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目標15.陸の豊かさも守ろう[40歳からのSDGs]

目標15は陸について。森林、砂漠化、生物多様性を中心に陸の環境を知ること、守るためにどうするのかが語られています。ここでは語られていませんが、気候変動による大型の山火事も陸の環境に多大な被害を及ぼしています。私たちが取組べき内容はなんなのか、まとめました。

ポイント

・地球の表面積の37%を覆う森林は、気候変動、食料の安定確保と住処の提供のほか、生物多様性のゆりかごとなり、先住民の居住地の保護にも鍵を握る役割を果たしています。

・毎年1,300万ヘクタールの森林が失われる一方で、乾燥地の劣化が続いていることにより36億ヘクタールが砂漠化している。生物多様性はリスクにさらされており、人間活動と気候変動に起因する森林破壊と砂漠化は、持続可能な開発に大きな課題を突き付けており、貧困と闘う人々の生活と生計にも影響を及ぼしている。

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以下、国連の声明をまとめます。のちほど。

「目標15.森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る。」

地球の表面積の30.7%を覆う森林は、食料の安定確保と住処の提供のほか、気候変動との闘いや、生物多様性と先住民の居住地の保護にも鍵を握る役割を果たします。私たちは森林を保護することにより、天然資源の管理を強化し、土地生産性を高めることもできます。

現在、毎年1,300万ヘクタールの森林が失われる一方で、乾燥地の劣化が続いていることにより36億ヘクタールが砂漠化しています。現時点で保護対象となっている陸地は、全体の15%程度にまで達していますが、生物多様性は依然としてリスクにさらされています。人間活動と気候変動に起因する森林破壊と砂漠化は、持続可能な開発に大きな課題を突き付けるとともに、貧困と闘う人々の生活と生計に影響を及ぼしています。

森林管理と砂漠化対策の取り組みが進められているところです。現在のところ、公平な資源利用を推進する2件の国際協定が実施に移されています。生物多様性を支援する財政投資も行われています。

「ライオンズシェア」

2018年6月21日、国連開発計画(UNDP)、プロダクション企業のFINCH、そして創設パートナーであるマース・インコーポレイテッド(Mars, Incorporated)が「ライオンズシェア」の立ち上げを発表しました。このイニシアティブは、広告主にメディア広告費の一定割合を動物の保全と福祉に向けたプロジェクトに拠出するよう要請することにより、全世界の動物の生息環境を一変させることをねらいとしています。ライオンズシェアのパートナーは、動物を扱う広告を制作するごとに、そのメディア広告費の0.5%を拠出することになります。拠出された資金は、全世界の動物とその生息地の保護に用いられます。この基金は3年以内に年間1億米ドルの資金調達を目指していますが、その資金は国連と市民社会団体が実施する幅広い野生生物保全・動物福祉プログラムに投資される予定です。

事実と数字

森林

・およそ16億人が、森林に依存して生計を立てています。その中には、約7000万人の先住民が含まれます。

・森林には陸生種の動植物と昆虫の80%以上が生息しています。

・2010年から2015年にかけ、世界では330万ヘクタールの森林が失われました。農村部の貧しい女性は、共同利用資源に依存しているため、森林破壊による特に大きな影響を受けています。

砂漠化

・26億人が納涼に直接依存していますが、農地の52%は土壌荒廃による中程度の、または深刻な影響を受けています。

・耕地の喪失は、かつてのペースの30倍から35倍の速さで進んでいるものと見られます。

・毎年、干ばつと砂漠化によって1,200万ヘクタール(1分間に23ヘクタール)の土地が失われています。これは1年間で2,000万トンの穀物が栽培できる面積に当たります。

・全世界で貧困層の74%が、土地劣化の直接的影響を受けています。

生物多様性

・野生生物の密猟と密売は、依然として保全に向けた取り組みを損なっており、報告されている7,000種近い動植物の不正取引には、120ヵ国が関与しています。

・確認されている8,300樹種のうち、潜在的な利用可能性が検討されているものは1%にも達していません。

・魚は約30億人に動物性タンパク質の20%を提供しています。わずか10の魚種で海洋捕獲漁業の漁獲高の約30%を占める一方、養殖漁業生産の約50%も10種で占められています。

・人間が摂取する食料の80%以上は植物に由来します。コメ、トウモロコシ、小麦の3つの穀物だけで、エネルギー摂取の60%を占めています。

・開発途上国では、農村部の住民の80%にも上る人々が、基本医療を伝統的な植物ベースの薬に依存しています。

微生物と無脊椎動物は、生態系サービスにおいて鍵を握る存在ですが、その貢献度はあまり知られておらず、認識されることもほとんどありません。

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続いて、169のターゲットも記載します。

15.1  2020年までに、国際協定の下での義務に則って、森林、湿地、山地及び乾燥地をはじめとする陸域生態系と内陸淡水生態系及びそれらのサービスの保全、回復及び持続可能な利用を確保する。

15.2  2020年までに、あらゆる種類の森林の持続可能な経営の実施を促進し、森林減少を阻止し、劣化した森林を回復し、世界全体で新規植林及び再植林を大幅に増加させる。

15.3  2030年までに、砂漠化に対処し、砂漠化、干ばつ及び洪水の影響を受けた土地などの劣化した土地と土壌を回復し、土地劣化に荷担しない世界の達成に尽力する。

15.4  2030年までに、持続可能な開発に不可欠な便益をもたらず山地生態系の能力を強化するため、生物多様性を含む山地生態系の保全を確実に行う。

15.5  自然生息地の劣化を抑制し、生物多様性の損失を阻止し、2020年までに絶滅危惧種を保護し、また絶滅防止するための緊急かつ意味のある対策を講じる。

15.6  国際合意に基づき、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を推進するとともに、遺伝資源への適切なアクセスを推進する。

15.7  保護の対象となっている動植物種の密猟及び違法取引を撲滅するための緊急対策を講じるとともに、違法な野生生物製品の需要と供給の両面に対処する。

15.8  2020年までに、外来種の侵入を防止するとともに、これらの種による陸域・海洋生態系への影響を大幅に減少させるための対策を導入し、さらに優先種の駆除または根絶を行う。

15.9  2020年までに、生態系と生物多様性の価値を、国や地方の計画策定、開発プロセス及び貧困削減のための戦略及び会計に組み込む。

15.a  生物多様性と生態系の保全と持続的な利用のために、あらゆる資金源からの資金の動員及び大幅な増額をおこなう。

15.b  保全や再植林を含む持続可能な森林経営を推進するため、あらゆるレベルのあらゆる供給源から、持続可能な森林管理のための資金の調達と開発途上国への十分なインセンティブ付与のための相当量の資源を動員する。

15.c  持続的な生計機会を追求するために地域コミュニティの能力向上を図る等、保護の密猟および違法な取引に対処するための努力に対する世界的な支援を強化する。



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