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ラーメンの判定番組で…

少し前のことです、テレビでラーメン店の認定をする番組がありました。
私はラーメンに対してそれほど拘りがないのですが、その時はたまたま見てました。
ラーメンの鬼といわれる例のS氏や、ラーメンの神と称されるY氏を含む五名の審判が、その店のラーメンが「参った」と言わせるほどの味かどうかを判定するというものでした。

単なるバラエティ番組なのですが、その出演する各ラーメン店の店主の判定を受ける瞬間の姿には、やらせではない真摯なものを感じました。
もちろんこのような番組に出演するからには、テレビというメディアの恩恵を期待しないはずはないと思います。
より多くメディアに露出することによって、店の集客に寄与することは間違いないからです。
(その一時の繁盛がそれから先も続くかどうかは、それこそそのお店の実力次第でしょう。) 
ただ、その判定の瞬間にはそういった打算的なことを除いて、純粋なラーメンにかける情熱というものだけが曝け出されるのだと思います。
すべての店主の自分のラーメンに対する姿というものが伝わってきました。

それで昨日はこの五人の審判の中に、もとプロレスラーのTがいました。
私はこの番組をシリーズで見ていませんので知らなかったのですが、このTはこのシリーズに結構の回数出演しているらしく、さらにいままで一度もOKの判定を出していないことで有名らしいです。
この日も数店の判定を番組ではしてましたが、案の定すべての店にダメ出しの判定をしてました。

最後に、特にこのTの判定に焦点を絞ってラーメン勝負をするというお店があり、この日のエンドを飾ることになってました。
ラーメンの鬼S氏や、ラーメンの神であるY氏がつぎつぎと「参った」の判定をし、この店は都合三人のOKサインをもらい「参った」ラーメン店の認定証をY氏から授与されてました。
が、TだけはまたもやNOということで、ダメ出しでした。

もうここまでくると、このTという人物は単なるダメ出しを謳い文句とするパフォーマーか、はたまたただの偏屈親父なのかそれとも正真正銘の味音痴なのか、さもなくば幼少の頃にラーメンで嫌な思いをしたトラウマを持っているのか、見ていて少々気分の悪い思いをしました。

美味しいものを食べてすなおに美味しいといえないその歪んだ態度に、この人物の心の奥に潜む黒いものを見たような気がしたのは私だけでしょうか。
たかが、ラーメンを題材にしたバラエティ番組にとやかく言うことはないのですが、このTという人、二言目には「俺は素人だから、よけいに切れ味を求めるのだ」という訳のわからない内容のコメントを残して店を去って行きます。
素人だというのなら、この道に真摯に向き合っている店主たちの作ったラーメンを、お世辞でもいい一言「美味しい」といえないものかと腹立たしさを覚えました。

もちろん単なるテレビ番組ですバラエティです、どうでもいいことです。
ただ、バラエティだけにもっと面白いコメントが出ないのか、店屋に対する思いやりや愛情を表現できないのか、という思いがこみ上げてくるのでした。

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