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乳がん治療の記録①:入院当日から手術前日

2020年11月に乳がんステージⅢaと診断され、12月に部分切除と腋窩リンパ節郭清の手術を受けました。その入院中の記録です。

12/14 入院当日

朝5:45頃目覚める。あまりにも寒かったので、お湯を飲んで内側から温めようと、着る毛布を来てキッチンに行きお湯を沸かす。マグカップに入れたお湯が少し冷めるのを待っている間にバナナを食べ「細かすぎて伝わらないモノマネ」の続きを見る。

朝の時間で少しでも用事を片付けようと呼吸法とウォーキングはしないことにした。入院したらどうせひまだからそこで何かすればいい。次男を起こして、洗い物をして拭いてしまって、観葉植物に水をあげて、ゴミをまとめて玄関に置く。

今日は次男が病院まで荷物を持って送ってくれる。

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駐車場に向かうところ。

駅まで車で行って、そこから電車。本当は病院まで車の方がラクなのだが、ひどい渋滞になると予約の時間に遅れてしまう。混んでいる電車では迷惑になるけれど大きな荷物を持って電車で行くことにした。

9時を過ぎた地下鉄はそこそこ混んではいたが、運よく座ることができた。うとうとしながら30分程電車にゆられ、病院の最寄り駅に着く。そこから3分ほど歩いて病院へ。付き添いの人は1階ロビーまでしか入れないので、受付で入院手続きをしたあと、次男とバイバイをして、ボストンとキャリーを引きずり病室のある階へ向かう。

最初に身長体重を計ってから、病室に案内された。驚いたことに、ビジネスホテルのような個室だった。この時期なのでコロナのPCR検査を受けなくてはならず、結果が出るまでの2日間はなるべく部屋から出ないで欲しいとのこと。部屋にトイレと洗面台がついていて、お風呂のときだけは共同のお風呂を使う。食事も看護師さんが3食運んでくれる。

通常は手術の前日の入院で済むらしいのだが、PCR検査に2日を要するため手術の3日前に入院し、軟禁状態で過ごす。結果が陰性であれば、予定通り手術を受ける。

PCR検査は容器に唾液を垂らして溜めるというやり方で、1回でそんなにたくさんの唾液が出るわけではないので、時間をおきながら何回かにわけて溜めた。

結果を待つだけなので丸々2日間フリータイムだ。そのために時間をつぶすものをいっぱい持ってきた。デスクもあるので、何かを書くにも集中できてよさそうだ。

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病室が想定していたよりも寒く、持っていった温度計つきの時計で19℃になっていた。看護婦さん、半袖だけど寒くないのか?と思って「この部屋寒くないですか?」と聞いたら、「あ、これ暖房入ってないですね」と暖房のスイッチを押してくれた。さすがにこれは寒いですね、と言って笑っていた。

病院の枕は思っていた以上に薄くてちっちゃいので、クッションを持ってきてよかった。

12:00に昼食を運んできてくれる。入院後初めての食事はもちろん完食。そのあとはパジャマに着替えて、ベッドに横になりながらFireHDで映画を見る。途中で20分くらいうとうと。

15:30頃に見終わって、なんかたっぷり書く時間があるのにあんまり気持ちがのらないので、Kindleで漫画が安くなっていないか探してみる。Unlimitedで『ザ・シェフ』と『いただきます!』と『喰いタン』の合本をDLする。

レンタルしたポケットWi-fiは、無制限と言いながら1日3GB超えると制限がかかるらしい。PCをちょっとつないでネットサーフィンしているだけであっという間に1GB行ってしまったので、使う度にいちいち接続&切断をしてデータ量をこまめに確認しながら使うことにする。

16:30からはお風呂。お湯をためて湯舟に入ったが、30分しか割り当ての時間がないので、頭も体も洗って湯舟につかって着替えて髪を乾かして、というのはどうやっても無理だということがわかった。今日はなんとか5分だけあたたまったけど、その分ドライヤーがほとんどできなかった。手術後はお風呂もシャワーもNGなので、せめて手術前にはあったまりたい。

18:00に夕食。ベッドの上で映画見てごろごろしていただけだけど、ちゃんとお腹がすくもので、また残さず食べる。夜はテレビで『THE W』をかけつつあまり面白くなかったので、本を読む。


12/15 入院2日目

5:30頃に自然に目が覚める。寝たのは23時頃で0:00に1度目が覚め、3時すぎに見回りの看護師さんのドアを開ける音でまた目が覚めた。

6時過ぎに起き上がり、トイレ。洗面台で顔を洗う。入院中はトイレに行った回数を記録することになっている。前日、トイレに行った回数が16回とすごく多かった。何かいつもと違うことをしていたか?と考えると、心あたりはそれまでカリフラワーを毎日食べていたことと、リポCというビタミン剤を飲んでいたことくらい。調べると、どちらも利尿作用があるそうなので、おそらくそのどちらもが影響していたんではないか。

6:45くらいに看護師さんが血圧などを測りにくる。記録用紙を見て「そんなにトイレ行ったんですか?」と言われ、「いやここ数日すごく多かったんです」という話をした。

その後お腹がすいていたので、夜に残したバナナを食べようと思ったが、おやつにとっておくことにしてのど飴をなめてしのぐ。持っていったマインドフルネスのテキストを読む。

8:00に朝食を食べ、その後また映画を見る。隔離状態といえども、なんだかんだと部屋に人がやってくる。血圧や検温は1日3回、3度の食事も持ってきて、さげてくれる。9:00前と夕方に医師の回診。ゴミの回収、床掃除。今日はオペ看の方が来て、手術室に行く際の段どりを説明してくれ、「今の時点で心配なことはないですか?」とかなり気にかけてくれていた。

そうやって何度かの中断を経て映画を観終わったあとは、またマインドフルネスのテキストを読んで、昼食。漫画を読みながら昼寝。

14:30から肺のCT検査で、パジャマのまま地下まで降りる。すぐに検査室に案内され、ものの数分で終わった。自販機で水を買ってまた部屋に戻る。

結局なんだかんだあっという間にカンヅメの2日間は終わりそうだ。体も頭も元気だから、本を読んだり何かを書いたりできるはずなのだが、手術を前にしてやっぱりなんかふわふわと気持ちが落ち着かず、あまり考えなくても済む映画を見たり漫画を読んだりして時間をやり過ごすという感じになっている。


12/16 入院3日目(手術前日)

PCR検査の結果が出たら大部屋に移るので、朝から荷物をまとめておく。貧乏人には1日25,000円の差額ベッド代×2週間分は払えない。

朝食後、何もすることがないのでまた映画を見る。PCRの結果は陰性と知らせが入ったが、部屋を移るのはお昼を食べてからとのこと。

14:00頃部屋を出る。大部屋と言っても3人部屋で、真ん中のベッドは使わないので2人部屋だ。窓側のベッドだったので、窓が広くて開放感がある。荷物をある程度納めたあと、手術の切開箇所の印をつけるためパジャマのまま外来の診察室へ。先生がエコーで腫瘍の場所を確認しながら、マジックで皮膚に印をつける。

病理検査で悪性と診断された腫瘍のそばにもうひとつ小さい腫瘤があり、悪性かどうかはわからないが、近くにあるので一緒にとりましょうと言われる。もともと手術では腫瘍の周りの2cmほどマージンをとって切る予定だったので、それを少しだけ延ばして切ります、とのこと。

病室に戻り、手術前に、万が一のときのことを書き残して置こうと思ったのだが、万が一を考えると涙がずるずる出てくるので、なるべく考えないようにしようと、結局漫画を読んだ。

18:00に最後の夕食。がつがつと残さず食べる。夕食後は、水は飲んでよいが固形物はNGで、朝までに点滴代わりのこれ↓を飲んでくださいと言われている。

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夕食後はまた映画。
結局手術前の3日間は、ほとんど映画を見て過ごした。時間があっても心が落ち着いてないと、意外と何もできないということを証明しただけの3日間だった。



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