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「FOLIO流オンボーディング」〜オンラインで新メンバーとOneチームになった話〜

FOLIOで働いている社員の本音や仕事の実態に迫る「Backstage Interview」。

今回は新型コロナウィルスの渦中に入社してきた新メンバーを、既存の社員がどう迎え入れているのか?物理的にコンタクトが取りづらいこの状況で、新メンバーがスムーズに会社に溶け込むにはどうしたらいいのか? そんな取り組みにフォーカスをあてたいと思います。

ということで今回の主役は、この度7月にインフラ部へSRE(Site Reliability Engineering)として入社した小柳津(おやいづ)さんと、小柳津さんのメンターを務めているSREの山本さんにお話をうかがいました。

チーム関係を構築するためのオンボーディングとは?

司会:
今日はよろしくおねがいします。新型コロナウィルスの影響もあって、弊社も在宅勤務を奨励しています。今では過半数以上の社員が在宅で仕事をしている状況です。

そんな状況下で、今年の7月からFOLIOにジョインしたのが小柳津さんです。そして小柳津さんのメンターを担ってくれているのが山本さん。今回の記事では、お二人のコミュニケーションを通じて、「物理的に会えない状況下で、どう会社に馴染んでいくか?」について迫りたいと思います。よろしくおねがいします。

山本さん、小柳津さん(以下、山本、小柳津): 
よろしくおねがいします。

司会:
まず最初にお聞きしたいのですが、新しく入ってきた小柳津さんのオンボーディングのために毎日ミーティングしてるようですね。オンボーディングという言葉は聞き慣れない人もいると思うので、どんな取り組みか教えてください。

山本: 
名前が浸透してないだけで、同じような内容は様々な企業で取り入れていると思います。一般的には、OJT(On the Job Training)などと呼ばれているものですね。新しく組織に入ってくれたメンバーが、スムーズに業務に馴染めるようにすることをオンボーディングと呼んでいます。

会社にはそれぞれ独自のルールや仕事の仕方がありますよね。それを新しく入ってきた人と共有して、一緒に働けるようになるためのスキル移管をする作業、とも言えます。

司会:
なるほど。ですが今はリモートワーク中心の業務形態で、物理的に顔を合わせてオンボーディングをすることは難しいですよね。オンラインでやっているんですか?

山本:
そうです、毎日時間を決めて技術のことや仕事で困っていることがあれば聞いたり、その日の進捗を確認したりしています。逆に新しく会社に入ってきた方の話から私が気づくようなこともあったりして、そんなコミュニケーションが取れる時間を一日一回やっているんです。

司会:
よく組織でおこなわれている「日報」に近いですね。

山本:
そうですね、ですが日報は一方的に「今日はこれをやりました。明日はこれをやります」という報告ですよね。そうではなくて、私はオンボーディングを「チームとしての関係を構築するための場」と思っていて、報告や相談はもちろんコミュニケーション多めに取ることを目的にしています。

誰でも参加OKな理由

司会:
内容を具体的に教えて下さい。

山本:
毎日30分、Zoom上でおこなっています。ミーティングの時間には気をつけていて、30分を超えないように気をつけています。というのも、話そうと思えばもっと話せますが、あまりダラダラやるのも業務に影響が出るので、時間は意識しています。限られた30分というスコープの中で最大限できることをやっています。

司会:
小柳津さんとのオンボーディングはどんなコミュニケーションを取っているのですか?

山本:
オンボーディングが始まったら、相互に進捗共有をしつつ、「良かったこと」「改善した方がいいこと」「困ってること」を話しています。困っていることについては口頭であらためてヒアリングします。

その後は、事前に書き溜めておいてもらった「疑問に思ったこと」を一つずつ解消する作業をおこなっています。その時間が終わって、時間が余ったら雑談の時間を作って色々な話をしています。

司会:
山本さんがオンボーディングを通じて、コミュニケーションを意識的に取っている理由は何ですか?

山本:
私も新しい環境に入る時に経験したことがあるのですが、新しい職場、知らない人だらけの環境に入るのって、最初は緊張したり聞きたいけど聞けないことがあるんですよね。

聞きたいことがあるのに聞けないことで生まれる「壁」によって、新しく入ってきた人も迎え入れる人もお互い不幸な関係になると思うんです。なのでそういう壁を取り除くというのが私の役目でありコミュニケーションをとる理由だと思っています。

司会:
オンボーディングで、そんな「壁」を取り除くための具体的な工夫があれば教えてください。

山本:
そうですね、色々工夫しているのですが、私と小柳津さん以外の人も参加できるよう、自由な出入りをOKにしています。

オフィスで働ける環境であれば、色々な人にご挨拶に回ったりして、色々な人と顔を合わせる機会が多くなるので他の社員の顔と名前を覚えられると思うのですが、オンライン中心の働き方だとそうもいかないですよね。

第1回目の書き込み

記念すべき第1回目のデイリーオンボーディングの呼びかけ

司会:
たしかにそうですね。それに加えて、会社の色々な部署の人間と交流すると、新しい知見を得たりできますが、オンラインだとそれが難しくなりますよね。

山本:
まさにおっしゃる通りで、私が知っていることならいくらでも教えるんですが、会社という組織において一人が知ってることは限界がありますよね。でもオンラインのミーティングなら、色々な人が参加できて私の知らないことをフォローしてくれますので、できるだけ多くの人に参加していただきたいというのが私の本音です。

私一人の判断で間違った知識を教えてしまう可能性が減りますよね。他の人が「それはちょっと違ってて~~」とフォローを入れてくれたり、足りない部分を補ってくれることもあります。と同時に小柳津さんにはこれから色々な人と話す機会が増えるので、そんな状況になる前にオンボーディング上で色々な人と会話をしてもらいたい、という点も重要視しています。

司会:
そう考えると、オンボーディングには色々な人の色々な知見は大切ですね。

山本:
そうですね、ただ自由参加と言っても、参加してくれた人にもメリットがあるようにしたいと心がけています。なので私はいつも、日々のオンボーディングで話したことや出来事を3行ぐらいでSlackにまとめてるんです。

それを読んでくれた人が興味を持ってくれれば参加して発言して頂いてもいいし、内容にあんまり興味がなくてもラジオ的に聞いてるだけでもいいですよ、ともお伝えしています。とにかくオンボーディングへの参加のハードルを低くすることにはこだわっていますね。

終わった後の書き込み

その日のオンボーディングの内容をポップに振り返って、参加しやすいように心がけている

オンラインでも「チーム一体」は作れる


司会:
オフラインでの働き方だと、関係ない部署の会議に関係ない人が参加するってありえないじゃないですか?そう考えると、オンラインでの会議で誰でも参加できるというのはすごくメリットが多いように感じます。

山本:
本当にそうですね。ただ気をつけているのは、色々な人が入ってくると盛り上がって色々な話題が出てきて、知らぬ間に時間が過ぎていき本来の仕事をすべき時間が奪われる、という状況になりがちなのでそこは一線を引くように心がけています。

司会:
通常のオンボーディングやOJTというのは、新しく入ってきた人の困りごとを解決したり、進捗をヒアリングしたりすることが重要視されるものですが、それに加えて部署外の人も気軽に参加できて色々な人とコミュニケーションを取る場にして、早く会社に馴染んでもらおうとしている点が面白い部分ですね。

山本:
そうですね、単純にキャッチアップをする場、というよりも、「俺たちはチームだぜ」感を出すことを狙っています(笑)。なので色々な人の参加を自由にして、会社の社員の顔と名前を覚られる場にしています。

山本:
我々のSREという職種は部署内で完結する仕事よりも、他の部署や人と関わりを多く持つ仕事が多いんです。ですから入社して関係性が無い中で突然「どうも新しいSREです、今日から○○をやります」と言われても、「いやいや、誰ですかあなたは?」という状態になりますよね(笑)。

SREの仕事の内容を鑑みて、オンボーディングに色々な人を集めてオンラインでも社内コミュニケーションを積極的に取っていきたい、そんな気持ちから、誰でも入れるオープンなオンボーディングにしています。

司会:
エンジニアの中でも、特に他の部署と関係性を深めないと仕事として成立しづらい部署なんですね。

山本:
そうですね。FOLIOのシステムを安定的かつ信頼感を持って動かすための基盤を担っているインフラ的なチームですから、システムを使うあらゆる部署と関係を持ちコミュニケーションを活発にしていかないと成り立たないんです。

そういう仕事の内容ですから、色々な人とコミュニケーションを取った方がいいんです。知ってる人と知らない人では、仕事のやりやすさは全然ちがいますよね。ですから他部署との意思疎通は大切にしています。

新しい人を「内輪ノリ」へスムースに巻き込む

司会:
他部門とのコミュニケーションで必要なこととして、小柳津さんにはどんなことを伝えたりシェアしているのですか?

山本:
伝えていること大きく分けると「開発の文化」と「会社のルール」ですね。開発の文化というのはたとえば、「こういう流れで開発をし、成果物を出してレビューしてもらう」といったFOLIOならではの開発方法です。

会社のルールというのは、証券業界ならではのルールと言い換えることもできますね。FOLIOは証券会社ですから、証券ならではの細かいルールがあるんです。

そのルールを知らないとずっと知らないままになってしまい、それを知らずに大きなルールを破ってしまうというのは誰にとっても非常に不幸な状態ですから、オンボーディングで文化とルールに関するフォローもしています。

司会:
次に入社する社員のために会社の文化とルールをオンラインで浸透させる、というのは大変そうですね。

山本:
はい、ですからこの2つのフォローにおいて、私以外の社員が参加してくれているのが非常に良いんです。多くの社員がいた方が、場の雰囲気や暗黙のルールや文化の共有に近づけるのではないかと思っています。

暗黙のルールというのは、言い方を変えると「内輪ノリ」なのですが、逆に考えるとこの内輪ノリから生まれるチーム感や仲間意識というのもあると思いますし、そこの感覚を共有することは大切だなと思っています。

雑談風景_retouched

部署が違う社員も参加して、最後に雑談しながら小柳津にあることないこと伝えて、「内輪」に溶け込んでもらっている場面

司会:
開発をするにあたり、チームが「内輪ノリ」で盛り上がる、という状況は多いのでしょうか。

山本:
あくまで私一人の意見にすぎませんが、エンジニアってオンライン上での内輪ノリを作りがちな人種だと思っています。少なくともFOLIOはそういうノリがありますね(笑)。特に小柳津さんは転職してきたばかりなので、そのあたりは気づいているかもしれません。

小柳津:
そうですね、かなり内輪ノリが強いですね正直(笑)。お互いに共通言語を持っているのであれば、絆があっていいと思うのですが、新しいメンバー側からすると、何を言っているのかイマイチわからない部分、伝わりづらい部分はありますね(笑)。オンボーディングによってその辺の理解が早くなったと思います。

司会:
山本さんにお聞きしたいのですが、今の小柳津さんのお話のように社内のカルチャーやルールが強いと、新しく入ってきた人は場に入りづらい、という部分を理解されてオンボーディングをされていると思うのですが、今の小柳津さんの発言の内容からわかるように、内側からばかり見ていると気づかないことってありますよね。

山本:
ありますね。それは新しい社員とコミュニケーションを取っていて本当に気づかされる部分です。

社内で当たり前のように通じていた文脈が新しい人には何を言っているのか理解できなかったり、わかりづらかったり……。オンボーディングでは逆にそういう部分も学びになっています。

司会:
そういう部分が見つかったら課題にして解決しているのですか?

山本:
全部をすぐには修正できないのですが、課題の重さによってはタスクに積んだり、すぐ直せるものはすぐに直すようにしています。少なくてもその問題を聞いて「へー」だけで終わらせずに、次のアクションにつなげる行動を取るようにしています。

司会:
お話をうかがっていると、オンボーディングは新しく入ってくる社員だけでなく、相互にメリットがあるようですね。

山本:
単純にこちらが新しく入ってくるメンバーに教えるのではなくて、気づかされることも多々あるんです。

技術的なことだけなくて、チームとしての文化的な部分も改善できればいいと思っていますし、新しい視点でチームを見てもらうことはチームの改善にとって大切だと感じています。

すぐ活用

2週間後に入社してきた社員に対して、別のメンターが早速他の社員の呼びかけをする。よいことはすぐに広がるのもFOLIOの文化か?


オンラインでも大切にすべき非言語コミュニケーション

司会:
新しく入ってきた方と仕事を進めていくにあたり、オンボーディングがとても大切だということがわかりました。

ただ、今新型コロナウィルスの影響でオンボーディングもオンラインでやらなくてはいけなくなり、物理的に会うのとは違った難しさがあると思うのですが、オンラインでの難しさや課題に感じている部分はありますか?

山本:
これは私の考えですが、物理的に会ってコミュニケーションを取ると、非言語的な部分、つまり表情とか喋り方とかその場の雰囲気などから伝わる情報は結構あると思っています。

そこがオンラインでは伝わりづらいのが難しいですね。非言語的なコミュニケーションから生まれる信頼関係はあると思っているので、オンラインに限界を感じるとしたらそこですね。なのでオンラインでは極力顔を出してミーティングするようにして、非言語的なコミュニケーションを取るように心がけています。

司会:
オンボーディングの内容についてもう少し詳しく聞きたいのですが、直接会ってやる場合とオンラインの場合と変えている部分はあるのでしょうか?

山本:
やることの内容そのものはさほど変わりません。ただ、オンラインの場合はプラスαで色々工夫をしています。たとえば雑談の時間を明確に設けるとか、私と小柳津さん以外の人に入ってもらえるように工夫したりはしています。

例えばオフラインで仕事をしているなら、誰かが隣の席で雑談してて、興味がある話題だったら入っていけますよね。でもオンラインだとそういう雑談はできないし、聞こえません。つまり雑談の時間を設けないとそういうコミュニケーションが皆無になってしまいますよね。雑談から新しい関係性とか、新しいアイデアが生まれることがあるので、積極的に雑談の時間を取るようにしています。

司会:
小柳津さんはオンボーディングに雑談時間があったり、他部署の人が参加しているのはどうですか?

小柳津:
とてもいいですね。雑談から仕事につながる気づきがあったりしますし、私がオンボーディングで山本さんに質問したいことがあった場合、他部署の人が入っていると別の角度から背景や歴史を語ってくれたりする場合もあるので、一つの話が多角化して理解が深まりますね。

雑談の時間を作って頂いたり、他部署の方が入ってきて交流をすることで、物理的に出社できない状況下でも会社の人とコミュニケーションが取れている感じがして良いです。

オンボーディングの連続は将来価値を生む

司会:
前職でもこのようなオンボーディングはあったのですか ?

小柳津:
前職はオフィスに出勤していたので、任されたタスクでわからないことがある時は、都度、隣にいるメンターの方に聞いて、ホワイトボードで解説して頂いていましたね。

一日のある決まった時間に定期的にするオンボーディングはなかったです。これはこれで良かったのですが、ホワイトボードの解説は文字に残らないので後で振り返ることができないんですよね。その反面、山本さんとのオンボーディングは、文書に記録されているのであとから振り返ることもできて便利です。

司会:
FOLIOは、色々なことを記録して残しておくことをちゃんとやっている人が多いと思うのですが、小柳津さんから見てそのあたりどうですか?

小柳津:
そうですね、かなり残している方だと思います。会社によってはアーカイブや資料を作らずに人に依存しているところもありますよね。

人に依存しすぎると、オンラインで働く時にデメリットになりますね。記録を残しておいて誰でもアクセスできるようにしておけば、オンラインでの作業がよりスムーズになると思います。

山本:
新しく入ってきた人が疑問に思ったことや悩んだことを残しておくと、次に新しく入る人のフォローに流用できるのもこのオンボーディングの一つのメリットだと思います。

ドキュメントの写真

山本が小柳津のために用意したドキュメント。その後、小柳津が自らオンボーディングとして参考になった資料をまとめて、次に入社する社員のためにページを作成するというグッドスパイラルも発生

司会:
リモートでのオンボーディングは、入社したばかりの小柳津さんにとってどんな存在ですか?

小柳津:
とてもありがたいですね。オンボーディングの時間に疑問の解消や色々な部署の方と交流することで、知識が増やせていると実感しています。

もしリモートでオンボーディングがなかったら、山本さんに話しかけるタイミングに悩んでいましたね。山本さんが集中している時に「今ちょっといいですか?」と言いづらいので、質問事項をまとめて聞いてレスポンスがもらえる時間はありがたいと思っています。

あと、色々な人が参加してくれているのもありがたいですね。私の質問内容に山本さん以外の人がレスくれたりワイワイ盛り上がったりするので、社内コミュニケーションが円滑になるという意味でもいいと思っています。

山本:
たしかに、オフラインで仕事していれば、たとえば会議終わったあとに「ちょっといいですか?」と声かけられるけど、オンラインだとそれはできないですからね。

小柳津:
はい、特に入社したばかりだと、どんな人がどのタイミングで忙しいのか?時間があるのか?って分かりづらいじゃないですか?だから細かい質問をするのが憚られるのですが、オンボーディングというまとまった時間があればそこで聞けばいいので、問題解決がスムーズにいきますし、チームや社員同士の温度感もわかります。オンラインでも「一緒に仕事をしている感」が感じられて、とても良いと思っています。

司会:
オンラインでの仕事って、チームを一つにまとめ上げることが難しく、どこの組織も課題感を感じていると思います。山本さんのオンボーディングの手法が、「オンラインにおけるチーム作り」の一助になるかもしれませんね。
今回はありがとうございました。

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