見出し画像

ゆっくり朗読 「真っ暗な浴室」「夢の幼虫」「美青年と庭園」2016年 #6

朗読動画

記録

6月8日
真っ暗な浴室、油の湯船に浸かった君が沈まないよう支えている。でも本当は私が眠っている君をここに運んだのだ。甲斐甲斐しく尽くしているように見えてこれは全て自分で仕組んだことである。それが全てばれたのか、君は目を覚まし私の首を渾身の力で締め上げる。

詩「真っ暗な浴室」

6月8日
真っ暗な浴室、油の湯船に浸かった君が沈まないよう支えている。でも本当は私が眠っている君をここに運んだのだ。甲斐甲斐しく尽くしているように見えてこれは全て自分で仕組んだことである。それが全てばれたのか、君は目を覚まし私の首を渾身の力で締め上げる。

記録

6月13日
ここ数日夢の中で育てていた幼虫をすっかり忘れていたことに気づく。段ボールが糸まみれだ。ふたを開けると幼虫はピンクと白の毛虫になっていた。まるで調べもせずに毒虫と判断しシンクに捨てる。

詩「夢の幼虫」

6月13日
ここ数日夢の中で育てていた幼虫をすっかり忘れていたことに気づく。段ボールが糸まみれだ。ふたを開けると幼虫はピンクと白の毛虫になっていた。まるで調べもせずに毒虫と判断しシンクに捨てる。 

記録

 7月1日
広大な庭を母親と彷徨う。チラチラと金髪の青年が見ている。母親は金色の花を気に入って金髪の青年にこれはなあにと話しかけている。私は何か嫌な予感がして二人から離れると俯きがちな紫の花が咲いていた。その花の匂いを嗅いでいると後ろから「俺だって気づいていたんでしょう?」と話しかけられる。振り返ると黒髪の美青年がおり、私を見下し意地の悪い笑みを浮かべていた。彼はもう一度繰り返す。「俺だって気づいていたんでしょう?」全身に鳥肌が立ち逃げなくてはと思う。

詩「美青年と庭園」

 7月1日
広大な庭を母親と彷徨う。チラチラと金髪の青年が見ている。母親は金色の花を気に入って金髪の青年にこれはなあにと話しかけている。私は何か嫌な予感がして二人から離れると俯きがちな紫の花が咲いていた。その花の匂いを嗅いでいると後ろから「俺だって気づいていたんでしょう?」と話しかけられる。振り返ると黒髪の美青年がおり、私を見下し意地の悪い笑みを浮かべていた。彼はもう一度繰り返す。「俺だって気づいていたんでしょう?」全身に鳥肌が立ち逃げなくてはと思う。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?