板があった。それはキリスト教だったが…。そうか、西に来るとイスラム教になるのか…。ムハンマドさんは数多いらしいが、預言者と同じ苗字というのは当の本人たちはどんな気持ちなのだろうか。誇らしいのか、それとも何も思わないのか。
そういえば、キリスト教もイスラム教もユダヤ教も大まかには同じものを信仰しているというようなネット記事を見たことがある…。なにか同じものがあるのだろうか。ユダヤ教の看板も探せばあるのだろうか。
小学生時代、通学中に見る「神は死んだ」→「復活の時は近い」のコンボは恐ろしかった。特に夕暮れ。
なんにせよせめて黄色地に黒文字で空き地にあるのは怖すぎるのでやめてほしかった‥
思わぬところで今は親元を離れていることを感じてしまった。

今何時だと思ってんだ!

イスラム教に気を取られながらも歩く。
なんだか街が活気づいてきた。なになに、駅名は…本厚木?アレ?海老名は???消し飛ばした???本気でいつ通り過ぎたかわからない。くそ、密かに楽しみだったのに。そう思いつつ本厚木の街並みを歩く。
…なんか…騒がしくね?全然人おるし。あれ?今って…朝4時半よな…?キャバクラどうですかー…?夜の店って長くてもそろそろ閉まるもんかと思っとったよ…?
本厚木、流石デカいだけあった。
2年ほど前だろうか、ある男が「終電寝過ごして本厚木着いちゃった!泊めて!」と言ってきたがアイツはこんな遠くから20キロ弱歩いてきたのか。しかも4時間ほどで。すげえな。

vs坂道

本厚木を超えたあたりからだろうか、坂道が増えてきた。少しずつ辺りも白んできた。正直なところ、このまま小田原まで行けるんじゃないか。そう思っていたが…。
ただ、ここにきて田んぼ道だ。嬉しい。活力が湧いてくる。突き進む。
愛甲石田駅だ。坂しかない。と思ったら駅前の大通りは発展している。なんだここは。住みやすそうだ。このくらいがちょうどいい。
坂道で疲労が溜まっていたが、始発まではまだ時間がある。なら次に行くしかないじゃない!
大通りを進む。坂すぎる。正直疲れた。
神よ、とっとと次の目的地へ私をお連れください…!あれ、この場合どの神に祈っているのだろうか。つい先ほど学んだ通りアッラーだろうか。それともお国柄アマテラス?いやいや、キリストかもしれないしゼウスかも。
などとくだらないことを考えたりしていると坂の上に巨大建造物が現れた。なんだあれは。
やはり頼りになるのはGoogle!地元の教えの通り神は死んだのだ!祈っても答えは出ない!さて答えは!?
"東海大学病院"
おっと。まさかのほんとのほんとにそういったものの対極のようなものだった。いや、高度に発展した科学は魔法と区別がつかないと言うし、実はこれこそが神…?あー、復活の時が近いとはそういう…。
やはり地元なのかと思いつつも身体の限界を感じ伊勢原駅へ向かう。
結局坂だ。勘弁してくれ。人間はなぜ平野だけで満足できなかったのか。こんなところを開拓するな。などと好きで歩き始めたヤツの思うこととは思えない責任転嫁をしながらもなんとか伊勢原駅に到着。時刻は朝6時。
電車に乗り帰路へ。
今回の散歩はおよそ6時間ほどだったのだが、電車のはやいことはやいこと。6時間があっという間に消える。結局は文明なのだ。この力があればそりゃあ坂なんて関係ない。最後にものを言うのは力なのだ。

旅のお供

最後に聴いていた音楽を紹介したい。といっても例の如く1000曲ほどからランダム再生なので半分おすすめの曲紹介である。聴いて見てくれると嬉しい。
KANASHIBARI/RADWINPS
青い春/backnumber
マイペース/chevon
ひるねの国/childspot



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