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駄洒落小説 『入浴委譲』 #毎週ショートショートnote

「ギャー!なにこれ?」

と浴室の扉を開けて驚く私に

「どうした?」

脱衣所のカーテン越しに彼が話しかけてきた。

「何なの、これ?」
「入浴剤入れたからかな?」
「それにしたって異常だよ!」
「そんな文句言わんといてよ。そっちが先に好きな入浴剤選んでいいから先に入りって言うからお礼に俺も頑張ったんだよ。おまえも疲れてるだろうし」
「…文句言ってごめん、ありがとう」

とりあえず私は入浴委譲を受け入れ、ほぼ白に埋め尽くされた浴室に入った。


「どうだった?」

髪を乾かしていると褒めてもらいたそうな顔で私を見つめてくる。

「…よかったよ」
「俺が犬掻きしたからな」

そのせいで浴室が泡のタ○ヤマンに乗っ取られていたのか…と後掃除が大変すぎてゴ○ストバスターならぬ泡風呂バスター化して疲れを果てていたら

「今日の金ロー、ベ○マックスだってよ!」

と言われ、そっちか…と徒労感が増すのを感じながら一緒に映画を観た翌朝、彼が筋肉痛で悶えることを私はまだ知らない。



 ちょい実話です。手足の震えが止まらないまま泡風呂に入ったら、浴室の半分くらいに何かを作り上げたのは私です🙈

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