Z世代に刺さるTikTokのポイントは、「ロジック」×「企画力」。“見られる”ためのベンチマーク分析のコツ
今や企業が運用するSNSの定番となった「TikTok」。
若者を中心に利用されているため、特にZ世代をターゲットとした広報やマーケティングを行いたい方には必須のプラットフォームとなっているのではないでしょうか。
しかしZ世代は、思春期や就活期間をコロナ禍で過ごし、幼い頃からスマートフォンなどに触れたと言う、これまでの価値観とは異なった考えや思考を持っていることも多い世代です。
そのため、TikTok運用にあたって、
「どんな発信をしたら良いのかわからない!」
「担当者になったけど、何をすればいいのか…」
と悩まれている方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな悩みを解決するため、Z世代に刺さるクリエイティブを生み出す僕と私と株式会社のTikTokチームにて、統括とクリエイティブディレクションを担当するSHUZOさんにお話を聞きました!
最短で動画をバズらせ、多くのZ世代に見てもらう動画作りのプロであるSHUZOさんに、Z世代に見られる動画作りのコツやアカウントの設計のポイントなどをお聞きします。
▼SHUZOさんがぼくわたで務める「クリエイティブディレクター」の仕事についてはこちら
ハイクオリティな動画が増え、ジャンルは多様に。近年のTikTokクリエイティブ事情
ーー最近のTikTokクリエイティブの傾向としては、どのようなものがあるでしょうか?
SHUZOさん:
全体的にクオリティの高い動画が求められているように感じます。
TikTokは流行り始めた当初、素朴で手作り感のある動画が多く、1本あたりの長さも短いものがほとんどでした。編集の仕方が大雑把でも、それがユニークな魅力に映っていたんですよね。字幕やカット編集、効果音すら使用されていなかったほどです。
しかし、最近ではクオリティが高く、意図的に作り物っぽさを意識したものが見られます。特にコロナ禍に入ってからは、時間に余裕ができたのか少しずつ手を加えるようになり、動画の完成度が格段に上がったのを感じています。
また、ストーリーが楽しめるショートドラマ形式の動画も多くなりました。
ーーぼくわたが運用するアカウントにもドラマ形式の動画が上がっていますよね。
SHUZOさん:
初期は固定したスマートフォンの前で「〇〇あるある」やネタを披露したり、相手がいない場合は字幕で会話を表現したりするようなスタイルが主流でした。
それが、最近ではスマホに代わって本格的なカメラを導入し、複数の出演者を起用したり、ストーリーをしっかり作り込んだりと、クオリティが大幅に向上しています。
また、YouTubeの動画を切り抜いた二次創作コンテンツもTIkTokに上がるようになりました。
TikTok用に作られた動画よりも、YouTubeに上がるようなクオリティが高くて長い動画を、タイパ良く見られるのがTikTokの強みになりつつあるのかもしれません。
Z世代にアプローチするなら「見続けられる」ための「期待感を集める」動画を
ーーちなみに、クオリティの高い動画を求めるのはZ世代の特徴なのでしょうか?
SHUZOさん:
たしかにZ世代は幼いころからコンテンツに触れてきているので、目は肥えていると思います。ただ「Z世代の特徴」と言い切るのは危険です。
Z世代のなかには、コンテンツの質が高い今だからこそ、逆に雑さや素朴さを求めている人も一定数いるんです。
なので、クオリティの高いコンテンツでなければ見られないのか? と言われると、そういうわけでもないと思っています。
実は、今のTikTokの動きは、YouTubeの黎明期に似ているんですよ。YouTubeも数分間の動画が主流だったところから、クオリティの高い長尺のコンテンツが好まれるようになりました。
ーーでは、Z世代がよく見ているTikTokのジャンルやトレンド動画とはどんなものなのでしょう?
SHUZOさん:
実は、一口に言うのがとても難しいんですよね。ぼくわた代表の健登くんが「花火トレンド」と表現したとおり、テレビやSNSで「流行りの〇〇」と言われはじめたころには、もうトレンドの終わりを迎えているほど、今は目まぐるしく流行が変わります。
そのなかで、Z世代にウケる動画を作るなら動画の冒頭から最後までワクワクできる、「視聴者が期待する要素」を入れつづけることが大事だと考えています。タイパを重視し、良いコンテンツに囲まれた環境で育っているZ世代の注目を惹きつけるには、早く動画に没入させ、それを継続させるのがポイントです。
先ほど「Z世代に見られるジャンルやトレンドに参入するのは難しい」と言いましたが、インフルエンサーやZ世代人気の高い商品の力を借りることはとても有効です。
今流行りのPR手法でも同じことが言えますが、人やモノを使ってファンを巻き込むことを狙った動画は多くありますし、Z世代からも注目を集めやすいのではないでしょうか。
企画だけでなく、ロジックも大事。「分析」を重要視する理由
ーーZ世代が惹かれるコンテンツには企画力が試されそうですが、ほかに必要となる要素はありますか?
SHUZOさん:
TikTokは良いコンテンツであればあるほど見られやすいプラットフォームなので、企画力が重要視されるのはたしかです。ただ、企画力に加えて、アルゴリズムへの理解は必要不可欠ですね。
そのため、僕はロジック×企画の掛け算でアカウントを設計しています。複数の伸びているアカウントをベンチマークとして置き、僕の感性で企画を上乗せしているんです。
ぼくわたで運用しているTikTokは、すべてのアカウントが全てが1本目の動画で100万回再生を超えているのですが、それはアカウント作りを徹底しているからだと考えています。
ーー「ロジックでアカウントを設計する」とは、具体的にはどのようなことを指すのでしょうか?
SHUZOさん:
大きく2つの要素に分かれます。1つは「動画」。どんな企画を1本目に持ってきて、その動画の冒頭ではどのようなことをしているのか、テロップはどんな位置にどのくらい入れるのかを、ベンチマークをもとに論理的に考えます。
もう1つは「アカウント設定に必要な要素」ですね。プロフィール、アイコン、投稿におけるキャプションの書き方や使用する音楽、ハッシュタグの付け方、視聴者とのコミュニケーションの取り方など、あらゆる要素が該当します。
すでに伸びているものからアカウントの作り方を参考にすることで、おすすめに載らない要素や注目されない理由を取り除き、皆さんの目に映りやすい状態を作るんです。この、「アルゴリズムとしては絶対に間違っていない(=伸びるはず)」状態を作るのが基本です。
ここで「見られる要素」を作り、企画で「見続けられる」要素を入れ込むことでTikTokを運用しているんです。
ーーベンチマークのアカウントの見つけ方や、分析のポイントはありますか?
SHUZOさん:
アカウント探しでは、自分が取り組みたいと考えているTikTokのジャンルのうち、直近の3ヶ月間で平均50万〜70万以上の再生回数があるものを見てみてください。
フィルター機能や、ビジネスアカウントが無料で利用できるツールを使えば簡単に再生回数や保存数などを閲覧できます。
ただ、注意すべき行動は同じジャンルばかりを分析することです。同じような内容を投稿しているアカウントを分析し続けていると、思考がマンネリ化してしまいます。こうなると、ベンチマークにしたアカウントを目指すばかりでいつまでも越えられなくなってしまいます。
ーーベンチマークにしたアカウントとは、一味違ったものを取り入れなければならないのですね。
SHUZOさん:
そうです。その要素を入れ込むのに必要なのが自分の感性であり、「企画力」だと思います。
だから普段から特定のジャンルを見続けるのではなく、さまざまなジャンルのTikTokを見て期待感を生み出す動画の種類をインプットすることをおすすめします。いいなと思ったものを保存しておく癖をつけるのもいいでしょう。
実際に運用を担当するとなると、嫌でも同ジャンル内で分析をしなければならないので、普段は引き出しを作ることに専念してみてください。
僕はこうしたインプットのためにも、1日2〜3時間ほどTikTokを見るようにしています。
ーー具体的にどのようなところを見ているんですか?
SHUZOさん:
必ずチェックしているのは、人気のTikTok動画。TikTokは検索欄にフィルター機能があるので「いいねの数」順に並び替えてみると見やすいですよ。
そのなかで僕が特に見ているのは「コメント欄」ですね。コメント欄には視聴者からの反応が多く集まっているので、視聴者がどんな要素に注目し、どこに期待しているのかわかりやすいんです。
あとは、再生数といいねの数に違和感がないか見るのもおすすめ。
再生数がとても多いのにいいねの数が少ないような動画は炎上やシェアなど別の要因から見られている可能性が高く、純粋に動画を楽しみにきた視聴者が少ないこともあります。
Z世代にターゲットを当てて運用をしたい方も、動画の量を見ていくうちに徐々に「このアカウントのフォロワーにはZ世代が多そうだ」と特徴がわかってくると思いますので、まずはぜひTikTokを見て、分析してみることから始めてみてください。
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