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オリンピックパラリンピックを、学生、みんなで 学生団体おりがみ代表 都築則彦さん

多くの人を巻き込みながら、繊細な感性で今を全力で駆け抜けている学生団体おりがみ代表 都築則彦さんにお話を伺いました。

プロフィール
お名前:都築則彦(つづき のりひこ)
出身地:千葉県
活動地域:首都圏を中心に全国
経歴:千葉大学大学院生。大学1年の時に、“オリンピック・パラリンピックをくせいんなで盛り上げよう”という「学生団体おりがみ」を設立し、勉強会やイベントの企画・運営等を展開。現在40大学約210人を率いる全体代表として活躍中。また、全国ボランティアフォーラムの代表として、ボランティア文化の啓蒙・創出に精力的に取り組んでいる。
2017年 千葉市大学市長賞受賞
メディア出演
フジテレビ 「プライムニュース イブニング」
小島よしお オフィシャルブログ「コジログ~おっぱっぴーな日々」
毎日新聞  「ひと・ちば」
NHK 「東京2020 フロントランナー」 その他多数

2020年までと2020年以降の夢があります!
Q1:都築さんの夢を聞かせてください

都築 2つあります。1つは、2020年までの夢。2020年が終わった時に、世界中の人たちから、「東京オリンピック・パラリンピックをやって良かったね!」と言ってもらえる大会にしていきたいです。
2020という数字を浮かべた時に、選手だけではなく、あの時関わったよね、こんな人が活躍したよね、と、時代の大きな節目に関わった感じをたくさんの人と共有して、“人”がみんなの記憶に刻まれる大会にする!というのが僕にとってのやってよかったと思えるオリンピックですし、僕の夢です。

2020年以降は、ボランティアはおもしろい!かっこいい!という文化を創っていきたいです。ボランティアという言葉の所以には、自由な意志という意味があります。自分の意志で何か放っておけないものに取り組むのがボランティア。この文化を広めていきたいし、自分もそうありたいと思っています。
それを、オリンピック・パラリンピックをきっかけにしていきたいし、終わった後も続けていきたいと思います。僕にとっては、ボランティア文化を根付かせるためのオリンピック・パラリンピックです。

記者
 熱い思いが伝わってきます!

意志を受け継ぎました!
Q2:夢に向かって、どのような取り組みをされていますか?

都築 オリンピック・パラリンピックのボランティアというと、上から与えられた枠の中で行うと考えがちです。しかし、そうではなくて、「自分はこれがしたいんだ」という人たちがふつふつとでてくれば、もっと生き生きとしたボランティアのイメージに変わっていくと思います。

学生団体おりがみは、そんなボランティアのイメージの転換に対して、重要な役割を担っています。2018年12月の会議では、全部で6テーマの分科会に分かれてオリンピック・パラリンピックで何ができるかということを語り尽くす企画をしました。また、それぞれがアイデアを出して、2020年に必ず溢れでる「本当は関わりたかった人々」への受け皿の準備を進めています。

ボランティアについては、学生ボランティアフォーラムというイベントが僕にとって重要なポイントでした。これは、僕のボランティアの恩師が音頭をとって、全国の学生を集めて始めたイベントです。残念なことに2018年に終わってしまったのですが、それを引き継ぐ形で、僕が学生主体で取り組んでいます!さっそく第1回を2019年3月に開催しました。

他にも僕たちが全国を回りながら、その土地のボランティアのおもしろさを発掘していって情報サイトとしてまとめる企画を考えています。そこで出会ったボランティアたちと、全国学生ボランティアフォーラムで再会する形になると素敵だなと思っています。

僕はボランティアの文化を創りたいという人たちから意志を受け継いだので、自分がその意志をしっかり持って取り組んでいきたいと思っています。

放っておけないことに懸命に取り組む!
Q3:夢を描くようになったきっかけや背景を教えてください。

都築 オリンピック・パラリンピックについては、大学に入学して自分が熱中できるものを探すなかでヒットしました。
ネガティブキャンペーンと思えるものがある中で、だったら逆にやって良かった!という大会にするにはどうしたらいいか、ということが僕にとって新鮮かつ重要で、取り組むきっかけとなりました。

記者 なぜボランティアなのですか?
都築 ボランティアの先人達との出会いが大きいです。その方々は、国際問題や、地域課題の最前線でご活躍されているのですが、それまで僕が思っていたボランティアのイメージが大きく覆された、衝撃の出会いでした!
彼らは、放っておけない何かがそこにあって、そこに立ち向かい、意志を持って目の前や世の中にある問題に一所懸命に取り組んでいました。
印象に残っている話として、例えば、70年代に東京世田谷区で住宅がどんどん建っていく中で子どもの遊ぶ空き地がなくなっていったのですが、その時に行政はすごく安全に配慮した公園を作ったそうです。でも子どもにとっては、整備された公園より、空き地の方がワクワクするんですよね。
そこで、危ないこともいっぱいあるかもしれないけれど、木登りもできる“自分の責任で自由に遊ぶ”公園を作ったそうです。

他にもいろいろ聞かせてくれたのですが、目の前の利益に必死になっている人たちと比べて、なんてかっこいいんだろう、と憧れました!

あとは、弟が吃音症という障害を持っているのですが、彼はそのことをずっとコンプレックスに思っていました。
ですが、彼がボランティアに出会った時、できないことは支え合うという文化に触れて、そこからどんどん自信をつけていったんです。最終的にはボランティアリーダーもして、うまく話せないことが彼の個性に変わったんですよね。

支え合いの空間とか、自由な意志で動いていく空間というものに出会ったときに、人はすごく成長する。そこに僕はボランティアの可能性を感じるし、いいな!と。

それから、ボランティア精神というところでは、たぶん血筋もありますね。
僕の家はけっして裕福ではなく、みんな助け合って頑張って生きようという精神が、両親も祖父母も曽祖父母も強いんです。義理人情の人たちで、暖かい家族です。家族は誇りですね。いい家に生まれたと思っています。

自分の皮が破られていく
Q4:取り組むなかで、どんな変化がありましたか?

都築 僕は世界で活躍する宇宙物理学者になりたいと思って大学に入って、入ってからもがんばって勉強していたのですが、よくよく考えたら、こんなに勉強する意味ってなんだろうとか、そんなに宇宙好きだっけ?となって、大学1−2年でする予習を全部終わらせて、いろいろなことに手を出してきました。
その中で、オリンピックやボランティアとの出会いがありました。
オリンピック・パラリンピックは、行政も企業も学生もみんなが初心者で、みんなno ideaだったから、学生が提案したことに対して、「いいね、それおもしろいからやってみよう」となるわけです。フロンティアがそこにあって、どんどん世界が広がる感じが僕にとって最高に楽しかったです。

当時取り組んでいたゴミ拾いやスポーツイベントでのボランティアでは、企業の偉い人から地域の子どもやおじいちゃん・おばあちゃんまでが集って、みんなが一つの家族みたいな感じがありました。いろいろな専門分野の人もいて、そういう各領域に横串をさすというか、領域を超えた人たちがチームになって取り組んだ時に、自分の皮が破られていく経験ができました。

自由意志で活動する人が輝く社会を!
Q5:どんな美しい時代を創っていきたいですか?

都築 僕が創りたい世界は、自由な意志で活動する人が輝く社会です。
これからの社会を考えた時に、社会保障の問題から格差が広がっていくことが想定される中で、そういう格差とか階級というものを繋ぐところにボランテイアがあると思っています。
どんな人でも対等に一緒に取り組めることがボランテイアの魅力ですし、格差も含めて地域社会の問題解決に対応できるのもボランテイアの強みですね。

自分の意志でものを観て行動していく生き方というのは、これから先の日本や世界にとって重要だと思っています。そういう市民社会というものは、これから先どんどん注目されていくはずです。

付け加えると、自由な意志を育むには教育が必要だと思っています。たくさんある選択肢の中から何を掴み取るのかという決断をくだすのは、やはり教育の力というのが大きい。

今、予備校で講師もしているのですが、みんないろいろ抱えていますね、高校生は。放っておけないと僕が感じるテーマはたくさんあります。教育も、どんな形かはわからないですが、取り組んでいきたいと思っています!

自分の感情の揺れを大切にしてください!
Q6:同じ時代を生きる若者に向けてメッセージをいただけますか?

都築 今の時代って、自分は何をすればいいのか、何が好きなのか、が見えにくくて、真っ暗な中を行き方もわからずに歩いている感じがありますよね。そういう時に自分がしたいことをどう見つけていくのか?
僕のそれに対するアンサーは、自分の感情の揺れを大切にしてください、ということ。自分の感情が揺れる瞬間、この時に自分は怒った、この時に自分は嬉しいと思った楽しいと思った、その積み重ねが自分にとっての財産になります。
自分の感情の揺れというのをしっかりと記憶して、それを結んでいくということが大切だと思っています。

僕の場合、自分は宇宙が好きだと思っていたのですが、取り組んでいるうちに揺れが生じてきました。そして、そこに向かいあっていく中で、もっと好きになれて夢中になれること見つけられました。
そういうことを繰り返していくうちに、だんだんやりたいことに近づいていっている感覚があります。僕自身もまだ模索中ではありますが。
人が成長していく瞬間というのは、感情が揺れた瞬間だと思っていて、そこに僕は感動するんです。

記者 ありがとうございました!

**********************************都築則彦さんの情報はこちら↓↓

◼︎Face Book
https://www.facebook.com/norihiko.tsuduki

◼︎学生団体 おりがみ
https://origami-tokyo.com
※多数取り上げられているメディア掲載情報もこちらにあります!

◼︎学生ボランティアフォーラム
https://www.facebook.com/s.volunteer.forum/

【編集後記】
今回、インタビューを担当した、石塚、岸本、森本です。
熱く、エネルギッシュな都築さんの発信に、心を奪われたインタビューでした。
都築さんの放っておけない意志は、未来を切り開く力を包含しているもの。
2020年までそして2020年以降のご活躍で、自由な意志による素晴らしい社会が訪れそうでとても楽しみです!期待し、応援しています!!

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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。


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