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【活動報告】大学生向けワークショップ  大阪大学 集中講義

対話型自己分析ワークショップ

先日、大阪大学の集中講義に登壇する機会をいただき、大学生向けに対話型自己分析ワークショップを実施しました。

ワークショップの目的

就職活動や進学などのキャリア選択が近づいている学生たちに、自分自身の価値観を言語化し、深い自己理解を促進すること。これにより、意思決定をより楽しく、後悔のないものにし、ウェルビーイングな状態を目指しました。

ワークショップの内容

⒈ Values Card Game

価値観カード

価値観カードを使って、自分の中で大事にしたい価値観を5つ選びます。
ただ、単純に選んでも緊張感?がないので、ゲーム形式で選んでもらいます。具体的には最初に手札を5枚ずつ配り、その後順番に山札からカードを引いてもらい、本当に残したい価値観を選び、それ以外は場に捨てて貰います。この捨てるという行為を挟むことで、本当に大事にしたい価値観を深く考えることができます。実際に学生たちは、最初は良かったものの、最後の方になると頭を抱えながら悩んでいました。
次に、カードゲームで選んだ5つを大事にしたい順にワークシートに記載してもらい、その理由も記載します。
最後に、それぞれの価値観に対して、グループで質問をし合います。
例えば、「選ぶにあたって具体的なエピソードはありますか?」など。そうすることで自分では気づけなかったことも言語化できます。

⒉ 問いとの戯れ
次は10問の問いと存分に戯れます。問いの種類は未来や過去に関するもの、ポジティブやネガティブなものなど、様々な角度で自分自身と向き合えるものを用意しました。

その後、問いの回答の中から価値観のキーワードとなりそうな単語(文章)を探し、付箋に書き出します。数は問いません。
そして、それらの単語の中で似たものなどをグルーピングし、ラベリングをします。ラベリングは自分で納得できる名称で大丈夫です。

⒊ My Value is …
1.では「キーワード(抽象的なもの)」から、「理由(具体的なもの)」を考える演繹的な思考プロセス、2.では「問い(具体的なもの)」から、「ラベリング(抽象的なもの)」をする帰納的な思考プロセスを辿ってもらいました。
最後に2つのプロセスで出したキーワードを眺めて、本当の本当に大事にしたい価値観を5つ選び優先順位の高い順に説明と一緒に記載します。

⒈で選んだ価値観と変わらない人もいれば、順位が変わったり、⒉の影響を受けたりと様々でした。
間違いなく言えるのは、⒈のときより深く自分と向き合っているということです。

参加者からの声

参加してくれた学生からは以下のような嬉しい声をいただきました。
・「これまで、こんなに真剣に自分と向き合ったことはなかったので
  新鮮だった。」
・「正直、最初は授業めんどくさいなと思っていたけど、始まってみたら
  あっという間に時間が過ぎていた。すごく楽しく自分と向き合えた。」

ワーク実施中の学生。真剣に自分自身と向き合っていました。

ワークショップ後のフォロー

私たちの目的は価値観を言語化するだけではありません。その価値観を日々の生活で意識してもらい、些細な意思決定から、大きな決心まで楽しく、後悔のないものにし、ウェルビーイングな状態を目指すことです。
なので、今回はワーク終了後1週間ごとに3週間、アンケートを取り、経過観察をしてもらいました。問いは以下の通りです。
①ワークショップにて自分で決めた「5つの価値観」をこの1週間でどれくらい意識できましたか?
②例えばどんな場面で意識できましたか?意識できなかった場合はその理由を教えてください。
③各段に数字の書かれたハシゴがあります。数字はハシゴを登るにつれて大きくなります。最下段は0、最上段は10です。最上段があなたにとって最高の人生で、最下段は最低の人生です。今現在、あなたはハシゴの何段目に立っていると思いますか?(キャントリル階梯)
④「5つの価値観」を意識することでハシゴの段が上がっていく感覚はありましたか?
⑤感覚があった場合、それはどんな要因が考えられますか?

アンケートを通して、課題があったり忙しくなると価値観を意識できないことがわかりました。ただ、意識できている時には③の段数は高い傾向にありました。

今後の展望

n数はまだ少ないですが、価値観を自覚し、日々の生活を送ることでウェルビーイングな状態に近づいていくのではと思っています。ただ、その価値観を意識するには、もう少しサポートが必要だなと思いました。
今後は価値観の言語化の精度(納得度)を上げつつ、それが日常に好影響を与えられるようなサポートを考えていければと思います。

おわりに

今回のワークショップを通じて、学生が自分自身と向き合い、自己理解を深めることができたことを嬉しく思います。今後も学生たちの自己理解、そしてウェルビーイングをサポートする活動を続けていきます。

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