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ゆっくり夢日記 「海に憧れた少女」2016年7月17日

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記録

7月17日
ここは何かの学園だ。年に一度夏の期間だけ海に行くのでこの学園から出られる。黒髪の少女は学園から逃亡したいようだ。彼女と水着を脱ぎ捨てて海に入る。彼女は海に憧れていた。イルカに憧れていた。実際の海は濁っていて私と彼女は砂まみれ。海には柵があって逃げられない。しかも、柵の向こうからはおぞましい生き物がやってくる。人間の口を持った平べったい魚などだ。柵のそばまで来て私と彼女は絶望して浅瀬まで戻る。彼女は放心している。長い髪が体にべっとりと張り付いている。岩にくっついていた亀の手をとってこれをね煮込むと美味しいんだと話しかける。彼女は私の外の話が大好きだったけど、もはや、虚ろだ。彼女と学園に戻る。学園から逃げられなかった。今日も何かの為に学んでいる。生徒達は皆愛情を知らない目をしていた。愛情の基礎、親に愛された事の無い顔。

詩「海に憧れた少女」

7月17日
ここは全寮の学校だ。子供たちは幼いころから親と離され学校で暮らす。
学園の外に出る事は禁止されているが、年に一度だけ全校生徒で海に行く。
私の友人の少女は黒い髪を三つ編みにしている。
彼女はこの学園から脱走したいといつも言っていて海にとても憧れている。
一緒に図書館に行っては海の生き物の図鑑や綺麗な砂浜の写真をみた。
嬉しそうに海に思いをはせる彼女の話を聞くのが好きだった。
彼女はまだ海に行ったことがないのだ。彼女はイルカが好きで
「海に行ったら絶対に一緒に泳ぎたい!」
とよく言っていた。
今日はいよいよ海へ行く日だ。
バスで海へ向かう、彼女はパンフレットを見ながら私に海について語る。目を輝かせて海を語る彼女は可愛い。

バスを降りると、海は濁っていた。空は灰色で、強烈な海風に当てられ私と彼女は砂まみれになった。
彼女が暗い目をしている。
遠くを見れば沖に柵があってどこからも逃げられないようになっている。
私と少女は暫く泳いだ後水着を脱ぎ捨てた。
少しでも開放感を感じたかった。塩水がべとべとと体にまとわりつく。海月が彼女の肌を傷つける。
このまま柵を越えて脱走しようかと思ったのだが、柵の向こうには悍ましい生き物が沢山いる。
人間の口を持った平べったい魚は私達を見つけると柵に体当たりしてくる。私たちを食べようとしているようだ。
池の鯉の様に魚たちが集まってくる。
彼女はすっかり絶望してしまって「帰ろう」と言った。
浅瀬まで戻って岩に腰かける。
彼女の長い髪が体にべっとりと張り付いている。
岩に張り付いていた亀の手を取って「これを煮込むと美味しいんだよ」と言ったが返事はなかった。放心しているようだ。
海で遊ぶ時間が終わりバスに乗り込んだ。
結局脱走は出来なかった。彼女はバスの中で一言も話さなかった。
私は彼女の外に憧れる話が大好きだったのに。もう虚ろな目をしている。
学園の日常に戻った。
今日も何かわからないが勉強をさせられている。
生徒たちは皆愛情を知らない目をしている。
物心つく前に親から離されているから愛情の基礎がないのだ。
親に愛されたことのない顔をした生徒たちが今日も授業を受けている。


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