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FaY | ラオスの民話 かしこいヘビ


プロジェクト紹介

2021年11月からスタートした、Wisa(日本)&CAF(ラオス・ルアンパバーン県)の協働プロジェクト、「民話と若者」FaY(Folklore and Youth | フォークロア・アンド・ユース)。

ラオス人の子ども・若者たちがお年寄りから聞き取った昔話を文字起こしし、その英語の翻訳をオンラインでつながった日本人の中学・高校・大学生の学生たちがお手伝いします。その後、ラオス人と日本人の学生が協力をし合いながら日本語に翻訳して、イラストをつけていきます。

プロジェクトについての詳細は、こちらのActivo

今回は「かしこいヘビ」を紹介します。

作品紹介

かしこいヘビ イラスト、WISA|FaYプロジェクト

ある森にカエル、ヒキガエル、エビ、カタツムリが住んでいる
大きな池がありました。
数十年間、みんな仲良く幸せに暮らしていました。
カエルたちは雨が降る日は幸せでした。
そしてみんなは雨の音と競うように歌いました。

カエルは、歌う
「ディープ、ディープ!」 
そのとき、ヒキガエルたちも一緒に歌う
「起きて!起きて!イエーイ、イエーイ!」

他の小さなヒキガエルたちも声をそろえます。
みんなの声は、一つのとっても大きな声になりました。
みんな幸せを感じながら、他の動物たちはカエルたちの歌声を
楽しく聴いていました。

ある日、彼らがいつものように音を出していると
池に向かって動いている大きなニシキヘビがいました。
ヘビはおなかがペコペコでした。
カエルたちが住む池にいけば、ごちそうにありつけます。

しかしいきなりおそってしまうと、
カエルたちはいっせいに逃げ出してしまうだろうとヘビは考えました。
そして、誰もおそわないやさしいヘビを演じることにしました。

かしこいヘビは、池の主であるカエルのところへ近づきます。
動物達はヘビが来たのでおびえました。
みんな逃げ出し、池は静まりかえりました。

ヘビはかくれた動物たちにこう語りかけました。

「きみたち!僕はきみたちに会えてとってもうれしいんだ。
もしよかったら、一緒にここにいさせてもらってもいいかい?
僕はもう歳をとっているんだ。
このまま冬眠して、この池の君たちみんなを守りたいと思う。
僕は君たちの誰も攻撃しないと約束するよ」

カエルやカニ、エビもカタツムリも魚たちも、
大きいものから小さいものまで、動物たちはみんな笑顔になって
ヘビと一緒に遊ぶようになりました
しかし、みんながすっかり安心しかけた頃、ヘビは次々とカエルを
「パクッ!パクッ!」
と食べ始めてしまいました。

他の動物たちはおどろいて逃げ出しました。

かしこいヘビはいいました、
「みんなおバカだな、すぐに言葉を信じて
だまされてしまうなんて」

おしまい


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