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皇室のみやび、再び。第2期: 近代皇室を彩る技と美@皇居三の丸尚蔵館

  この2期はスキップしようと思っていたのですが、他の人の感想を見ていたら、見に行きたい気持ちがむくむくと。日時指定が取れたら・・・と思ったら意外と空いていたので、2024.02.25にそそっと鑑賞へ。皆さん、皇室のお宝だと古いものを期待しちゃうのか?(私がそうなだけか)

  第1期のように、教科書で見たぞ、というようなわかりやすい逸品はありませんでしたが、近代工芸の粋が集まっていて、工芸品好きだったら見応えはあります。第一章は、身近に愛用された品々という感じ。

第一章 天皇皇后ゆかりの品々(明治・大正・昭和)

掌サイズの瑪瑙の「金魚」(明治時代)
「鵞鳥卵蒔絵盃」(明治時代)本物の卵に蒔絵してあるという・・・
本物の珊瑚を使って作られた「赤枝珊瑚樹置物」(明治時代)。玉砂利も可愛い。
プリカジュールの技法で作られたブローチ。透き通ったエナメルが繊細で美しい。
1971年に国賓として来日したサウジアラビア国王から香淳皇后への贈り物。どっしりずっしりとしたサファイア、ダイヤモンド、ゴールドの宝飾が何とも中東らしい。

第二章 皇室の慶祝と宮殿を彩った調度

  第二章は逆に、宮殿で飾られたものが集まっているため、大物(サイズが大きい)が集合。しかし、実際に宮殿に飾られていた写真と一緒に展示されていたのですが、写真で見ると宮殿に置かれると存在感が普通の置物になっている・・・派手な柄でも全く問題なし。

小さそうに見えますが、決して小さくない・・・
これも小さそうに見えますが、決して小さくない・・・どーんとしたサイズです
コバルトブルーとピンクのビビッドで大きな花瓶。


  そして、今回、フライヤー等でも紹介されていた横山大観の富士山。これは外せない。王道!大観の富士山は文字通り山ほどありますが、この大画面(美術館の壁一面分)と「日本の霊峰だぜ」という厳かな雰囲気に負けない自宅は皇居しかないな、と思わせる威厳。超直球。

横山大観「日出処日本」

  もう1つが重要文化財指定の海野勝珉「蘭陵王置物」。衣装の文様にうっとり。頭上の龍?鳳凰?も、ちまっと鎮座していてお気に入り。当日は来館者アンケートをやっており、回答したらこのハガキもらっちゃいました。

海野勝珉「蘭陵王置物」。ズボンのふっくら感と柄も良い。

  この「蘭陵王置物」は、逆に想像より小さく、身長30~50センチくらい?周囲にあるものが大きいから縮尺の感覚がちょっと麻痺して間違っていそう・・・これがとても繊細で感動。お面も外れるようになっており、その下にはちゃんと人の顔があるとは知らなかったです。

ご丁寧に素顔の写真あり
この超絶技巧を見よ!目ヂカラが!
ついでに後ろ姿も見よ!頭からの布の繊細な金蒔絵と固い勤続とは思えない流れる布帯

  ということで、思った以上にしっかり楽しめました。古い国宝モノを期待するとちょっとハズレに感じそうですが、巨匠達が、普段の作品よりも「宮殿用」だけに大作かつ「ハレの日」的に作っているものを鑑賞すると思うと面白い。何というか・・・優等生な作品が揃ってます。さて、もうすぐ第3期が始まるからこれも行かねば。

第3期:「近世の御所を飾った品々」
 令和6年(2024)3月12日(火)~5月12日(日)  

展覧会サイトより抜粋

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