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酷暑、渇水、高水温、イワナは……

#61|フライフィッシング/FlyFishing 
2023年8月13日(日)/新潟県上越地方/午前10時過ぎ~午後2時過ぎ  水温20℃

気候変動がとにかく激しい昨今。春夏秋冬、異常気象という言葉を聞かない日はない。大雨による河川の氾濫がニュースになったかと思えば、連日の日照りによる水不足が深刻な地域もある。

渇水で今にも枯れそうな流れ

ここ新潟県上越地方も異常な天候に振り回されている。この夏でいえば、特筆すべきは渇水、水不足。7月21日の梅雨明け以降、雨が降っていない。いつ天気予報を見ても向こう一週間は晴れマーク。加えて、酷暑日に迫る連日の猛暑日。最高気温は全国トップクラスと38~39度があたりまえ。そりゃ水も枯れそうになるわけ。

釣り人は、こんな時も川の状況が気になって仕方ない。水位が下がっているのは言わずもがな。雨の降らない乾ききった渓相のなか、イワナの活性はいかに。そんな妄想を膨らませるうちに、雨の降らない1週間がまた過ぎてしまった。そわそわ。

高原のブナ林

待望の雨が期待される台風7号の進撃を前に、下界のうだるような暑さを避けてやって来たのは、標高高めの山筋を流れる本流。普段は水量が多くて近寄りがたい太い流れだが、この渇水でひょっとして?そんな目論見で足を向けてみた。山の上も日照りは強いものの、下界との気温差は10度と爽快だ。

渇水で淀む流れ

緑の回廊を抜け川辺に下りると……この川も水が少ない。カレントに勢いがなく、全体的に目立つ淀み。水温は20度と高く、川底にはヌルヌルのコケがびっしり。こんな状況で魚は出てくれるのだろうか?上流には先行者のルアーマンの姿。釣り始める前から少々弱気。

魚影は決して濃くないものの、毛鉤に反応を示す魚は意外と良型のようで、テンションが上向いてきた。警戒心は強めながら、釣り始めてすぐに28センチのイワナが釣れた。

その後も、ほどよい流れの効いた瀬で、27センチ前後の良型が飛び出してくれたが、川底のコケや水際のゴミを目の当たりにし、気分爽快と言える状況ではなかった。

渇水が影響してか、緩やかな巻き返しというよりは、水量のある瀬の周りに魚がついていたよう。その後、しばらく当たりが遠ざかったものの、我慢の時間を釣りあがると、目の前に現れたのは山水が流れ込む白泡の立ったインレット。上流側に先回りし、ダウンクロスで白泡脇にフライを落とすと……尺越えが毛鉤に飛びついた。

イワナ 31センチ

深場へ、深場へと抵抗し、ガンガンロッドを曲げてくれた暴れイワナ。体高があるイワナの引きの強さは、一味も二味も違う。猛暑で日焼けしたかのような、ブロンズ光りした勇ましい魚体に見とれた。

過酷な環境でも力強く生きているイワナの姿を目の当たりすることができ安堵。やっと周りの自然環境にも目を向ける余裕が出てきた。

オオシラヒゲソウ
秋の気配?ツリフネソウ
繁殖する外来種 オオハンゴンソウ
ソバナ

水辺の花々も潤いに飢えているようだ。雨乞い、雨乞い、山渓の潤滑油となる“ひと雨”がほしい。暑さ和らぐ秋にむけて、ただただ願うばかりだ。


FF.BUM(エフエフドットバム)
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Profile
1979年生まれ。2007年に新潟県上越地方に移住。自由と孤独を愛する西洋式毛鉤(フライフィッシング)釣師。いかにして豊かな人生を歩むか、模索の日々を邁進中。

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