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昔といっても4年前だけど

(4年前にFBに書いたものを読み返してしみじみしたのでここに載せておきます)

最近は一人で眠れるようになったアカルくんだが、今度は母がさみしくなってたまに狭いベッドにもぐりこんで無理やり日本語の本を読んで聞かせている。

私と一緒に眠るときはいつも「マイ・キッズ」と呼んでいる4つのぬいぐるみを間に並べてひとりひとりにちゃんと毛布をかけてあげるアカルくんなのだが、たまにぬいぐるみを撫でながら"I'm gonna miss these guys when I grow up(大きくなったらこの子たちのことが恋しくなっちゃうだろうな)"とつぶやくことがある。アカルは自分がいつまでも子どもでいられないことを知ってるのだ。

心は永遠の子どもである私は「他人の言うことなんか気にしなくていいよ。好きなものは好きでキープしておけばいいんだから。」と声を大にして叫ぶのだが、"Everybody is gonna laugh at me!(みんなから笑われちゃうよ)"となかなかもっともな意見を言って手で溢れる涙を抑えておられる。子どもも大変な世の中なのだ。「一緒に寝ることがなくなっても誰にも捨てさせたりしないで箱の中に入れて取っておけばいいよ。でもちゃんと自分で引っ越しのたびに持っていくようにしないとすぐになくなっちゃうからね」と私は自戒をこめて言った。

「年を取った時に見つけると、そういうのは宝物になるよ。私なんて全部なくなったり捨てられたりして何にも残ってないんだから。本だっていっぱい持ってたのに全部捨てられて(自分が大量に実家に放ったらかしにしておいたせいだけど)、写真だってアルバムだってほとんどない。自分の小さいころの写真も、お母さんの写真だって2~3枚しか持ってないし。」

「僕はおばあちゃんの写真は1枚しか見たことない」

「玄関に飾ってあるやつ?」

「うん。でもそれはおばあちゃんの写真じゃなくて”おばあちゃん”だけどね!"It's not her picture but it IS her!(注:私たちは英語で話しています)"」

ん?

「おばあちゃんの写真を1枚しか見たことないっていうのは、あのアルター(仏壇)にある写真のこと?」

「そう。でも"That is HER, not a picture"」

「あ、そう。」

なんかすごいことを聞いてしまった気がするけど、そこは親の威厳を保つために何も言わなかった。最近はテレビばっかり見てダラダラして、話しかけても返事しなかったり、私の中ではマイナス点がついてたアカルくんだったが、ここでぐいっと心の成績表を押し上げて天才ぶりを見せてくれたのだった。

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