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雨の日にいい出会いをしたことがありますか?

やばい、まだnote書いてない。もうすぐ今日が終わってしまう。どうしよう!そう思って本棚に手を伸ばし、何冊かの本をパラパラと見てみた。

たまたま近くにあったこの本を手にとった。1ページに1つずつ、365の質問が印刷されていて、質問の下は記入できる余白になっている。


えいっと開いたページには、こんな質問が。

雨の日にいい出会いをしたことがありますか?


ふと思い出したのは、雨の日のある出来事。「出会い」ではないけれど、大学生の頃のとても印象的なことだ。

雨上がりの宵の口、私は表参道から渋谷方面に向かって歩いていた。目的の場所が道路(国道246)の反対側だったので、横断歩道を渡る必要があった。

ちょうど横断歩道の近くまで来た時に、歩行者の信号が青になったので渡ろうとしたら、渡りはじめてすぐ、横断歩道上の特に段差のないところで、私はつまづいて「びたん」と路上に倒れてしまった。

しかも、そのとき持っていたバッグの口が開いており、バッグの中身があたりに散らばった。財布や手帳、本、メイク道具などの細かいものまで、あちこちに。

雨上がりで道路はまだ濡れている。服は間違いなく汚れているだろう。段差も何もないところで転んだこともめちゃくちゃ恥ずかしい。でも今は、とにかくバッグから飛び出たものを拾わなくては。信号が赤になる前に戻るか進むかをしなければ車にひかれるか、クラクションの大合唱になってしまう!

すぐ近くにいた人に「大丈夫ですか?」と声をかけられ、支えられながら起き上がった。すると、信号を渡っていたであろう人たちがたくさん、10人くらいはいたと思うのだけど、その人たちが、ちらばったものを拾ってバッグに入れてくれている姿が見えた。

「これで大丈夫?いちおう全部入っていると思うけど」と言われてバッグを渡された。「は、はい、ありがとうございます」と言いながら、信号がチカチカしていたので、急ぎ足で横断歩道を渡った。

信号を渡ったあとは、しばらく茫然として動けなかった。

まず転んだことがショックで、「何してんだよ、自分」という気持ちが強くあった。自分が情けなくて、恥ずかしくて。

一方で、あれだけの人が瞬時に助けようと動いてくれたんだということがすごくうれしくて。心のなかが空間になっているとしたら、そこにあたたかい空気が注入され、隅々まで満たされたようだった。

少ししたら転んでぶつけた膝やひじが痛くなってきたけれど、何とも言えないあたたかい気持ちの方が強かった。

「東京の人は冷たい」と昔はよく言われていたけれど、そのときから「東京の人はやさしいよ」と、よく人にこの体験を話すようになった。さらに、人が何かを落としたら、率先してすばやく拾ってあげるようになった。もともとバレーボール部だから、落ちるものに敏感なので(笑)

そういえば、雨&表参道、といえば、こんなこと↓もあった。これも「出会い」ではなく、単にお見かけしただけだけれど。


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