イギリス 中学受験の進め方 其の2 DIY編:計画

我が家では、個人的状況を鑑みて、中学受験をDIYでやることにしましたが、このDIYでは、計画を立てる、進捗管理をする、というのがメインのタスクとなります。

臨機応変にやっていくことができる(長所)が上に、流されやすい状況(短所)をどう管理していくか、が大事となります。ちなみに、我が家ではこの準備はYear4の夏休みにしました。というのも、Year6が始まるとともに、選抜式公立校の受験が始まるのです。Year5の夏休みまでに、Year6で学ぶ内容を理解し、応用できるように持っていかねばならないからです。

Year4の夏休み(いわゆるYear5が始まる前の夏休み)が終わるまでに、子供の意欲の確認しておきます。また、
1.毎日読書。(我が家は日英双方)
2.平日は英数の問題(10分かからない程度)を解き、回答は一緒にする。
という習慣はつけています。

さて、では、Year4の夏休みが始まる前にしたことです。

1.試験内容の把握

まずは、自分の地域、または行かせたい学校の選抜式学校の受験内容を把握します。

試験は、大きく分けて、マーク式・記述式があり、科目は、
1.英語 (文法、スペル、読解、作文)
2.算数 
3.Verval Reasoning(略してVR:言語に関するパズル、語彙力、文法)
4.Non-Verval Reasoning(略してNVR:図形パズル|知能検査問題と酷似)
の4つです。

試験タイプは、提供会社により、大きくわけて、GL, CEM, CSSEと3つあります(リンクはもしかしたら正式なテストプロバイダーかどうかまでは確認できておりません🤦‍♀️)が、私立は特にですが、国立でも学校によっては、独自のものをするところもあります。

過去問を公開しているところもありますが、していないところもあります。各学校によって、科目や、試験プロバイダーが違いますので、ある程度把握しておく必要があります。

公開していないところは、基本的に、口コミを当てにすることになりますが、口コミで試験内容が把握されるようになると、試験スタイルを変えられる場合も多々あります。たとえ、来年受験でも、今年の内容を口コミで頼ることはとても危険なことで、目指す学校によっては、「全部やっとけ」ば良いだろう、ということです。大きく分けると英数の2つですから、日本の中学受験のように、暗記が必要になるものはほぼないので、大した問題ではありません。塾によっては、その学校の情報を得ているというようなことをほのめかすこともありますが、ほぼ、当てにはなりませんので、ご注意を。

実際、公開していません、と言っている学校から、本当に情報を得ている場合、秘密裏に得ている事を公言した場合、問題になります。嘘になるからです。ですので、まず、情報を得ている、といっても、塾の生徒からどんな問題が今年は出たのか、と聞いているくらいであると、考えるのが妥当です。

たまたま、塾で出してた問題と似ていた問題がでた、ということはもちろんあります。
※陰謀説を信じる方は、信じてよいですが、それは、結局自分へのストレス、及び、子供へのストレスを貯めるだけで、徒労に終わることが多いのが、現実です。過去問を、過去問らしく仕立て上げて、高く売っているところもありますが、それも、ある意味古い情報です。子供から聞いた、過去の試験内容を元に、作っているだけのようです。

2.出る範囲の把握

まずは、National Curriculumを確認。というのも、学習指導要綱が基本であることは間違いなく、何をどこまで理解しておくのが必要が知っておくことで、自分の子供の弱点を知ることができるからです。

Year5-6の英語(=国語)、算数のカバーするべき単元と内容の把握。さらに、一般知識が読解には必要ということで、 その他の科目の単元は、KS2(Year3-6)分を把握します。

各科目のAttainment target及びSubject Content部分を読めば、大体の単元は把握できます。Non-Statutory(必須項目外)も把握しておき、応用力でどのようなものがあればよいか、も把握します。

3.使う教材の選択

次に、信頼のできる問題集を参考にします。信頼ができるものとは、

1.National Curriculumの単元をカバーしている。
2.各単元の説明がある。

その上で、評判と、自分の目で見て子供のレベル、嗜好にあっているものを選びます。我が家では、ロックダウン時に、時間を埋めるために使った、学年別にある問題集を使いました。

(1)基礎:英語ー読解・文法

CGPのTargeted & Question Bookシリーズ

読解と文法は、スタンダードタイプとStretch(アドバンス)があり、双方利用しました。この英語のGrammar, Punctuation & Spellingには、説明があるので、それを子供に読ませ、理解しきれないときは、一緒に調べました。Year4とYear5の読解のStretchは、ほぼ上の学年と同じだったので、早く終われば入れればいいな、位で考えました。

(2)基礎:英語ー語彙

Eleven Plus Exams のVRのVocaburaryシリーズ

語彙は、使い方がわかってこそ生きるものになります。市販のフラッシュカードでの理解では、文脈から答える同異・反対語等で間違うことになるため、これを、平日は毎日1単元やっていき、週末には、すべての単語ではなく、少しむずかしい単語の同異・反対語を調べるということにしました。さらに、新しい語彙の文章を作る等々してみました。

(3)基礎:英語ー作文(Creative Writing)

子供が入りたい学校の試験にCreative Writing(作文)があるので、これは、早いうちに夏期講習にいれて、作文のポイントを知るために夏休みの短期コースにオンラインで手軽な値段かつ、子供が好きそうな先生のもので試してみました。オンラインですと、授業内容を聞いて、私自身も勉強できます。あとは、作文のレビューを読めば、自分たちでもできるかな、と思ってのことです。このCreative Writingは学校でやっているもので十分かどうか、も確認する必要がありました。

これは、Facebook利用して、探しました。家庭教師や、オンライン教室を開いている人たちは、Facebookでグループを作っていることが多く、さらに、そのグループで、内容はどのようなものでも、その方のビデオを流しているので、人柄がわかりやすく、子供との相性、他の方からの評判もわかります。

(4)基礎:算数

Schofield & SimsのUnderstandingシリーズ

CGPのTargeted/Stretch問題集には算数の問題集に説明がありません。ですので、算数の新しい単元の理解にはこれを利用することにしました。この本に書いてある内容について、私は子供にいちいち解説はしません。本人に読ませ、理解させ、ついている問題を解く。わかったら、CGPのTargeted Questionsで同じ単元をやってく、というスタイルです。わからなければ、もちろん手伝います。

基本、イギリスでは(日本でもそうなのかもしれませんが、覚えていないし、調べていないので知りません😊)、全ての単元のコンセプトは、Year1の頃から、毎年何度も何度もやりつつ高度な理解に深めていっているだけです。

ですので、Schofield & SimsのUnderstandingシリーズのようにまとまっていると、どこで、その単元の中で躓いているのかわかりやすくてよいです。

うちの子は、Year4のときに、分数でしっくり理解できないようでしたので、それを、Fractions, Decimals and Percentages Book をやり、より分数に理解が深まり、楽しくなったようで、Year5分はほとんどYear4のうちにやってしまい、Year6を夏休みにしました。

(5)応用

Year5の5月末までに基礎固め、その後は、応用問題もしくは、他の学校の過去問や、試験問題形式をやっていくというところで、基礎固めがどうでるか、によって、応用問題を探して行けばよいかと思っていたのですが、トップレベルの学校を目指していたので、一応スタンダードなものプラスFaceBookの受験者の親と家庭教師のグループなどでみつけた、

  • Bond:  Accesment Papers / 10 minutes test / Test Papers / Online

  • Eleven Plus Exams:  11+ Essentials - Maths: Worded Problems Book 1 - 3

  • RSL Educational: Complehension / Creative Writing / Maths

をやろうかな、と本を1冊づつ購入して、内容を確かめ、目指す方向を確認し、プランニングしておきました。このレベルが5月末時点で難しいなら、再度4月に考え直すつもりでした。

3.スケジュール作成(ファイル付き)

スケジュールは、週単位にしました。月単位だと、やはり、行事・休暇が入った場合、入らない場合でズレズレ、ダラダラになりそうだったのと、基本土日は、キャッチアップの時間と捉えて勧めて行けばいいな、という考えがあったので、5日あたり1.5日(うちの子は土曜の午前は補習校です)、キャッチアップがあれば、週単位で管理しても大きくずれ込むことはないだろうと思ったからです。また、科目数も理科社会がない分少ないのですが、やはり一般教養は、英語力があっても、語彙・知識がないからわからないということもあるので、読書の時間をフィクション・ノンフィクション、様々な分野でやっていったり、会話に入れていくのは、非常に大事だと思われます。

週ごとに考える単元ですが、算数は、単元があるので簡単ですが、英語はテクニカルな部分(回答が一つであるものーSPAG:Spelling, Punctuation, and Grammar)の単元をY5ーY6のTargeted/Stretchの目次からリストしました。ほとんどは、目次から、あとは理解度、引っかかりそうなところ等々を勘案したり、勧めながら別途別の教材(Onlineが中心でしたが)をいれたりしました。というのも、やる気や体調に波があるのを受け入れるためのDIY受験です。楽しくできるものがあるのは、大事ですが、はじめに楽しすぎるのを入れると、スタンダードな勉強が苦痛になる場合が多々あります。

また、学校で習ったことは、よりよい会話や、考察をするために大事なことです。臨機応変に色々取り込んで行くと、以外に『受験』という陰鬱なイメージが、楽しいものに変わります。

また、余裕をもってやらねば、確実に頓挫します。
睡眠時間は譲歩できない上に、子供の能力は、体験(運動込)をすることで理解力が更に伸びる、という確信が私にはありまして、遊びや、習い事の時間をほぼ割かない方法でやっていくのが何より大事なことでした。移動や、待ち時間などの細切れ時間でできることはやっていく。集中してするべきは、平日一日最高80分、休日朝、夕、都合に合わせてそれぞれ40分か1.5時間とれたらラッキーぐらいの気持ちです。(この上に、日本語の学習もするというので)できなければ、『明日』があるので、『明日』に。というくらいの考えで、ときには、『今日』できることは『今日』と、強弱入れていきました。

参考までにファイルを載せておきます。ほぼ、このプランで、受験完了できました。

スケジュール調整や、やる気の波の管理、休暇のとり方等々、次の記事にあります。まとめるまでお待ち下さい。😆

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