見出し画像

【レビュー】猫の手も借りたい、切実に『ゼルダの伝説 トライフォース3銃士』

ゼルダ好きを自称している私には、まだプレイしたことのないシリーズ作品が2つありました。1つは『ゼルダの伝説 風のタクト』。発売当時のハード(ゲームキューブ)も移植時のハード(Wii U)も我が家には無く、未だにSwitchへの移植を全力待機している状態です。そしてもう1つが今回クリアレビューをする『ゼルダの伝説 トライフォース3銃士』です。幸いうちの3DSは今も現役だったので発売から9年経ってようやくプレイすることができました。

本作が発売した頃、実は体験版だけ遊んだことがありました。オンラインプレイで知らない人2人との共同作業。スタンプを押して感情を伝え合い、なんとかステージクリアできた時は「話さなくても協力できるんだ…!」と感動しました。しかしその後プレイするタイミングを逃してしまい現在まで触れることはありませんでした。

去年ふらっと立ち寄った中古ゲーム屋で本作を発見、今年ようやくプレイすることとなりました。始めるまで時間がかかりすぎている・・・。オンラインマルチプレイを売りとしている本作ですが、3DSのオンラインサービスの終了、周りにゲーマー友達もおらず、ということでもうほぼ一択でソロプレイとなりました。本日はこの『ゼルダの伝説 トライフォース3銃士』のソロプレイクリアレビューをお送りします。※今回は辛口風味です。

発売日:2015年10月22日
プレイ機種:ニンテンドー3DS
プレイ日数:1週間(15時間くらい)

ーあらすじー
ドレース王国で一番美しくおしゃれなフリル姫は、ある日魔女の呪いを受け、脱ぐことのできない全身タイツ姿に変えられてしまいます。姫の呪いを解くため、カールキング王は国に伝わるトーテム勇者を募集することにしました。耳がとんがっていて、もみあげが太く、髪型が九一分という非常に限られた条件を満たしていた主人公は魔女を倒すべく同じく条件を満たした2人の勇者と魔境へと向かいます。

ーどんなゲーム?ー
原則3人での協力プレイで進めていくステージクリア型のゲーム。発売当時はオンラインマルチがメインでしたが、現在は、ソフト1本、3DS3台、一緒に遊ぶ友達2人を用意しない限り3人プレイは不可能となっており、今から始める人のほとんどがソロプレイを余儀なくされます。
1人1人が異なるアイテムを所持する、トーテム(肩車)することで高いところに対してもアプローチできるようになる、など役割分担してギミックを解いたり敵を倒すところが特徴。


良かったところ

高さを活かしたギミックが楽しい

3人でトーテムして進める場面が多くあり、トーテム状態にはルールがあります。

・最大3人でトーテムすることで2段上の高さまで攻撃が届く
・一番下のプレイヤーのみが移動できる
・攻撃やアイテムの使用ができるのは一番上のプレイヤーのみ
・ばくだんを投げるように担いだプレイヤーも投げることができる
・3人でトーテムしている場合、一番下のプレイヤーが投げると上の2人が投げられ、真ん中のプレイヤーが投げると一番上のプレイヤーのみ投げられる

どの順番でトーテムするか、トーテム状態で何人投げるかなどトーテム1つをとっても様々な戦略があり、「あっ、ここにはこのアイテムを持っている人を投げなきゃいけないんだ!」と閃く瞬間がとても気持ちいいです。3DSの立体視モードが結構役に立つ数少ない作品。

いつものボスの弱点が高い位置にあっても
トーテムすれば届く!

いろんな服を着ることができる

おしゃれがテーマの本作。主人公も素材とお金を集めていろんな服を着ることができます。マダムテーラーに作ってもらう特別な服には能力が付与されており、ブーメランが強力になる、泳ぎが早くなる、ライフが増える、などなどステージに合わせて使い分けることができます。中には過去作のキャラクターをモチーフとした衣装もあってニヤニヤ。

我が推し、ラインバックの服があってニヤついた

曲がいい

トライフォース3銃士をしたことのない人でも、本作のメインテーマがいい曲だということを知っている人はわりといると思います。私も先日までその1人でした。タイトルの『3銃士』はフランスに有名な同名小説があり、そこからフランスっぽいアコーディオンメインの曲が多い………のかな??ステージ曲や、マダムテーラーのお店の曲もなかなか癖になってとっても好きです。

気になったところ

難しいのはソロだから?いや、これはマルチでもキツくない?

普通に難しかった!理由は2つあります。
1つ目は距離感が難しいこと。高さを活かしたギミックですが、高さにも2種類あるので、これは1人担いだら届く?2人じゃないと届かない?というのがぱっと見わからないんです。立体視を使うと少しわかりやすくなります。
2つ目は3人プレイ前提仕様が1人では非常にシビアであること。通常3人で役割分担をするゲームですが、1人でプレイする時は下画面のボタンを使ってプレイヤーを切り替えながら進めていきます。

操作していないプレイヤーはまねビトという人形になり、その間はダメージ判定もヘイトも無くなります・・・が落下はします。この仕様がとても厄介で、落下すると死ぬシーソーのようなものが出てくるのですが、1人を操作している間にバランスを崩してまねビトが落下死してライフが減る、なんてことも頻繁にあります。さらにゼルダではお馴染みの光弾ラリーがあるのですが、光弾の色のプレイヤーしか打ち返せないものが出てきて、もう私は今何色のプレイヤーを操作しているのか、次は誰を操作すればいいのか頭がゴチャゴチャになりました。これらのギミックは絶対に3人でプレイした方が楽です。だって各々がちゃんと同時に動けるんですから!

敵が近くに来たら赤で爆弾投げて、
すぐに切り替えて緑で風車を起動して……
もう操作がゴチャゴチャ!

そうは思うものの、じゃぁマルチだったら簡単になるのか?というともしかしたらそれも怪しいかもしれません。ステージギミックには「そんなの言われないとわかんないよ!!」と思うものもいくつかあったので、もしオンラインマルチをして1人でも察しが悪かったらもう地獄と化す様子が容易に想像できます。オフラインマルチがおそらく最もスムーズにいけるんじゃないかなぁ。

舞台がハイラル王国じゃないことにモヤり

これはかんっっっっぜんに私のこだわりというか私観なんですが、やっぱりここまで数多くのゼルダ作品をプレイしてきて、しかも直近のクリア作品がティアキンというのもあってか、ハイラル王国にいないことに違和感を感じてしまいます。ハイラルではないし、ゼルダ姫も出てこないんだったら、それはもう『ゼルダ』の伝説ではないじゃないですか。どっちかというとリンクの冒険だと思うんです。(主人公は名前を変えられるのでここで『リンク』と明言もできないけど)

そんなこと言ったらムジュラの仮面だってそうじゃないかって話にはなるんですが、同じ地続きものとしてムジュラのリンクは時オカの冒険を経てナビィを探し、エポナを連れ、オカリナを持っているリンクでした。本作は神トラ2の地続き作品ではありますが、前作を未プレイでも違和感がないくらい神トラ2のリンクと別人感があるんです。勇者っぽくなくて、初登場シーンはいつもの服を着ていなくて、3人もいる、もうこれはこれでまた別の作品では?と思うくらい。いつものリンクじゃない!と私の中の子供が駄々をこねてしまいました。(いつものリンクってなんぞ・・・。)

なんかダッs…服着てる……

総合:★★・・・(2.3)

大好きなゼルダ作品なのにそんなに夢中になれなかったことにショックを受けています。いやぁ・・・難しかった。本作にもいろいろとやり込み要素はあるのですが、それをするためには特定の素材を狙ったり、時間やライフなどに制限をかけながら何度もステージに挑まないといけません。私にはそれは難しすぎてできない、さらにハイラルじゃないことで気分も乗ってない、ということでやり込み要素はせずにエンディングで一旦終了とすることにしました。スピンオフみたいな立ち位置とは聞いていたので割り切るべきではあるんですけどね・・・。

私がゼルダ作品で重要視しているのはストーリーです。その作品ごとのハイラルの事情があって危機があって、そこにリンクがどういう立ち位置から勇者として目覚めていくのかというのが私が遊ぶ時に楽しむ要素となっています。本作はその辺りが非常にふんわり、全体的にギャグっぽく展開されているのであまり魅力を感じられず、どちらかというとギミックを楽しむことに主眼を置いてプレイしていた感じがあります。

まだオンラインサービスがあったときに、やっていればもっと楽しく最後まで遊べたのかなと勿体無くなってしまいました。でもオンラインプレイはいつかは廃れるものですから、そもそも時間を置いてする人向けではないですよね、自業自得ぅ。

今回はゼルダファンとして必修としていた作品をプレイしました。久しぶりの箱庭ゼルダでしたが、ブレワイやティアキンのような広大な世界以外にも、またこういう小さな世界の中であちこち冒険する作品も作って欲しいなぁと改めて思いました。


その他のレビューはこちら


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?