フランス語圏の漫画について(その1)
最近特に何も報告出来ることが無かったので更新しませんでした。コロナのせいで行きたかったイベントがガンガン潰れているせいでもありますね。辛い。
今日は私が語学の勉強でも使用している趣味のフランス語圏の漫画、バンド・デシネについて書きたいと思います。フランス語の綴りは「bande dessinée」で、翻訳すると「描かれた帯」という意味になります。
日本でよく知られているものとして「タンタンの冒険旅行」や「スマーフ」があります。本屋さんの絵本のコーナーに置いてあることが多いので、小さい時に読んだ方も多いのではないでしょうか。
余談ですが私も幼稚園に入るか入らないかの時期にタンタンにどハマりし、毎週末近所の図書館に借りに行き、夜遅くまで母親に朗読してもらった思い出があります。あんなに文字数が多い本を読んでくれた母親には本当に感謝しています。
それ以外の作品は大人になるまで(正確には去年まで)触れていなかったため、バンド・デシネのことは全く詳しくありませんでした。
しかし、昨年度のドイツ留学の際、バンド・デシネの本場ベルギーの漫画博物館まで足を運んだことがきっかけでもっと多くのバンド・デシネに興味を持つようになりました。
今回はそんなバンド・デシネの魅力について書いていきたいと思います。
バンドデシネの魅力について
これはあくまで自分の意見です。そして前述した内容だけではバンド・デシネの説明が不十分なので、原正人さんという様々なバンド・デシネを翻訳されている方の記事のリンクを貼ります。
「バンド・デシネ入門 – 第1回 バンド・デシネってどんなもの?」https://comicstreet.net/discover/bd-france-belgium/bande-dessinee-introduction-1/
…ハイパーリンクの使い方を教えてください。
私が思うバンド・デシネの魅力
魅力その1:本がデカい
ふざけているわけではないです。前述したタンタンの冒険旅行についてはペーパーバック版が発売されて手頃なサイズのものが出ていますが、ご存知の通りハードカバー版はめっちゃデカイです。そして表紙が非常に硬いです。読んでいる途中で顔に落とすとかなり痛いです。
全てのバンド・デシネがそういうわけではない可能性もありますが、日本で売ってる単行本の大きさと比べたら大体デカいしハードカバーのものが多いです。そして、その大きさに比例してコマの大きさも日本のものと比べるとデカいことが多いです。
何が凄いかというと、そのデカい1コマ1コマの書き込みが恐ろしいくらい細かいのです。中にはコマだけはなく1ページ丸々絵で埋まってることもあるのですが、「これだけでイラスト集に載っていてもおかしくないのでは?」と思うくらいびっしり細かく書き込みされていてびっくりします。
(言葉が分からなくてもパラパラめくっているだけでかなり楽しめます)
魅力その2:台詞の手書き文字
バンド・デシネの吹き出しには手書きで文字が書いてあることが多いです。英語やフランス語、ドイツ語で書いてあるものは基本的に全部大文字だったので他の言語版でもそうなんでしょうか。
タンタンの冒険旅行の邦訳版も大川おさ武さん、峰村勝子さんいう方が手書きで日本語のセリフを書いていました。バンド・デシネ特有のあの手書きフォント凄く好きなんですよね。登場人物が本当に喋っているような人間味を感じます。
しかし、最近邦訳されているバンド・デシネは恐らく大人の事情でデジタルフォントになっています。
デジタルフォント版を初めて読んだ時は「登場人物が自分の意思とは関係なく台詞を言わされている」ような感覚に陥りました。
当然作品の面白さは変わらないですし、労力を考えると当然かと思います。長年観ていたアニメの声優が変わった時の初めの違和感みたいなもので恐らく慣れの問題ですね。
ただ、原著の手書きの文字を見るとワクワクするのでなんとか手書き文字の文化が続いて欲しい気持ちもあります。
魅力3:フルカラー
あの膨大な書き込みをしているにも関わらずフルカラーの作品が殆どです。漫画博物館で実際に作業しているところのビデオを観たのですが一コマ一コマ筆で丁寧に色を塗っていることもあります。恐ろしいです。
色の塗り方も作者によって非常に個性が出ており、ベタ塗りのものもあれば一コマが一枚の絵画のように塗ってあるものもあります。一冊仕上げるのにかかる時間を考えると気が遠くなります。
またまた余談ですがフランスではバンド・デシネは「9番目の芸術」と評されており、アートとして親しまれています。
終わりに
まだまだ伝えたいことはあるのですが本人があまりにも勉強不足な部分があるので今回はここで終わりです。今回は今の私が思うバンド・デシネの魅力について書かせて頂きました。
今はバンド・デシネ翻訳専門のユーロマンガ(https://www.euromanga.jp)という会社もあり、昔と比べて数多くのバンド・デシネが邦訳されています。私もユーロマンガさんから出版された「ブラックサッド」という作品を全巻読みました。こんなに素晴らしいバンド・デシネを日本語で読める時代になって本当に感激です。
他のレーベルとしてサウザンブックスさんが書籍邦訳のためのクラウドファンディングを立ち上げています。私も微力ながら協力させていただいた本があり、もうすぐ刊行されるので読むのが楽しみです。
皆さんも本屋さんに立ち寄った際には面白そうなバンド・デシネを見つけてみてはいかがでしょうか。
次回はオススメ作品の紹介として私が今最もハマっている日本ではまだ出版されていない作品について書いていきたいと思います。
(続く)
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