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「楽しく学ぶ」コミュニティを育てるために社内勉強会を続けている

9月から、社内で「Developer dojo」という名のオンライン勉強会を30回以上開催している。なんとか2ヶ月間、継続することができたので、これまで取り組んできた内容と、今後の課題・展望をまとめてみる。

「学び続ける」習慣をつけさせたい

勉強会の開催を企画した理由は、社内のエンジニアに「学び続ける」ことを習慣付けさせたいからであった。

エンジニアは、常に新しいことを学び続ける必要がある。しかし、実際に仕事をする時間では、多くのことを学ぶのは難しい。学び続けられるような時間を意識的に確保する必要があり、そのためには何かしらの「きっかけ」が必要である。

その「きっかけ」を提供できればいいな、という意図があった。

そのために「学び続ける」コミュニティを作る

しかし、単に勉強会を開催するだけでは、それが「きっかけ」として有効に働くのかがわからない。どのような点を工夫すれば、その効果を最大限に発揮することができるのだろうか。

「教えることの科学と技術」であるインストラクショナルデザインでは、行動の習慣付け(態度の育成)のためには、その人が属しているコミュニティの存在が不可欠であるとしている。

態度とコミュニティ

 さて,その人の態度はどのようにして作り上げられたのかということを考えるなら,それは,その人が属しているコミュニティ(共同体)から明示的に教えられるともなく,学習した結果であると考えられる.
 コミュニティとは,家族,近所,学校,サークル,職場など,その人が「所属している」という感覚を持つ集団である.そのコミュニティのメンバー全員が,自発的にゴミを拾う行動を起こしているならば,そのコミュニティメンバーは,自然にゴミ拾い行動を実行し,その結果として,そうした態度を身につけるだろう.
 文脈のない状態で態度を教えることはできない,ということは,コミュニティという背景なしに態度を教えることはできないということである.

このため、単に勉強会を開催するだけではなく、勉強会を取り巻く周辺のコミュニティも同時に作り、育てるようにしている。

たとえば下記のようなアプローチを試みている。
・わからなかったところをチーム内で確認、復習してもらう
・勉強会に関するSlackチャンネルを作り、反応を可視化する
・事後アンケートを取り、フィードバックする
・ポータルサイトを作り、まだ参加してない人向けに宣伝する
・社内報で活動の様子を紹介してもらう

「楽しく手を動かす」をコンセプトに

また、「楽しく手を動かす」体験にすることを心がけている。

単に人の話を聞いたり、本を読んだりするだけではなく、それをもとに自分で手を動かしたほうが記憶に定着する。

楽しくなければ続けることができない。このため、手を動かした結果がすぐにフィードバックされるような、シンプルな日替わりの課題を中心に取り組んでいる。

それらの工夫のおかげか、現在は30人以上のエンジニアが出席し続けてくれており、一大コミュニティに成長しつつある。

勉強会というよりも、お料理教室の雰囲気にしたい

今後の課題と展望について。

週4日(月~木)という高い頻度で開催しているため、どうしても講師側の負担が高くなる構造になってしまっている。

また、5人の講師を中心に回しているのだが、彼ら講師のモチベーションがどんどん上がってしまっている。それ自体はいいことなのだが、その結果、課題を作る事前準備に多くの時間をかけ、大変な苦労をしている。(自分で自分の首を絞めてしまっているわけだが…)

この状態だと新しく講師を担当したいという人がためらってしまうため、もっと気軽に手を挙げられる環境にしていきたい。

たとえば、勉強会で取り組んだ課題から派生した「自作のアレンジ課題」を投稿する場を用意するなどがいいかもしれない。30人の前で話したり、一から課題を作るハードルは高いが、アレンジしたものを投稿するハードルはもう少し低いはず。

いまは勉強会に「Developer dojo」という名前を冠しているが、お料理教室やらレシピサイトのような雰囲気のコミュニティに育てていけるといいな、と思っている。

勉強会に利用しているリポジトリ(一部)

Cover photo by https://hthaostudio.com/

追記

公式アカウントの記事が出ました。こちらもあわせてどうぞ。

追記

デブサミに登壇しました!


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