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駆け込む木曜日

昨晩はnoteを投稿したあと、さらに熱が38.4℃まであがった。21時前にダメもとで病院に電話してみたら、主治医の先生はいなかったが、他の先生が代わりに対応してくれた。

こちらの状況を説明すると、

「それは正常な生体反応です。ただすべての方に出るわけではないので、やってみて(抗がん剤を投与して)はじめてわかるところがあります。そういうときの症状をおさえる薬がありますので、明日外来にいらしてください」

と。バファリンも飲んでも全く問題ないとのことだった。

だが、先生と話せたからといって痛みが軽減されるわけではなく、バファリンも効かない。1時間ごとに痛みで目覚めるという、なんとも苦しい一晩だった。

起きると熱は37℃までさがっており、少し楽になった感じがした。痛みは相変わらずで、腰だけでなく股関節、膝、足首が痛いので、うまく体を支えられない。気をつけて歩かないと危なそうだった。

病院までたどり着けるだろうか?と不安だったので、念のため腰バンド(コルセット)をガッチリ巻いた。ひざサポーターもほしかったが、ないのであきらめる。

駅に着くと、人身事故で電車が相当遅れていた。やっとのこと到着した電車は、密中の密。電車が揺れるたびに人の重みがかかってくる。うそでしょと思いながら、痛みをこらえてふんばった。

一駅で降りて地下鉄に乗り換える。こちらは並んでなんとか座ることができた。降りる駅まで30分。立っているのはとても無理だ。

病院に着くとすぐに採血と採尿をし、その結果を待つ。血液検査の結果がなかなか出ず、ソファーで30分くらい待ったあと「すみません、検査が込み合っていてもう少しかかるそうです。横になってお待ちになりますか?」と看護師さんが言ってくれた。

そうして、小さな予備の診察室のようなところで寝かせてもらった。空調の音がやたらとうるさい部屋で落ち着かなかったが、横になって深い呼吸をしながら痛みを逃がした。とにかく今はこの痛みをやわらげてほしい。「薬を、早く薬をください」という気分で呼ばれるのを待った。

そんなこんなで結局先生に呼ばれたのは、横になって45分が過ぎてからだった。

血液と尿の検査結果を見る限り、多少高い低いの数値はあるものの大幅なものではなく、病院にいった時点では熱も下がっていたので、痛み止めだけの処方をしましょうということになった。

病院の会計をして、調剤薬局に処方箋を持っていき、薬を受け取ってやっと少し安堵した。

すぐに薬を飲みたかったので、近くでお昼を食べようと思ったが、ちょうどお昼時で、どこも近くのオフィスの人たちの列ができていた。

帰ってからにしようと思い駅に向かうも、やっぱり痛みが強いので、駅のベンチで薬を先に飲んでしまうことにした。最寄り駅についたら急いで何かをお腹に入れよう。

電車のなかで段々痛みが治まってくるかなあと思っていたが、そんなに変わらず。家の最寄り駅で立ち食いそばを食べ、薬局で湿布を買って帰宅した。

今の時点では、膝、ふくらはぎ、足首、かかと、さらに手術の傷跡が痛い。処方された薬で痛みがやわらいだ感じはあまりしない。これ以上ひどくなって我慢できなければ最悪、座薬を入れる。

おとといからの痛い部分の移り変わりや痛みの強さを見ていると、おそらく血行が滞りやすい部分に抗がん剤が留まりやすく、それで痛みが増しているんじゃないかと思う。

先生は症状に合わせた処方はしてくれるし、副作用で痛くなるんですということは説明してくれるけれど、何がどうなってそういう痛みが発生しているかまでは(時間もないため)説明してくれないので、そこは「?」のままだ。

この後、手足のしびれがやってくるという。人によっては何かに触るだけで痛いらしく、あまりにもひどいと抗がん剤を途中でやめる人もいるらしい。

治療薬の開発はどんどん進んでいるだろうから、今の私の副作用は昔に比べてずいぶんと楽になっているだろうし、もしかしたら10年後には部分的にがんをやっつける新薬がさらに実用化されて、抗がん剤治療そのものがなくなっているかもしれない。

だからこその、今ここの記録として書いておこうと思う。今日も夕方になって、37.8℃と熱が上がってきた。数日で症状が落ち着いてくれることを願いつつ、今日の夜こそ、しっかり眠れますように。

なんだかここ数日、痛いことしか考えられなくなっている。こんなときこそ空を見よう、空を。



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