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(訪問看護ステーションあやめ宇都宮東のお話)
こんにちは、ブログ担当です
今回は開設から2年弱のあやめ宇都宮東の管理者さんに伺った、訪問看護をご利用してくださっていたある女性のお話しです。
◆ 一本の電話 ◆
ある日、あやめ宇都宮東に電話がありました。
「助けにきてくれますか」
「来てください」
という口数少ない電話でした。
お話ししていく中で、精神科に通院されていることも知ることが出来たので、すぐに対応が必要だと思い次の日にはその女性のご自宅に伺わせていただくことに。
どうやらインターネットで事業所のことを知り、精神科、訪問看護などで検索していたらしく、職場近くのあやめ宇都宮東が目にとまり、電話連絡をしてくれたようです。
◆ ご自宅へ ◆
翌日ご本人様の自宅に伺わせていただくと・・・
インターホンを押した際、出てはくれましたが、以降はずっとベッドの上で横になっているような状況。しっかり服を着ることが出来ていない様子やお家の中はごみが散乱されている状況、食事もろくにとれていなかったのではないかと思います。
お家の様子から衛生面も含め、生活が乱れていること、生活が出来ていないことが分かりました。
お話、声掛けをしても「うん」「はぁ」と返事はしていただけましたが芯が無いような感じでした。
具体的に何をしてほしいのかは言わず、とにかく
「来てください」「何日来てくれるのか」
といったことだけをおっしゃっていました。
家族について聞くと、
「家族には連絡してほしくない」
と。
その時に『もしかしたら家族的なヘルプが必要なのではないか』とふと考えました。
通院はされているとのことでしたので、その後すぐに通院先の病院に連絡し、相談。
主治医の先生に現在のご様子をお伝えしたところ、すぐに訪問看護に入ってもらいたいという話になり、訪問看護が開始となりました。
◆ 訪問看護開始 ◆
訪問開始時、ご本様はベッドからほとんど動けないような状態でした。
状態が少しいい時にだけコンビニ等にご飯を買いに行っていた様子。
開始時はまず、衛生面の整理からスタート。ベッドで横になっているご本人様の隣、目の前でお家の整理整頓をしながら日常生活的な声掛けをしていきました。
そういったことを続けて2週間後・・・
それまで天井を見ているだけで「うん」「はぁ」という生返事だけしかなかったのが自分の話をぽつりぽつりするようになり、会話にも答えてくれるように。
これまで返事がなかったことから、この女性は本当に辛かった、苦しかったのだとその時感じました。
症状はそれだけではありませんでした。
薬の過剰摂取やリストカットもありましたし、時には包丁を持ち出してくることも。
訪問看護開始時、【薬の管理についてはあやめが行うこと】でご本人様も了解していましたが、薬を飲むことで安心するからか
「薬を飲みたい」
と言って看護鞄をあさることもありました。
『お薬は必要以上には渡せない』
と伝えてもはじめのうちは先ほどのようなこともありましたが、段々と薬管理に関しては理解をしてくれました。
◆ 自身の話 ◆
訪問開始から三か月ほどしてから、身なりを整えられるようになってきたのが分かりました。
それに併せて自発的に話を、表現をしてくれるようになり
「おなかすいた」
という意思表示もありましたから、簡単なものではありますが料理を作りました。
【料理を作っている間、小さな子が母親に寄り添ってお話しする】
![](https://assets.st-note.com/img/1720058881401-wLqaRLXZIP.png?width=1200)
まるでそんな感じでその時お話してくれました。
嫌なことや、家族とうまくいってなかったこと
ある日仕事の最中にパニックを起こしてしまったようです。そのときに上司から「帰れ」という言葉を聞き、そこから動けなくなってしまった、と。
それをきっかけにお休みしてしまったこと、家族兄弟とも仲が良くなかったことも聞きました。
そのようにして訪問を続けていくうちに、今年の4月には仕事に戻ることが出来たようでしたが、訪問時に「(仕事が)苦しい」という話がありました。
苦しいことから逃げるように旅行に出かけることがあったそうですが、旅先で倒れてしまうこともありました。
そんな中、訪問中に
「家族と話し合ったほうがいいのかな」
と独り言のような、つぶやくような感じで発していたので、
「それもいいかもね」
と返しました。すると、
「いったん、実家に帰ろうかな」
とつぶやいていました。
◆ 感謝の電話 ◆
ある日、その利用者様のご家族様から電話をいただきました。
自分が電話に出たのですが、電話に出た私のことを「あやめ」さんという名前で認識されていたようです。
ご家族様からは
『実家に帰ってきたのだけど、勤務先とかで何があったのかを教えてくれない。
けれども前は笑わなかったし、家族としゃべることもなかったのが笑う姿を見るし、しゃべるし一緒にご飯を食べることになった。
きっと何かあったに違いないけども本人はなにもしゃべってくれない。
唯一「あやめが来ていた」とだけ話してくれて。
本人の荷物の中にあった領収書に【あやめ】とあったので電話した』
と、お話いただきました。
私のことを【あやめ】さんと思ったのもこのことからかもしれません。
去年秋から訪問看護をさせていただいたこの半年間のことをお伝えさせていただきました。すると、
「娘が苦しんでいた時に訪問してくださり、娘の命を繋いでくださり有難うございました。感謝致します。」
とお言葉をいただきました。
後日、ご本人様は今の場所から実家に戻られることになりました。
引っ越しの際には職員が同席。
ご家族様から
「こちら(ご家族様が住んでいる地域)に【あやめ】はありますか?」
と質問いただきましたが、その地域には無いことを伝えるととても残念そうでした。
そして「また連絡していいですか?」とお声掛けいただきました。
ご本人様が辛い生活をしていた時、誰かに助けてもらいたくて自分であやめ宇都宮東に連絡をくれた事がご本人様とご家族様を救うきっかけとなりました。
今回ご家族様と話しをした時に、改めてあやめが日本に必要であり、皆様に知って頂く必要があると感じました
あやめを知って頂く為にも今まで以上に一人でも多く苦しんでいる方を救える訪問ができればと思います
職員の皆にはご本人様に寄り添い手厚い支援をしてくださったこと、管理者として感謝しかありません。
◆ 訪問看護ステーションあやめ宇都宮東(連絡先)
〒321-0904
栃木県宇都宮市陽東3丁目22-20 あさひレジデンス202号室
Tel:028-678-8230
Fax:028-678-8260
※精神科、訪問看護については事業所にお気軽にご相談ください