見出し画像

コロナ禍の広告について整理しました!

デジタルマーケティング全盛時代、ネット広告やSNSを活用したマーケティングが話題となっています。

私も何か新しい商品を購入しようと思った時には、ネットの専門サイトを開いて情報収集しています。
最近ではPCやスマホなどのIT商品だけでなく、家電製品やスーツ・衣類品、食品まで検索してから店舗へ行くようになっています。

コロナ禍でデジタル化は、以前よりも一層進展していると感じていますが、統計データで整理、確認しました。

1.ショッピングの情報収集

●ネットの割合が4割を占める

総務省の調査によると、ショッピングをする際の情報収集において、最もよく使ったものは、1位:専門情報サイト、2位:テレビという順番でした。
インターネットを介した媒体は、全体の4割を占めています。(令和3年1月時点)

総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」令和3年8月

テレビや新聞などのマス媒体は、広告媒体としての役割をインターネットに譲った状況がデータから読み取れます。

●中高年男性はネットサイト、女性若年層は、SNS

年代別に利用割合を見てみると、専門情報サイトは男性40代50代が最も高く、SNSは女性10代、20代、30代、男性20代が特徴的に高い結果となっています。

総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」令和3年8月

テレビの位置づけは多くの年代で2番手になっています。唯一60代は男女ともに最も利用されている媒体です。
特記事項として女性60代の雑誌が突出しているのが目立ちます。この世代は雑誌閲読率が高く、広告媒体としての活用も高いと捉えられます。

2.SNS利用実態と目的

このような状況の中で、マーケティングにおけるSNSの重要性が高まっています。では実態はどうなっているのでしょうか?統計データを紐解いていきたいと思います。

●若年層(10代~30代)を中心に利用が広まっている

総務省 「令和2年通信利用動向調査」

SNSの利用割合を性年代別にみると、10代~30代は、8割以上の利用率です。年代を経るごとに割合が低下していきますが、70代でも4割がSNSを利用しています。
世代を通して利用されている媒体に育っている状況が伺えます。

●LINEとYouTubeが2大勢力

SNSのアプリ別に利用状況をみると、LINEとYouTubeが8割を超えています。

総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」令和3年8月

以下、アプリ別に性年代の利用率から実態を掴んでいきます。

●LINEは女性高齢層まで広がり、YouTubeは男性高齢層まで

LINEは、幅広い年代で利用されています。中高年は家族間の利用であることが類推されます。男性よりも女性の利用率が高いのが特徴です。

対するYouTubeも、どの世代も半数以上の高い利用ですが、男性は60代でも9割を超えているのが特徴的です。女性60代は55%と世代比較では低率です。

総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」令和3年8月

高齢層で若干の違いはありますが、LINEとYouTubeは幅広い年代までリーチしており、広告媒体として価値が高いことが分かります。

●Twitter、Instagramは、女性、若年層で利用者多い

TwitterとInstagramは若者の媒体ということが、統計データをみると確認できます。

総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」令和3年8月

全般的には若者に偏った分布ですが、男性よりも女性の利用が高いことがみてとれます。Twitter、Instagramともに10代、20代からの絶大な支持を集めている事が分かります。
男性10代20代も含めて、若者全般の商品については有効な広告媒体であると言えます。
一方で40代以上の中高年は半数を割っており、特定の層に利用が限られていると捉えられます。
ファッション性の高いアパレルやコスメ、雑貨は有効と考えられます。

●Facebookは女性30代、男性30・40代が中心

Facebookはおじさんの媒体と勝手に思い込んでいましたが、統計上は30、40代の利用が高いことが分かります。

総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」令和3年8月

このデータからは何とも言えませんが、実名投稿という媒体特性上、経営層やリアルでのビジネスとの併用が上手な活用法と考えられます。


●コロナ禍ではYouTubeの伸びが顕著で高齢層の伸びが貢献

つぎに時系列で比較してみました。コロナ禍まえの2020年1月と比較すると
YouTubeの伸びが顕著です。外出自粛の中で動画閲覧が増えたことが要因と考えられます。

総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」令和3年8月

年代別では、どの年代も大きく増加していますが、特に60代の伸びが顕著です。

●Instagramは30代40代が増加を牽引

YouTubeについでコロナ禍で伸びたのはInstagramです。若者中心のInstagramですが、30代40代で利用が広がってきている状況が伺えます。
前出の男女別のデータと合わせると、女性30代40代がコロナ禍でInstagramを始めたことが類推できます。

3.SNS利用目的

利用割合が高まるSNSについて、その目的について整理してみました。

●日常のコミュニケーション手段としてのSNSの広がり

総務省 「令和2年通信利用動向調査」

身近な人とのコミュニケーションとしての利用目的が高いことが分かります。年代を超えて高い割合であることから、固定電話、携帯通話からコミュニケーションの媒体としての役割が高まってきている事が類推できます。

●情報収集としては20代30代の若年層のツール

コミュニケーション手段以外にも情報収集としての利用目的もあるようです。どの世代も過半数の割合ですが、特に20代、30代が特徴的です。

総務省 「令和2年通信利用動向調査」


4.マス広告の位置づけと活用

これまで見てきたように、インターネットは今や広告媒体として不動の地位を得ているように見えますが、信頼性という観点ではテレビ、新聞という従来型のマス媒体に軍配があがったようです。

●信頼性のあるメディアは、未だテレビ新聞が強い

総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」令和3年8月


●40代以降の中高年の信頼性は高い

総務省情報通信政策研究所「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」令和3年8月

信頼性の高い媒体として、テレビを上げる世代が多くあげられています。男女とも40代以上で、1位となっていますが、男性よりも女性の方がテレビの位置づけが高いようです。
新聞は、男女とも60代の位置づけが高い状況です。


●商品広告はネットSNS、パブリシティはマスメディア

これらのデータから、商品広告についてはインターネット(専門情報サイト)、SNSが有効であることと言えます。
特に昨今は、テレビをリアルタイムで閲覧しない生活者が増えており、無料の見逃しサイトなどの普及によって、その傾向は益々顕著になっていくと考えられます。

SNSは若年層女性で裾野が広がりつつあります。LINEやYouTubeにおいていかに広告リーチできるかが課題と考えられます。

一方のテレビ、新聞は信頼性の高さではまだインターネットに勝っています。報道番組や情報番組でのパブリシティは有効な施策であると考えられます。ネット記事、SNSとの連動によって効果は高まると考えます。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?