【FaMil通信#73】自社ビル管理業務の悩みや疑問をシェア!担当者座談会(前編)
こんにちは!株式会社FaMilです。
日々さまざまなオフィスづくりをお手伝いしている私たち。今回は、自社ビルに拠点を持ち、管理業務を担っている担当者のみなさんに集まってもらいました。
オフィスの場所や社員数、業務内容などがまったく異なる場合でも、実は自社ビルならではの悩みは共通している…?! 担当者のリアルな声をご紹介します。
自社の状況について
FaMil 私たちが日ごろお付き合いのある企業さんは、各々さまざまな状況を抱えていていらっしゃいます。そうしたなかでも、似た環境下であれば共通点のある「悩み」や「課題」を抱えている場合も多いのではと思い、今日の対談を企画しました。他社の事例を参考にしたり、疑問やノウハウを共有したり、そんな情報交換の場にできればと思っています。
まずは自己紹介も兼ねて、物件の広さや管理体制について教えてください。
筒井さん 弊社は地下2階から地上3階の5フロア、全体で約1,500坪の広さです。社内で管理に携わっているのは今日参加している2名で、メンテナンスは東急ビルメンテナンスさんに依頼しています。
白井さん 同じくココネの白井です。去年の1月に入社して、ファシリティ案件やビルの設備保守、CADを使ったレイアウト作成などを担当しています。
髙木さん 弊社の本社ビルは面積で900坪程度、地下1階から地下2F~地上6F+屋上までの9フロアがあります。設立時から同じ管理会社へお願いしていますが、簡単な対応は自分たちで済ませている状況です。もう一棟、5フロアで70坪少々の会議棟ビルがあり、こちらは自社管理してます。
Oさん 弊社は事務所があるメイン棟と会議棟があり、4階建て約300坪の広さの規模です。ファシリティ担当は2名で、親会社が契約している管理会社さんがいるのですが、実質、私たちもほぼ自前で管理していると言っていい状態です。
築30、40年の古い建物で、電気系統がバラバラだったり、エレベーターがなかったりと大変な点はたくさんあります。増築も繰り返していて、いっそのことすべて建て替えられないかとも思うのですが、なかなかそうはいきませんよね。
FaMil Oさんの会社は、数年前に弊社でリニューアルを担当させていただきました。ヒアリングで実施した「社員アンケート」では、エレベーター設置の要望がかなりたくさんあったのを覚えています。そのほか、空調や雨漏りなどの悩みも持っていらっしゃいましたね。
管理会社について
髙木さん 自分たちの業務を手放しで、管理会社さんにすべてお任せするわけにはなかなかいかないと思うのですが、みなさん、どのあたりまで自社で対応していますか?
筒井さん 前職で東急コミュニティさんにお世話になったことがあり、その縁あって東急ビルメンテナンスさんにお願いしています。最初は少し不安もありましたが、清掃や設備のサポートをしてもらっていて、法定点検は一任している状況です。改修に関しては弊社で管理・対応していて、後日図面など詳細を共有しています。
髙木さん マンパワーが足りないという問題はよく聞きますよね。問い合わせをしても「今、人員が出払っちゃっていて」とか、よくあるケースです。放っておくわけにもいかず、結局自分でやることになるんですよね。トイレのつまりや電球の切れなど。依頼できる時はスポットでお願いしています。
Oさん 私たちは完全に自前で管理しています。まずは自分たちで対応し、ダメだったらようやく管理会社に連絡という感じで…。トイレの清掃や消防点検など一部の業務だけ外部に委託していますが、あとは自分たちです。依頼先がすべてバラバラなので、それだけでもやりとりが大変。また、契約先が規模の小さな会社さんの場合もあり、「人手が足りなくて今すぐは行けない」「手が空いたら行く」というケースもあって…。
FaMil 親会社など以前からの関係があると、不便があってもなかなかすぐには変えられないものですよね。
Oさん はい。困っています(笑)。
FaMil 管理会社を決めるにあたり、コンペを実施したんですか?
筒井さん はい。複数社に見積書を出してもらい、複数の要素を検討して決めました。
髙木さん 弊社は、ビルが建った約20年前にお願いしたときはいちばんビルから近かった管理会社さんだったのですが、先方が何度か移転されていて、今ではけっこう遠くになってしまいました。
FaMil 昔から勝手を知っているならなおさら、管理会社さんは変えにくいですよね。社内側でも担当者が変わることもありますし…。
髙木さん これまでの経緯をすべて把握できている人間が社内にいればいいのですが、なかなかねぇ…。
筒井さん・白井さん・Oさん うん、うん。
ビル設備の修繕と予算組み
Oさん 私どものビルは古いもので、何がいつ壊れるかわからない。思ってもみない修繕が必要になってしまい、年間予算をどんどん消化してしまい、本来したかった修繕ができなくなることもあります。みなさんは、修繕や設備更新の予算組みって、どうしていますか?
髙木さん Oさんの状況、すごくわかります。計画を立てて予算を取っていたら、全然違うところが壊れちゃう。丸ごと全部直すのも難しいし、なかなか計画どおりにはいかないものですよね。
筒井さん 弊社のビルはまだ築7年目なので大規模改修は不要ですが、グループ会社が運営している幼児園が自社ビルで、ビル管理会社に入ってもらって改修計画を立てているところです。基本的には昨年かかった予算を把握するようにしていて、それをベースに月ごとに見積りして予算を確保しています。
髙木さん 予備費がだんだんと目減りしていく。予算は青天井と言っても過言でない気がします。
筒井さん 「自社ビルあるある」ですね(笑)。
Oさん 私も、当初の計画では足りなくなって、慌てて追加予算の承認を得ることがあります。
筒井さん 弊社は建物の大規模修繕に強いコンサル会社に入ってもらいました。改修計画を立ててもらうなど、アドバイスをいただいています。
髙木さん コンサル会社、ぜひ検討したいですね。
Oさん 提案は頻繁にいただけるんですか?
筒井さん 現在はスポット的に、こちらからタイミングをみて依頼しています。
Oさん 興味あります。どれくらいの予算を取ればいいものか、ぜひ教えてもらいたい。
筒井さん 相談していると、段階的に改修することで予算が抑えられることもあるようで、必要に応じて予算を適切に決められるようになりました。その点では本当によかったと思います。
緑化維持の対策、どうしてる?
FaMil 賃貸ビルに入居している場合はそれほど意識しない緑化維持の対策ですが、みなさんどうしていますか?
筒井さん 弊社は屋上に敷地を設けています。移転にあたり、町内会に出向いてフェンスを立てることや敷地の使い方など、経緯を説明したこともありました。
Oさん 弊社の場合は、玄関先やベランダに植木があります。困っているのは害虫や近隣対策です。ご近所さんの敷地内に枝が伸びたり、強風で枝が折れて隣の家に入ったりすることもあるので、その度にお詫びに行くことに…。
髙木さん メンテナンスは造園会社さんに?
Oさん 年に1、2度、時期をみて連絡しています。ずっと状況をみてくれて、必要に応じてメンテナンスしてもらえるパートナーがいれば助かるんですけどね。
髙木さん 弊社も、年に2回ほどせん定してもらっています。気温と雨量で伸び方が変わるので、毎年決まった時期にというわけにいかず、けっこう大変で。せん定に来てもらう前にどうしても気になる場合は、仕方なく自分で。
筒井さん 弊社にも花壇があって、植物が伸びると白い看板を背景に非常に目立ってしまうため、年間でいつ頃メンテナンスに入ってもらうのがいいかを相談して維持してもらっています。
FaMil ココネさんとOさんの共通点として、住宅の管理に近いものがあるかもしれませんね。
Oさん そういえば弊社は、近隣住宅と自社ビルが密接していていることから、TVアンテナの電波障害が起こるかもしれないという事情で、弊社のビルからアンテナ線が引かれているご自宅があるんです。そうなると、作業の関係で停電する場合は「テレビの映りがわるくなるかもしれません」と必ずご挨拶に行かなければならず、ここも何とか解決したいところです…。
髙木さん そんなご苦労が! 弊社は、マンションに囲まれているので近隣住民との問題は避けられないですね。特に、夜遅くまで働き、朝も早い職種なので、過去にいろんなトラブルがありました。その都度きちんと対応して、社内にしっかりと通達するのですが…。なかなかゼロというわけにはいきません。
筒井さん 弊社も、老朽化で換気の騒音が起こり、ご迷惑をかけたことがありましたね。
自社ビルならではのメリットは?
FaMil お困りごとがある一方で、自社ビルならではのメリットもきっとたくさんあるのかなと思います。いかがでしょうか?
髙木さん 私たちは、オーディションや撮影などで声を出したり大きな音が出ることがあるので、その点は自社ビルで助かっています。いくら防音対策をしても、やはり音が響いてしまうんですよね。
Oさん 社内だと苦情は来ないんですか?
髙木さん 「泣き言」は届きます(笑)。社員には苦労を掛けてますね…。
Oさん 弊社は、使っていない駐車場スペースにコンテナを持って来て、荷物置き場にしたことがあります。プレハブを建てたり、ゴミ置き場をつくったりと、必要に応じて自由に空間を使えるのはありがたいですね。
白井さん 自社ビルだと、レイアウトの自由度が高いんですよね。
Oさん 他にも、間仕切りを壊して改修するなど、好きなタイミングでA工事を始められる、とか(笑)。
FaMil スピーディーかつフレキシブルに決断・変更できるのは自社ビルならではですね。パートナーさんが変わると工事の経緯もわからなくなるのは難点ですが。
Oさん 困るのは、過去の図面がちゃんと残っていないこと。配管の位置がわからないこともあるので、壊してみて「よかった、ここには何もないみたい」というケースもよくあります。
髙木さん 自社で改修していくと、デザインの統一感がなくなることってありませんか? そのタイミングごとに打ち出したいテーマが変わって、ガラッと気分一新したいよね、と手を入れて行くと一貫性を保つのが難しくて…。
Oさん 自社で改修していく良さは気軽に工事して、気軽に戻せる、ということでもありますね。
髙木さん あとは、元に戻すのにどれだけお金がかかるか、ですね(笑)。
白井さん スピード感は、賃貸テナントより断然早い。特にB工事が入ると、申請や許認可にかなり時間がかかるので、自社ビルだと圧倒的に早いと感じます。
FaMil 見積書が出てくるまでが、まず長いんですよね。
髙木さん 赤坂で借りているビルでは、壁にフックをつけるだけの了解取りで2週間以上かかりました。それを考えると、自社ビルっていうだけでメリットが大きいですね。他にも、気づいてないメリットがいっぱいあるのかもしれないですね。
次回、後編に続きます!