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EHR(電子健康記録)とEMR(電子医療記録)の概要や違いについて〜医療情報のネットワークも含め〜

こんにちは!
札場(フダバ)と申します。
いつも記事を拝見いただきありがとうございます。


今回は、EHR(電子健康記録)とEMR(電子医療記録)について説明していきます。


前回まではPHR(個人健康記録)について説明してきました。PHRも関係がある医療分野における情報共有の分野では、『EHR』『EMR』『PHR』という用語が用いられることもあります。


本記事では、医療分野における情報共有、『EHR(電子健康記録)』と『EMR(電子医療記録)』の概要や関係性をお伝えしていきます。
それではどうぞ!!


政府が進める医療・介護・健康分野の情報化

現在、日本政府全体で、レセプトに基づく薬剤情報や特定健診情報といった患者の保健医療情報を、患者本人や全国の医療機関等で確認できる仕組みの構築に向けた取組が行われています。

上記の流れもあり、『EHR』『EMR』『PHR』を理解することで、国が構想している医療・介護・健康分野の情報連携基盤の構築に向けた取組が理解しやすくなります。


『EHR』、『EMR』、『PHR』はどう違うのか?

まずはじめに、概要の整理をしていたいと思います。


EHR(電子健康記録)、EMR(電子医療記録)、PHR(個人健康記録)は、いずれも患者の医療データという点では同じですが、活用方法やデータの共有範囲、管理主体に違いがあります。


近年、医療分野におけるICT(情報通信技術)の活用が進む中で、個人の医療データをまとめた『EHR(電子健康記録)』が注目されています。記事を通じ、類似している『EHR』『EMR』『PHR』の理解を深めることができればと思います。

以下では、それぞれを詳しく説明していきます。



PHR(個人健康記録)はこちらの記事で説明していますので、気になる方はご確認お願いします。



EHR(電子健康記録)とは

EHR(電子健康記録:Electronic Health Record)は個人の一生涯の”健康・医療・介護に関する情報”を電子的に記録・蓄積し、その情報を各医療機関の間で共有・活用する仕組みのことを指します。


またEHRは、『医療情報連携ネットワーク』とも言われれており、医療情報共有(連携)をスムーズに行うことを目的としています。


後に説明するEMR(電子医療記録)の延長としての生涯型電子カルテ(広義の電子カルテ)になります。

EHRには、バイタルサイン、過去の病歴、診断、経過記録、投薬、アレルギー、検査データ、予防接種日、画像レポートが含まれます。この情報は、組織の敷地外にも移動できます。


EHRとPHRの関係性

以前の記事で説明したPHR(個人健康記録:Personal Health Recordの略)とEHR(電子健康記録)の関係性の補足になります。『EHR』システムは、『PHR』を使用し患者が主体となってネットワークを活用して、自らの患者データを管理するシステムのことです。自身のケータイ等で、個人の健康データを確認できる仕組みになります。『EHR』と『PHR』は、データを管理する主語に違いがあります。

PHRのイメージ画像
弊社(ALTURA)提供のPHR



EMR(電子医療記録)とは

EMR(電子医療記録:Electronic Medical Record)は、電子カルテシステムを中心とした医療機関内部の情報システムに蓄積された診療情報を指します。いわゆる院内で使用することを目的とした電子カルテシステムのことです。

政府が導入率の目標を掲げるなど普及の後押しをしていることもあり広まってきました。


EHRとEMRの違いや関係性

EMR(電子医療記録)は個々の院内での情報共有のために使用する電子カルテであり、EHR(電子健康記録)は複数の医療機関や保険薬局等で情報共有を行うネットワークになります。
PHR (個人健康記録)は患者個人レベルに落とし込んだ医療データになります。

以下は『EHR』『EMR』『PHR』の関係性になります。

引用:官民PHR事業の進展状況と 将来的なEMR/EHRとの連携について
KDDI株式会社(https://mobile.tokyo.med.or.jp/pdf/20220312/02.pdf)


今後は、医療情報を院内だけでなく、外部にも情報共有する仕組みが重要です。


今後の世間の流れ

『医療連携ネットワーク』を構築するために総務省は「クラウド型EHR」の整備を進めています。クラウド技術を活用してシステムやサーバーなどの保守・管理を外部に委託することで、低コストでEHRシステムを利用することが可能になり、病院や中小規模の診療所や薬局、介護施設などまで含めたEHRネットワークの拡大を目指しています。

引用:総務省_総務省ホームページ
https://www.soumu.go.jp/menu_seisaku/ictseisaku/ictriyou/iryou_kaigo_kenkou.html

国を挙げてクラウド型EHRの整備に取り組むことで、日本においても今後はEHRが普及する可能性が高まっています。



PHRの活用に関しては、以下の記事にまとめております。


まとめ

今回は、『EHR(電子健康記録)(医療情報連携ネットワーク)』に焦点を当て、「EMR(電子医療記録)」や「PHR(個人健康記録)」との違いや、今後の世間の方向性についても説明しました。

今後も医療介護分野やヘルスケア分野においては、様々な取り組みが実施されていきます。
その中でも、医療情報ネットワークは重要になってくるかと思います。

個人でも医療・介護・健康データを活用し、より良い体験ができることを期待したいですね。



弊社ALTURAは、健康診断を起点に医療体験の向上を目指しております。『健診結果web参照PHRアプリ』『健診システム』の提供をおこなっておりますので、気になる施設様や担当者様はお気軽にご連絡ください。

札場
Tel:06-6123-8162
Email:m.fudaba@altura.co.jp



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