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哲学対話「変化」の開催レポート

大前みどり

毎月第4土曜日にオンライン哲学対話を実施しています。10月23日(土)に開催した際の様子をレポートします。

哲学対話の概要

哲学対話とは「普段はあらためて考えない疑問」、「すぐには答えが見つからなそうな疑問」について、みんなで語りあって思考を深めていく場です。一人ひとりが自分の経験や考えを、自分のことばで表現することを大切にします。それをお互いに聴き、問いかけ合いながらともに考える場です。

哲学対話は、近年いろいろな所で行われています。当日集まった参加者から出してもらう問いについて対話をする場合もあれば、主催者が事前にテーマや問いを決めて実施する場合もあります。

我々の場合は大きなテーマだけを事前に決めておき、当日そのテーマに関連して問いを出し合って、選ばれた問いで対話をスタートするというやり方で行っています。

過去のテーマはそれぞれ「対話」、「時間」、「夢」、「言葉」、「弱さ」、「笑い」、「つながり」、「学ぶ」、「遊び」、「信じる」、「読む」、「書く」、「聴く」、「楽しさ」、「無駄」、「不安」、「記憶」、「努力」、「考える」、「協調」など。21回目となる今回のテーマは「変化」で、参加者は13名でした。

問いだし

冒頭で音声確認の意味も含め、①ニックネーム 、②最近あった変化、③その変化について感じたこと、を一人ずつ話していただきました。数日前に急に温度が下がったことに付随する変化、食卓のメニューや体重の変化、自身の行動や習慣の変化など、様々な変化が出されました。

その後、お1人ずつ、問いを考えて出してもらいました。複数の問いを出してくださった方がいらして、いつもよりたくさんの候補が出ました。

・人が変化するときは、能動的なのか受動的なのか?
・変化を食い止めることはできるのか?
・変化は必ず起こるものなのか?
・そもそも変化するってどういうこと?
・変わり続けている世の中で変わらないものはあるのか?
・なぜ「変わらないもの」を求めてしまうのか?
・自分自身で自分の変化を起こすことはできるか?
・「変化」は必要か...?
・「変化」と「進化」は同じか?
・持続と変化はどうちがうのか?
・変化はどのように始まるか。
・毎回変化する物事は変化なのか
・変化をさまたげるものがあるとしたら、それは何か?
・変化は人にとってどんな価値があるのだろうか
・変化のきっかけは自己の内部からうまれ得るか?
・変化をしないものってあるのだろうか?
・ペラペラ漫画の様な状態は変化なのか
・変化の先にみえる景色は?
・時間の経過が無い”変化”はあるとしたらどんな状態か
・発声や消滅は変化か?
・瞬間に変化し、また戻ったらそれは変化と言えるのか

合体できるものはないか、問いを出した方に提案していただいていくつかの問いを一緒にしたあと、投票をして、対話の入り口となる問いを決めました。

いったん休憩をとり、投票で選ばれた「変化をさまたげるものがあるとしたら、それは何か?」という問いから対話をスタートしました。

対話で出てきた意見

※個人が特定されない範囲で、当日出た意見を紹介します。発言された言葉そのままではなく、進行役の解釈・編集が入っています。

・頑固な人は、外から見ていると変わることを拒んでいるように見えるし、自分自身を見ても、変わらずに繰り返してきたパターンがある。すべてが変わっていくとしたら、そういった変化に抗わせているものは何なのか?

・そもそも変化しやすいものとしにくいものがあるからわけて考えたほうがいい。

・頑固な人は慣れ親しんだことをくずしたくないのでは。これまでやってきてそれで問題なければ、それが慣性になる。だとしたら、今がいいと思っていることが、妨げる原因なのか?

・反対に、過去にネガティブなことが起きたために、変化を恐れることもある。守りたい気持ちがそうさせる。ただ、変化をさせたいと思いながらも、それでもその変化をさまたげるものは何なのか?

・変わるときにはエネルギーが必要で、変わらない方がエネルギーが少なくて済む。それでも変わるときというのは、変わるメリットが変わらないメリットを上回ったとき。

・変化には、抗えない変化と、その抗えない変化のなかで自ら選択して行う変化と2種類あるのでは。

・変化をすることがどうしていやなのかと考えると、変化する前の自分に留まることにメリットがあるから。

・変わっていくことを納得していないと、変えなくちゃいけないとわかっていても変えにくい。エネルギーがいるし、慣れ親しんだ方がラクだから。変わったあとの光景が見えれば、変わっていくのかな?

・自分の意思で変えられるものであっても、変えられないのはなぜか?

・変わらないといけないとわかっていて、変わることに納得もできているのに、変えられないときは何がしこりになっているのか?

・優先順位が高くないとエネルギーが出ない。感情と利益が得られないからではないか。

・自分のなかのアイデンティティがしこりになっていることがある。それがなくなると自分がからっぽになるような感じがするんじゃないか。

・成功体験を積んでしまうと、それをなかなか変えにくい。

・逆に、エネルギーを発揮して、自ら新しい道を作ったという経験は?

・老いに抗うことはきついけど、それでもやらざるを得ない。健康を維持するのはきついことだけれどやれる。それは死ぬのがこわいからかも。

・自分で意識して違う道を選んでみたときは、転機だったから。

・声をあげることで変化につながったことがあるけれど、それは正義感だけでなく、自分の中でどうしても見過ごせないことだったから。

・老いに対する不安や恐怖に抗っているけれど、これは個人の問題だけでなく、社会の老いに対する認識の変化も必要。

・なぜ老いへの忌避感があるかというと、社会とのつながりが剥奪されていくからではないか。

・「変化したくない」は、「~たい」に言い換えられるのではないか。その言い換えた言葉が重要。

・変化は現状と目的のギャップを埋めるためにするとして、理性がゴールを設定しても、感情や怠惰な部分があると変わらないのかな?ゴールがないけど変わっていくことってあるのかな?

・変化していく過程は楽しい?変化の最中はなかなかその変化に気づかないのでは?

・変化の成功が、逆に新たな変化のさまたげになりうるのでは?

・メリットを認識できたら変われるのか?

・まったく合理的ではない合理もある。


2時間の対話を終えて

今回は、具体的な体験と、抽象的な問いかけをいったり来たりしながら、共に変化について考える場になっていったという感じがします。哲学対話では、他の人の発言を受けて様々な考えが自分のなかから湧いてくることも楽しさのひとつですが、一方で、他の人の発言につなげて発言していくことで、だんだんとテーマに関しての深まりを感じることができます。半分くらいが初めて会う方々であっても、こうして共に考えていくことができるというのは、あらためて貴重な機会だなあと実感します。市民活動として今後ももっと広がっていってほしいなあと願いながら、今後も続けていきたいと思います。


今後の開催予定

詳細・お申込みはリンク先サイトからどうぞ。

10月31日(日)10:00~12:00
童話で哲学対話(オンライン)

11月14日(日)14:00~17:00
「大切に聞く」哲学対話 みみ哲

11月27日(土)10:00~12:00
オンライン哲学対話:テーマ「労働」


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