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種子島のはなし

種子島には鹿児島を経由しないと行けない。
簡単な観光マップにはちゃんとした位置にも載ってないし、島の形すらないこともある。

ネットに載っていた九州の地図

私たちは奄美大島から行くので船と飛行機のどっちで行こうか考えていたが、奄美大島と種子島の距離がわかる地図を探すのにしばし時間を要してしまった。本当はフェリーで行きたかったが時間もないので奄美から飛行機で鹿児島空港に行き、それから空港リムジンバスで鹿児島港に行き(遠い)、高速船トッピーに乗ってようやく種子島の西之表港に着いた。

*トッピーは早いが乗車券がとても高いので、3時間半の乗船ですがフェリーわかさをお勧めします。私はトッピーしかないと思い込んでいたので失敗。便が少ないので事前に調べること。

雲がかかっていたけれどいつ見ても雄大な桜島。
鹿児島空港でバスを待つ
このクソ暑い日に熱い足湯に浸かってるのはニューヨーク組の女2人だけ🤣
こうして見ると鹿児島県は広い!

到着して港から徒歩5分の素泊まり民宿あづま家へ。こういう国民宿舎っぽいところはとても久しぶり。今回の種子島滞在は新しい航空自衛隊基地の建設が検討されている馬毛島見学が目的で、漁船をチャーターして周回してもらうことになっている。最初はニューヨークから私と秀子さん、そして沖縄から小野寺さんの3人だけだったが、他にも行きたいと3人が加わり合計6人、案内をしてくれる種子島在住の和田夫妻も入れて、10人乗りのハイエースを借りていつの間にか大所帯でレッツゴーということになった。

おじゃり申せ(いらっしゃいませ)
種子島では京都みたいに「おおきに」という言葉も使われる。
港でレンタカーを借りる

着いたその日は奄美大島から鹿児島経由での移動日だったので、種子島に着いた時には体もぐったり。前夜から来ていた人たちも含めた他の3人と無事合流して、和田さん夫妻が予約してくれた居酒屋でまずは乾杯。奄美でぶっ倒れた経験から私は烏龍茶で(^◇^)。美味しいお刺身に舌鼓を打つ。もう一人地元の市民団体の方もいらして島の状況を説明してもらった。

資料館で見たマゲシカの剥製。小さくてかわいい。

馬毛島(まげしま)は無人島ということで周りに迷惑がかからないようなイメージがあるかもしれないが、実は種子島から約12〜13キロしか離れていない。馬毛島で想定されているのは主にFCLP訓練、米軍の空母艦載機の着陸訓練のこと。つまり陸上の滑走路を空母の甲板に見立てて連続離着陸(タッチアンドゴー)の訓練だ。空母艦載機(会場に浮かぶでっかい空母に乗せられた多数の戦闘機のこと)のパイロットが空母出航前に必要とする重要な訓練となっているらしい。短い間隔で離着陸を繰り返すため、他に比類のない騒音を発生させるそう。

戦闘機の音を聞いたことがある人にはわかると思うけど、12キロくらい離れていてもその騒音はすごいものになるはず。時間は朝10時から深夜3時!

そして忘れてはならないのが、米軍は日本の国内法に関係なく好き放題に軍事活動ができるということ。現行の日米地位協定で日本政府は米軍を規制することができない。知ってました?

最初に計画として盛り込まれていること以上のことが通告なく行われるのは必至だと思います。米軍の訓練だけでなく、岩国などの自衛隊基地からも同じような訓練をするために馬毛島を使おうとする可能性も大いにある。

馬毛島と種子島は兄弟のような島で人々は頻繁に行き来をしていたそう。とびうお漁の拠点となっていた。多い時には500人もの島民がいたという。

人口の減少が進む中、昭和50年ごろから民間企業などによる開発が浮上。昭和55年には最後の島民が島を離れ馬毛島は無人島になりました。
NHKかごしま放送局 かごしまWEB特集「私たちの馬毛島」より↓

しかも土地を買収した民間企業は森林法などの違反を犯して勝手に乱開発した疑惑があり、政府はそのことを知りながら民有地を評価額の8倍くらいの額で民有地を買収したということ。民有地を買収して米軍に訓練場所を提供する基地を作るのは戦後初の事例だそうです。

種子島には行きにくいところにあるのでなかなか情報が外に出回らない。みなさんもぜひ種子島を訪れてみてください。鉄砲伝来の地として知られる島には、歴史館や宇宙センターの他にも美しい海、マングローブ、キャンプ場など楽しめるところが満載です!

どことなく武士っぽい(?)種子島の言葉
コンビニで包丁とハサミが売られていた。鉄を打つ技術に歴史がある種子島。


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