あの日の風景、あの頃の温度匂い君に包まれて

君の夢を見た日、あの日は君の誕生日だったんだね。君のやさしさにくるまれて安心して夢見れた。これでもう終わりなんだ会えないんだって気付いてた、さようならって思いながら意識を手放したあの朝のこと。あの日は君が生まれた日。今なら全部分かる気がするの、なんで約束なんかしたのか。忘れたらもう終わりなのに、守る保証なんてないのに、なんで約束なんてしたの?分かるよ、私が君なしでも生きていけるように、いつかひとりで前を向けるように、形がない約束を、壊れない約束をしたんでしょ。君がいなくなってもう半年も経つのにまだ昨日のことのように覚えてるの。寒さに凍えて死にそうになりながら眺めた夜空、オリオン座、超新星爆発、なにもかも、いつかは全部無くなるんだから。この世に生を受けたものはいつかなくなるんだからそれが摂理なんだから。全部なくなっちゃったとき、私はやっと君に会えるのね。今年もまたあのプラネタリウムに行くよ今年もまたあの海に行くよ今年もまた今年もまた。私のこの張り裂けそうなくらいの気持ちは、最後まで君に届くことはなかった。なにもかも、全て儚く散ってしまったね。

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