#28_Aphex Twin 礼賛

「#1_What I think "MIX" is-MIXとは」

で触れたように、私はClub Music、特にProgressive Houseというジャンルが好きなのですが、その周辺のTechnoやHouseにも目配りはしています。しかし、そのようなジャンルの枠を超えて、自分にとって特別な存在は、Aphex Twin です。

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Aphex Twin の代表的な作品といえば、上記のジャケット写真が有名な「Richard D. James Album」(1996)ですが、これをはじめて聴いたのは、学生のころ、音楽好きの友人の家でした。冒頭の「4」というトラックをはじめて聴いたときの、言いしれない思いは、今でも大切な思い出になっています。そして、「To Cure a Weakling Child」「Girl/Boy Song(NLS mix)」の美しいメロディー、深い抒情性は、それからしばらく私をAphex Twin漬けにするのに十分なものでした。

何がそうさせるのか。それは、「#18_タルコフスキー、まだ見ぬものへの郷愁(ノスタルジア)」

で書いたのと同じように、時代も場所も異なるけれども、それはたしかに自分自身も経験しているというノスタルジアなのではないかと感じています。Aphex Twin の名言の一つに、「僕の音楽は不思議だといわれているけれど、そんなことはない。誰もが気付かずに使っているルールで音楽にしただけなんだ」というものがありますが、「誰もが気付かずに使っているルール」の存在は、時代や場所を超越した、普遍的な何かの存在をさし示しているように思います。Aphex Twinのトラックを聴くときに湧きあがるこの感情は、おそらく、感じる人には同じように、何のborderもなく感じられているのでしょう。

Aphex Twinについてはいくらでも書くことがありますが、ひとまずこれぐらいにして、最近知ったニュースをお伝えします。

Aphex Twinの別名義「Polygon Window」による名盤「Surfing On Sine Waves」の完全盤が、12月4日にWarpから出るようです。当然のようにシングル盤「Quoth」も持っている私としては、知らない曲があるわけでもないのですが、おそらく買ってしまうのでしょうね…

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