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TwitterのコミュニティノートをBing AIに自動生成させてみた

広義のコミュニティノート的な検証機能自体はあって然るべきだが、現状、コミュニティノートのフォーマット自体がそれを信じることをアフォードしている点は興味深い。
コミュニティノートのコミュニティノートがあればよいのかもしれないが、さて・・・。

例えば、このtweet。

これに否定的なコミュニティノート(っぽい文章)をbing AIに生成させてみると次のようになる。

このニュースは、世界気象機関(WMO)が発表した報告書の内容を正確に伝えていません。WMOは、気候変動の影響に関する年次報告書を2022年4月に発表しましたが、その中で「気候変動対策『すでに敗北』」という言葉は使っていません。むしろ、WMOは、気候変動の軽減と適応のために「迅速で集団的な行動」が必要であると強調しています。
また、このニュースは、世界の氷河が「昨年」劇的なペースで融解したと書いていますが、これも誤りです。
WMOの報告書は、2000年から2019年までの20年間における氷河の融解の状況を分析しており、2020年や2021年のデータは含まれていません。実際には、2020年は新型コロナウイルスの影響で多くの氷河観測が中断されたため、氷河の融解のペースを正確に把握することは困難です。
したがって、このニュースは、WMOの報告書を歪めて伝えており、信頼できる情報源とは言えません。気候変動に関する正しい知識を得るためには、WMOやIPCCなどの公的機関の公式サイトを参照することをお勧めします。

https://public.wmo.int/en/our-mandate/climate/wmo-statement-state-of-global-climate

https://library.wmo.int/doc_num.php?explnum_id=10618

https://library.wmo.int/doc_num.php?explnum_id=10444

https://www.weforum.org/agenda/2021/05/melting-glaciers-sea-level-rise-climate-change-global-warming/

何やらもっともらしい検証コメントが生成された。

検証は重要だが、一見検証っぽいものは簡単に生成できる。従って検証が本当に検証なのかどうかを検証しなければならないことになる。コミュニティノートには一応事前評価に依るフィルタリング機能がついていて、一定評価以上のものしか表示されないようになってはいるが、こういった一見もっともらしい記述を適切に評価するだけの機能を果たしているのか疑わしい。
ましてや第三者に検証を求めているエンドユーザーに至っては、そもそも彼ら彼女らがそういった検証の手間を省いてほしいというニーズを持っているからこういった機能が実装されたわけであり、彼ら彼女ら自身に「検証の検証」を求めるのは無理筋だろう。


※厳密に言うと本件に関してはbingAIはどうやら2023年を2022年と勘違いしているようなのだが、そこを修正しても恐らく似たような印象を与える検証コメントを生成することは可能だろうし、このままでも十分相当割合のユーザーにこのニュースの信憑性を疑わせるような印象を与えることができるだろう。

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