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リモートワークが家族の在り方を変える?

1.リモートワークの実施状況

コロナ禍において、リモートワークが進展しています。
パーソル総合研究所によると正社員ベースで 2021年7月に、テレワーク実施者は27.5%にのぼります。
テレワーク実施率は、企業規模に比例していますが、テレワークに適した職場は、アフターコロナにも定着しそうな状況が伺えます。

「第5回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」


そのような状況で、興味深い記事を発見しました。
リモートワークが進展するなかで、東京都の調査によると、家事育児時間が増加しているいということです。そしてその負担を、女性が背負っているという事です。

「令和3 年度男性の家事・育児参画状況実態調査」令和3年6月実施


2.家事育児時間が増える理由

はじめにこの記事を見たときに、私には何故家事育児の時間が増えたのか、理解できませんでした。
子ども2人が手のかからない我家の状況からは、現代の子育て世帯の状況が想像できなかったからです。

ネット検索してようやく状況を理解しました。
カリモク家具 ママ向けブログサイト kari-bana(カリバナ)によると、

https://www.karimoku.co.jp/blog2/karibana/article/000064

テレワークによっておうち時間が増えると家事の量も増加してしまったように感じるママも少なくないようです。要因として小さな子どものいるご家庭特有のもののようです。

1)家族が家で過ごす時間が増える

リモートワークやリモート学習、休園休校などで、家族が家で過ごす時間が増えることによって掃除頻度が増えることが挙げられます。

家族全員が家にいると、散らかりやすくなってしまい片付け作業が増加します。またホコリなどの汚れも溜まりやすくなるとのことです。

2)子どものお世話

普段はお弁当を買ったりランチを食べに行ったりしていたお昼ご飯も、テレワークになると毎日作らなければならず、負担に感じることです。
自分の分だけでなく旦那さんや、子供の分も作らなければなりません。

さらに子どもが、休園休校で家にいることによるお世話時間の増加やオンライン授業のサポートもあるようです。

3)買い物頻度増加

在宅時間が増えることによって食料品や日用品の消費が増え、買い出しが増えるようです。まとめ買いをするのなら、買ってきたもの全てを片付ける時間も必要になります。

ネット通販の利用が増えると、段ボールや緩衝材をその都度処分する手間もかかります。


こうした家事育児をママ(働く女性)に一任している家庭が意外と多いと考えることが類推できます。

3.リモートワークがもたらす幸せ

一方で多摩信用金庫の運営する  たまちっぷす によると、リモートワークが進展することによって良かったこも多いようです

https://tama-tips.jp/living/blog/2_2.html


 1)新たな働き方を考えるきっかけ

「テレワークを機に、在宅でできる仕事を探したいと思うようになった」(2児のママ・テレワーク/パパ・テレワーク) 

「テレワークによって通勤時間や会議の時間などが大幅に削られたことで時間ができた。今後の生き方・働き方について考えることができた。今後、やりたい仕事も明確になった」(2児ママ・テレワーク/パパ・テレワーク)

2)気持ちにゆとり

「"朝7時半に家を出なくていい"というだけで、気持ちのゆとりが違った。イライラもなくなった。テレワークが終わっても、以前のような時間に追われる生活には戻りたくない」(2児のママ・テレワーク/パパ・外勤)

 3)家庭生活の充実

「料理は同じくテレワーク中の夫がすべてやってくれるようになり、思いのほか自分の時間ができた。その時間でオンライン英会話をスタート。毎日が楽しくなった」(2児のママ・テレワーク/パパ・テレワーク) 

「テレワークになってから時間のゆとりができたので、家のことや子どもの学校のことなど、日々の生活に関心が向き、妻との会話も増えた」(3児のパパ・テレワーク/ママ・自営業)

「これまで平日はバタバタで、生活を回すことで手一杯だったけれど、コロナ禍で夫と協力しながら家事・育児ができた。今後もそんなふうに暮らしていきたい」(3児のママ・テレワーク/パパ・テレワーク)

4)家族の結束力 

「誰かが食器を洗い始めたら誰かがその食器を拭いたりと、チームワークが生まれた」(2児のママ・テレワーク/パパ・テレワーク) 

「家事、育児、習い事の送迎など、休むヒマのない私の日常を見たテレワーク中の夫に"こんなに大変だったんだ"。ごめん"と、謝られた。以来、土日のどちらかは、夫が子どもの面倒を見て、私にひとり時間を与えてくれるようになった」(2児のママ・専業主婦/パパ・テレワーク)

夫婦共働きで、会社勤めをしていた多忙な生活から一歩離れることによって、得るものや見えてきたものがあるようです。

テレワークは、従来の「家事は妻の仕事」という考え方を払しょくする、あらたな社会通念ができる良いきっかけになるのではないかと思います。

4.問題は旦那の意識?

ところで夫の家事育児に対する意識はコロナ禍で大きく変化しているようです。内閣府が実施した調査によると、

「第4回新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」


約4割の男性が2021年9月現在、家事育児時間が増加していると認識しています。

冒頭の東京都の調査結果とは、矛盾した結果になっています。男性は、家事育児時間が増加していると感じていても実際の時間では然程増えていないということが状況として読み取れます。

家事や育児は会社の仕事と違い、その成果やかけた工数が見えにくく「やっているつもり」という自己評価が強くなりがちなのが要因なのではないかと考えます。

5.アフターコロナの家族の在り方

パーソル総合研究所「第5回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」によるとアフターコロナもテレワークを希望する人は多く、週1回以上希望する人は全正社員の約半数に上ります。

「第5回・新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」

会社の方針もありますが一定のテレワークが継続すると見込まれます。そうなると共働き家族の家庭環境は以下のようになるのではないかと予想します。

夫:対面での仕事が復活するが、全てではなくなる(週2-3日はリモートワークなど)
妻:リモートワークがしやすい環境になる人が多い
子ども:基本的にリモート授業はなくなり、コロナ前に戻る(放課後は学童などで過ごす)


リモート学習や休園休校による子どものための家事育児時間増加などコロナ禍による弊害が少なくなり、家庭生活をより充実させる、楽しむための需要が創出されるのではないかと考えます。


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